「かそけきサンカヨウ」:淡々と何も起きない #かそけきサンカヨウ #今泉力哉 #志田紗良 #中井友望
映画『かそけきサンカヨウ』は、今泉力哉監督の今年2本目(もう1本は『街の上で』)。なんだこれ?ってなタイトルですが、「かそけき」が「幽けき」だとわかり、サンカヨウがひっそり儚い感じの花だとわかると、だいたい納得できます。まさに、志田紗良演じる主人公(その名も「陽(ヨウ)」)のことですね。
ま、基本的に狭い世界の中の人間関係の物語です。主人公は高校生女子。彼女の漠然とした不安や悩みといった揺れ動く心情がテーマの作品です。なので、大きな事件は何も起きません。みんないい人だし、静かで淡々としてます。となれば、大江戸が好きなタイプの作品に違いないのですが、どうもさほど感銘を受けませんでした。いくら何も起きないような映画が好きと言っても、ここまでかそけく何も起きないと、さすがに物足りないですね。
フィックスの長回しも多用され、その中で会話劇が展開されていくのですが、さすがに「長い!」と思うことが多かったです。長回しならではの効果も、特に得られておりませんでしたし。井浦新が志田紗良に語り掛ける場面なんて、観ていてちょっと集中力が「もたない」感じでした。
静かで優しい鈴鹿央士が当世風のおとなしい若者を、説得力を持って演じておりました。 そして主人公の同級生サキ役の中井友望が、なかなかいい感じでした。ナチュラルで、独自の味があって、今後が楽しみな若手です。
(追記) 「十月十日(とつきとおか)」という妊娠期間に関する鈴鹿くんの母(西田尚美)の台詞に、脚本家の勘違いでは?というのがありました。「10か月とちょっと」と言っているのですが、赤ちゃんがおなかにいる期間は正しくは280日=9か月とちょっと です。10か月目に入ってちょっとたった頃なんですね。調べてみると、この表現が生まれた裏側にはいろいろあるみたいですが、いずれにしても出産経験者の母親が間違えて言うわけはない台詞だと思いました。
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