「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」:正義の告発もの #ダークウォーターズ #巨大企業が恐れた男 #デュポン #マークラファロ #トッドヘインズ
映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』は、アメリカ映画伝統の告発もの。テフロン加工のフライパンで有名なアメリカのデュポン社を名指しで告発しております。現在も存続する大企業(アメリカ三大財閥の一つ)をこれだけ堂々と悪者にして映画が作れるってのが、今も昔もハリウッドの凄い所。『MINAMATA』でもチッソを完全な悪者として描いておりましたし。まあ、そうされて当然だとは思っていますが、日本映画だと絶対にそうはできませんもんねえ。どうしてなんでしょうか?
本作は主演のマーク・ラファロ(『アベンジャーズ』のハルク)がプロデュースしています。ここもアメリカと日本が大いに違う点です。日本だと、俳優がちょっと政治的な事を言うと、なぜか非難されてしまいますからね。困ったものです。 そういえば、マーク・ラファロは、デュポン社のダークサイドにまつわる映画『フォックスキャッチャー』(2014年)にも出演しておりましたっけ。
大江戸は正義の告発ものが好きなんですけど、本作にも色々と心揺さぶられました。損得を超えた勇気の大切さを教えてくれるってことにおいて、今も昔もアメリカ映画の一流作品はきちんと筋が通っております。
ただ、最上の作品かと言われると、そこまでは届いてませんね。事実を基にしているが故の限界もありますし、エンディングが微妙な気もいたします。それでも、こういう映画を作り続けることは、人々に大切なことを忘れさせない“啓蒙”のためにも必要だと思うのです。企業城下町で、大企業を相手取って裁判を起こす被害者に対する住民たちの「村八分」的な白い目なども、さりげなく描写されてました。これは日本もアメリカも一緒なんですねえ。
ティム・ロビンスもビル・プルマンも久々に見たけど、老けましたねえ。でも一番驚いたのは、あのトッド・ヘインズがこんな作品を撮ったということ。映像も暗くて渋くて、いつもと全然違います。最上ではないけれど、いい仕事でしたよ。
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