「燃えよ剣」:質は高いが、総集編のようで… #燃えよ剣 #原田眞人 #新選組
映画『燃えよ剣』はクレイジーケンバンドの横山剣さんがステージでヒートアップする映画ではなくってですね、土方歳三を中心に据えて描いた新選組とその時代の物語です。これもコロナのせいで1年半近く公開が延期になってしまった作品です。
148分あるとはいえ、とにかく土方の波乱万丈な35年の人生を描くので、なんか連続ドラマの総集編みたいです。一つ一つのシーンが事柄を描くので精一杯で、味わいや奥行きまでを描いている余裕はないという感じです。まあ、早口で情報をたっぷり詰め込んで、短いカットやシーンを積み重ねていくのは、原田眞人監督の持ち味ですが、物語のコクとか情感という部分はあまり堪能できませんでした。
それに、「観る人が新選組の物語をだいたい理解している」前提で作られているようなところがあります。何も知らない人や外国の人がいきなり観ても、何が起きているのかを理解するのが結構難しいでしょうね。
それでも、原田映画らしい国宝級の歴史的建造物を使っての撮影とか、あまり見たことのな役者が重要な役でいい芝居を見せるとか(本作では、源さん役の「たかお鷹」とか、山南敬助役の安井順平とか、山崎烝役の村本大輔あたりがそうです)、ぶった切るような痛そうな殺陣とか、結構ゴロツキだった新選組の非情さとかは、スタッフ各パートの質の高さとかは堪能できました。改めて、血なまぐさい時代だったねえと感じることもできました(芹沢鴨の最期とかね)。
奇は衒わないものの、衣装も良く出来ておりましたよ。 でも司馬遼太郎の原作のタイトルだからしょうがないけど、「燃えよ剣」って感じの作品じゃないですよね。なんか違うと思います。
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