「アレックス STRAIGHT CUT」:トラウマ級の暴力と狂気 #アレックス #映画アレックス #ギャスパーノエ #アレックスストレートカット
映画『アレックス STRAIGHT CUT』は、説明に多少の字数を必要とする作品。2003年に日本でも公開され、大江戸も渋谷東急で観たこの作品ですが、時間を遡って進行するという実験的手法を用いていました、つまり本来のラストシーンが冒頭にあって、そこから前の出来事へと一つずつ逆に進行していき、その間に悲惨な出来事もあり、ラストではそれらが起こる前の平和な時間が流れているという流れなのです。ですから、途中までは何が何やらよくわからないのですが、だんだん全体像が見えてくるわけです。かなり不思議な映画体験であり、それ以上に序盤と中盤にある二つのおぞましい暴力場面がトラウマになってしまうような、インパクトの強い映画でした。深い闇を持つ作品です。
で、普通の時間の流れに直した今回の「STRAIGHT CUT」ですが、うーん、普通の流れにしたためなのか、基本的に既に観たことのある作品だからなのか(たぶんこっち)、2003年版ほどの衝撃は感じませんでしたね(あ、製作年度は2002年です)。けど、いずれにしてもギャスパー・ノエらしいアクの強い、ドスの利いた作品です。
そして天国のような穏やかな光景がラストの救いみたいになっていた2003年版に比べると、今回のは全く救いのない後味悪さを背負いながら劇場を出なければなりません。初見でこっちを観た人のトラウマは、より重いのかも知れませんね。
映像的な狂気も、やっぱり只ならぬものがありますねえ。ギャスパー・ノエの赤と黒ってほんと無双です。地獄が送り込んで来た天才なのですね。
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