「パワー・オブ・ザ・ドッグ」:繊細で上等な映画の味わい #パワーオブザドッグ #ジェーンカンピオン #ベネディクトカンバーバッチ
映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、ネットフリックス作品の小規模劇場公開。まあ、スクリーンで観ることができるだけありがたいって言わないといけないのでしょうかねえ。嫌な時代です。
でも、一方では今のご時世においてこんな(地味な)企画が通るってのもネトフリならでは。決して派手さはないけれど、繊細で実に上質な「映画そのもの」なんです。演出力ってまさにこういう事を言うんだなあってのが、よくわかる作品。ジェーン・カンピオン監督の名前を久々に聞きましたが、いやー、熟練の境に達しておりました。どうやら12年ぶりの映画なんだそうです。
映像も圧倒的です。西部の風景(実際にはニュージーランドで撮影されたそうです)も雄大で美しいのですが、家や建物の撮り方、その中での人物の配置なども見事。光と影も素晴らしいものがあります。その中で俳優たちが繊細なニュアンスの演技を披露するものですから、これを上等な映画と言わずして何と言いましょうや。
ベネディクト・カンバーバッチの演技が凄いです。悪役なんだけど、進むにつれて揺らぎや弱さが出て来て、そういう複雑な全体像を見事に表現しています。 キルスティン・ダンストはしばらく見てない間に「年輪を重ねた」って印象。39歳という実年齢(撮影時にはもっと若かったはず)以上に、しんどいことになっておりました。
そしてジョニー・グリーンウッドの音楽が、これまた見事に複雑で不穏な作品世界を表現しています。映像との相乗効果が出ています。独特です。
終盤にはミステリー的な展開もあり、それでも色々と含みを持たせながら、作品の奥行きを感じさせてくれます。何とも味わい深いのでありました。巷で「本年屈指の傑作」と評されていたのにも納得です。
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