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2021年12月 5日 (日)

「ボストン市庁舎」:行政と民主主義の理想形    #ボストン市庁舎 #マーティンウォルシュ #フレデリックワイズマン

1_20211205225601 映画『ボストン市庁舎』は、フレデリック・ワイズマンによる4時間34分(途中に10分間の休憩あり)のドキュメンタリー。タイトルに「市庁舎」とありますが(原題は“City Hall”)、別に建築をめぐるドキュメンタリーではなく、ボストン市役所に努める人々を追った作品です。

中でもマーティン・ウォルシュ市長の出番が多く、ある意味市長のプロモーション・フィルムのようになっているのですが、それでも全然OKと思うぐらいこの人が素晴らしいのです。今どきこんな立派な政治家がいるんですね。アメリカの正義、政治の正義を堂々と正面から体現しています。今年の春から政府の仕事に就いているようですが、将来この人が大統領になればいいのにと思わずにはいられません。

彼の影響か、市の職員たちもみな立派な人ばかりです(少なくともこの映画の中では)。ワイズマン監督の「ボストン市庁舎は(ドナルド・)トランプが体現するものの対極にあります。」って言葉がすべてを表しております。多民族を、多様性を認めているってことが大きいですね。

同性婚の式を挙げたり、ゴミを収集したり、レッドソックスのイベントに出たり、渋滞をコントロールしたり、道路のすべり止め舗装をしたり、食料を配ったり、住宅のネズミ対策を行ったり、出店に関する住民説明会を行ったり、まあ多種多様な公務員たちの仕事を、その市民との対話ぶりを、時間をかけてしっかり見せてくれます。 それにしても驚いたのは、ゴミ収集車にベッドのマットレスとか事務用キャビネットなんかをそのままブチこんじゃうこと(日本では粗大ゴミなのに)。いかにもアメリカだと感じました。また、ベトナム系住民による大麻ショップ開店をめぐる住民説明会ってのにも度肝を抜かれました。大麻ショップが地下に潜らずに営業できるんですねえ。

ほんとに市職員と住民との対話が多いんです。職員間での対話も多いのですが、とにかく住民の声を聞く姿勢があたりまえのように根付いているのです。正直面倒くさいと思います。でもやってるんですねー。えらいなあ。ここに民主主義の理想的な形があると思いました。すがすがしいです。すげーな、ボストン。

この映画は、行政というものを考えるのみならず、仕事というものを考えるきっかけにもなるはずです。日本でも、中学生や高校生に学校で見せたい作品です。そして、すべての公務員にも(それ以外の人々にも)見てもらいたいと思います。そもそも4時間半、ぜんぜん飽きないほど面白いですから。

 

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