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2022年1月31日 (月)

「さがす」:鈍器的な社会派エンタテインメント    #さがす #片山慎三 #佐藤二朗 #伊藤蒼 #清水尋也 #森田望智

1_20220131135701 映画『さがす』は、2019年の『岬の兄妹』で、重苦しいインパクトを残した片山慎三監督の第2作目にして、初の商業映画。佐藤二朗をはじめ名の知れた俳優を使っています。

写真で見る片山慎三監督は、短髪で首が太くてガタイが良くって、ラガーマンのようです。映画の現場よりも工事現場が似合いそうです。その作品にも、「首が太い人が作った」感じがあります。それにしても、前作から大きく進歩しましたね。ミステリー&サスペンスの要素を持つ社会派エンタテインメントとして、きっちり成功作になっています。貧困、死への願望、ネットの闇、安楽死、親子の問題など多くの要素を詰め込みながら、適切なバランス感覚で、一般観客にも受け入れてもらえる娯楽作になっているのです。観る者の心に、爪痕を残しながら。

この、ハンマーでぶっ叩くような、鈍器で殴るような作風(とその中にあるユーモア)は韓国的だなあと思ったのですが、片山監督は韓国でも修行していて、ポン・ジュノの現場なんかについてるんですってね。なるほど、さもありなん。納得です。

役者が誰も彼も見事。それは演出の良さってことなんでしょうねえ。 佐藤二朗は福田雄二作品の印象が強過ぎて辟易していたのですが、本作では抑制を効かせて、韓国映画に出て来そうなオヤジさんを演じてます。 八の字眉毛の伊藤蒼は、冒頭走って信号が変わる前の横断歩道に走り出したりするもんだから、『空白』を観た人はみんな「危ない! 大型トラックに轢かれるぞ」と思ったことでしょう。その後の場面も「スーパー」「万引き」なので、笑ってしまいます。偶然なんでしょうけど。いやー、それにしても先が楽しみな「女優」です。 清水尋也の得体のしれない個性を生かしたこの役柄もなかなかです。 そしてアッと驚いたのが森田望智(最後まで彼女だとは気づきませんでした)!いやー、この役のインパクトは強いっす。嫌悪感すら感じさせるいかがわしさと性格の悪さ、そして最後に見せる別の表情。ほとんど助演女優賞ものです。

(以降ややネタバレあり) ラストシーンも見事。卓球台を挟んでラリーを続ける父と娘。そこでの会話の映画的効果と複雑な味わい。あのピンポン玉は、映画『ピンポン』のようにCGなのかなあ(ですよね)と思いながら、観ておりました。

 

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2022年1月30日 (日)

「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」:オシャレで美しいけれど・・・    #フレンチディスパッチ #ウェスアンダーソン

1_20220130220101 映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は、ウェス・アンダーソンの監督作10本目であり、「いかにも」なアンダーソン的世界。とにかくこだわりの構図と色彩で、すべてのカットを構築しコントロールしています。オシャレです。何なら1カット見ただけで、ウェス・アンダーソン作品だとわかる世界です。

小じゃれたキレイな色彩の「フランス」を自分なりの感覚で創造しているウェス・アンダーソン。『ニューヨーカー』誌がモデルだという、洗練された雑誌の記事を映画仕立てにしたような作品となっております。キャストも(信頼のなせる技か)豪華。

でも、かなり眠かったです。最初から最後まで「くすぐり」程度の面白さに終始して、完璧なビジュアルに反して正直つまらないという、まあ、ウェス・アンダーソン作品にありがちな事態に陥っておりました。てか、大江戸的には面白かったウェス・アンダーソン作品って、『ムーンライズ・キングダム』(2012)だけですから。

映画史的にも独自のアーティスティックなビジュアル世界を確立しながら、面白さが伴わないという稀有な監督ですよね、ウェスは。フェデリコ・フェリーニ、スタンリー・キューブリック、ケン・ラッセル、デイヴィッド・リンチなど、みんな「その人ならでは」の圧倒的映像世界を持ちながら、面白さにおいてもいい線行っていたと思うのですが…。そこ、一皮むけてほしいんですけどねえ。

 

 

 

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2022年1月29日 (土)

「真夜中乙女戦争」:池田エライザの「Misty」!    #真夜中乙女戦争 #二宮健 #池田エライザ #Misty

1_20220130000601 映画『真夜中乙女戦争』は、ケッタイなタイトルのラノベが原作で永瀬廉が主人公のアイドル映画なのですが、監督が二宮健であり、彼の20代最後の作品ということの方が、大江戸には魅力でした。

冒頭の東京タワーや東京の夜景からして、こんな撮り方ができる人ってほかにいません。いきなり、この作品のワンダーランドに引っ張っていきます。その後も撮影は魅力的。永瀬と池田エライザのラブシーンで、シルエットになった二人だとか、陰&陽のように顔が逆さまで向き合っている姿とか、クライマックスの衝撃シーンとか、映像の力で魅せてくれます。

でも、それ以上に魅力的だったのが池田エライザ。彼女が『Misty』をフルコーラス歌う場面は圧巻でした。彼女の歌唱力は、実のところ演技や演出よりも高い才能を示していると思っております。NHKの『COVERS』で、松田聖子の『Sweet Memories』を歌った時には鳥肌モノでしたが、この『Misty』もサイコーです! 『Misty』を歌う池田エライザを見る(聴く)ための映画と言っても過言ではないと思います。

(以降ネタバレあり)そして、最後に東京が炎上します。三島の『金閣寺』のように、東京が炎上します。東京タワーからその恐るべき炎を眺める遠景だけです。それは戦慄するような美しさです。この映像は、凄いです。最近の東京破壊テロ映画(『サイレント・トーキョー』(2020年)や『恋する寄生虫』(2021年))と較べても、深い恐怖があります。そこに美もあるので、多くの人が『ファイトクラブ』に言及しているようですね。

まあ、批判する人もきっと多い映画だと思います。「薄っぺらい」とか言われちゃいそうです。でも、二宮健ならではの映画になっていたし、大江戸は嫌いじゃありませんねえ。いくつもある美点を褒めてあげたいと思うのです。

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2022年1月28日 (金)

紙容器も出た「峠の釜めし」    #峠の釜めし #荻野屋 #おぎのや #紙容器の峠の釜めし

Center_0001_burst20220109192830753_cover 昔っから有名な駅弁の代表格、荻野屋(おぎのや)の『峠の釜めし』。もともとは群馬県の横川駅の駅弁です。子どもの頃は、陶器製(益子焼)の釜めし容器がついてるなんて、なんて太っ腹な駅弁だ!と思ったぐらいで、どこの家庭にもデパートの駅弁フェアかなんかで買った釜めしの容器がとってあったことと思います。ま、病気の時におかゆを作るぐらいしか、使い道がないんですけどね。

で、その特徴的な容れ物が、なんと、紙製に替わっておりました! まあ、紙と言っても、しっかり成型した厚みのあるものです。調べてみたら、紙に切り替わったわけではなく、補助的に紙容器で販売する事もあるのだそうです。なんでも、お客様から「持ち運ぶのが重い」と言う声が多かったんだそうで、サトウキビの搾りかすも混ぜているようです。

パッケージデザインは北斎の『神奈川沖浪裏』を用いておりますが、なんで海?? 「峠」なのに? 群馬なのに?

Tripart_0001_burst20220109192906548_cove外見は変わったけど、中身の方は、変わりません。鶏肉、栗、うずらのたまご、あんず、しいたけ、たけのこ、ごぼうetc.。別のパッケージに漬物各種も入っております。味付きごはんも、「主役」と言ってもいいおいしさなのです。

元が駅弁だけに、なんか小さな「非日常」が味わえるのがこいつの特色です。普通の弁当じゃなくて、ちょっとスペシャルな感じ。その上、おいしさには間違いがありません。うん、久しぶりに食べたけど、やっぱり好きです。うまいです、これ。

近年はギンザシックスをはじめ、都内にも店舗ができている荻野屋さん。峠の釜めしの販路も広がっているようですが、あんまりふくららまし過ぎるとどこかで割れたりしぼんだりするのが世の常なので、まあ、ほどほどで長続きさせてくださいね。

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2022年1月27日 (木)

サッカー男女代表戦のモヤモヤ    #アジア最終予選 #日本対中国 #森保やめてくれ #女子アジアカップ #日本対韓国 #北村菜々美

FIFAワールドカップ アジア最終予選第7戦目の日本vs.中国@埼玉スタジアムをTV観戦。久々の地上波(テレビ朝日)って感じで、嬉しいっすね。でも、客席はガラガラでした。こんなガラガラの代表戦、長らく見たことありません。コロナ蔓延中だし、超寒いし、代表の人気は下降中だし、監督が森保だし…、なかなか辛いですね。調べたらなんと11,753人ですと! なんだそりゃー?!(マジヤバイっす)

で、まあ2-0で順当に勝ったものの、本来は3点、4点取れる試合ですよね。前半押せ押せの時間帯に点が取れず、後半2点目が取れるまでは随分とまったりしちゃって。前田大然和尚が走り回って喝を入れてくれたのが救いですが、最後までモヤモヤ感がついて回る試合でした。

それにしても、ここ何試合も伊東純也が別格の活躍ぶりですね。伊東のおかげで森保の首がつながっていることは、間違いありません。「うまい」快足なので、代表史上に残る「へたな」快足=野人岡野を大きく上回ってポイント高いっす。

それとは逆に、ここのところずっと振るわないのに先発が続いて批判の的ともなっている長友、大迫、南野は、やはり今日も冴えませんでした(大迫が決めたPKは、伊東が獲ったものでしたし)。実況の内田篤人、松木安太郎両氏まで声を揃えて「いつまでも長友じゃなくて、もう中山でいいじゃないか」的な事を、ついに地上波で堂々と語っておりました(ちょっとびっくり)。ですよねー。

まあ今日はウォーミングアップで、本当に大切なのは2月1日のサウジアラビア戦。それこそが「絶対に負けられない戦い」です! でも大丈夫。この時期の、夜の埼スタのあの寒さでは、サウジの選手は動けないはず!!

 

ついでながら、女子アジアカップのグループリーグ日本vs.韓国を、DAZNで飛ばし見しました。前半30秒ちょっとで、植木理子の素晴らしいシュートで日本が先制したのに、その後えんえんとポゼッションしながら追加点が取れず、終了近くに1-1にされてしまったという何ともがっかりな試合。

左サイドバックには、本来センターバックの三宅選手が使われてましたが、あまり良くはありませんでした。だったら北村菜々美をメンバーにいれといたらそのポジションでもやれたのに。確かに彼女のプレイスタイルは「積極的にボールを奪いに行く」という池田ジャパンのコンセプトには合っていないのかも知れませんが、アクセントとなり違いを見せられる選手ってのも必要ですよね。まあ、北村さんももっと泥臭いプレイやデュエルをすることと、フィジカルを強化することは必要なんですけどね。彼女、欲がないからなあ…。

決勝トーナメントでは、もっとピリッとした試合を見せてほしいものです(コロナ上がりの岩渕真奈に期待しましょう)。

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2022年1月26日 (水)

謎のネコバス・キッチンカー    #ネコバス #ネコバスキッチンカー #下北沢のネコバス

Dsc_0011_copy_768x1001_copy_786x1024  先日、下北沢の有名なクレープ屋さん(アンドレア)の前の広場にキッチンカーが停車しておりました。

ご覧の通り、ほぼネコバスです。 

看板を見ると、「パパクレープ」というクレープ屋さんのようですね。あ、ですから大昔から(たぶん室町時代ぐらいから)あるアンドレアとは無関係です。なぜか春日部ナンバーです。

 

Dsc_0030_copy_1024x716 で、その数日後に同じ場所で見てびっくり。

なんと、たこ焼き屋になってましたー!

(同じ「粉もん」ではあるけれど…)

 

華麗なる転身なのでしょうか?

それとも、週単位とか日単位とかで貸し出ししている車なのでしょうか?

謎です。

それにしても・・・横から見ても、ネコバスだねえ。

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2022年1月25日 (火)

「裁かるゝジャンヌ」:1世紀近く前のザ・名作    #裁かるゝジャンヌ #裁かるるジャンヌ #カールテオドアドライヤー

31d90ee8430658ff9d8b53f3614abf9b 映画史上に名高い『裁かるゝジャンヌ』(1928年)を、シアター・イメージフォラムの特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」で初めて観ました。モノクロ・スタンダードサイズのサイレント映画です(今回上映されるのは2015年のデジタル修復版。荘厳なパイプオルガンの音楽もついています)。

やっぱりこれは、凄いですね。とにかくひたすら顔のクロースアップづくし。多くがジャンヌのアップですが、審問官たちのアップもあります。ジャンヌの顔演技は確かにサイレント的な大仰さがあるのですが、悲しみ、動揺、驚愕、怒り、絶望、恐怖、信念などをダイレクトに感じさせ、観る者の心情を同化させるような効果を生んでいます。そこに合わせて、パイプオルガンが大迫力でジャーン!とかぶって来ます。ベタですけど、わかりやすいのです。

先日観た『ジャンヌ』(2019年/ブリュノ・デュモン監督)の時にも思いましたが、裁判の原則を無視した教会権力の暴走でありますし、ひどいもんです。典型的な魔女裁判です。でも、この構図は現代にも通用するものです(例えば、『それでもボクはやってない』や『水俣曼荼羅』にも一脈通じるものがあります)。そして自分たちの宗教と異なるものを、異教、邪教として弾圧したり攻撃したりすることが、今に至るも戦争や紛争のもととなっているという事実を、改めて考えさせてくれるものでもあります。

(『ジャンヌ』のレビューはこちら ↓ )

「ジャネット」「ジャンヌ」:珍妙/良質な2部作    #ジャネット #ジャンヌ #映画ジャネットとジャンヌ #ジャンヌダルク: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

火刑に処せられたジャンヌが黒焦げになって崩れ落ちるところまでを(下品な描き方ではありませんが)きっちり描いたあたり、こちらも粛然とさせられる感覚があります。100年近く前の公開時には、かなりショッキングな描写だったのではないでしょうか。 とにかく何もかもが直球。それがこの映画の強さとなっているのです。

 

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2022年1月24日 (月)

「世界で一番美しい少年」:カッコイイじいさんになったけど…    #世界で一番美しい少年 #ビョルンアンドレセン #ベニスに死す

1_20220124221001 映画『世界で一番美しい少年』は、『ベニスに死す』1作で永遠に映画史に記憶されるビョルン・アンドレセンの「その後の人生」を描いた作品。おととし『ミッドサマー』で瘦せたじいさんと化した彼が、あの世紀の美少年ビョルンだと聞いた時にはぶっとびましたが、本作を観ると「なるほど」って思います。

15歳の頃から半世紀、65歳の彼は年以上に老けて見えます。人生の苦労と苦悩が、そこからうかがい知れます。でも、「カッコイイじいさん」であることは確かですし、長髪+ロングコート+サングラスの彼は、あたかも「ロックスター」って感じのカッコ良さなのでした。実のところ現在の彼はミュージシャンでもあるらしいのですが、どんな音楽をやっているのか、そこをもう少し掘っていただきたかった気がします。

巷間では「ヴィスコンティがひどい」的な声が多いようですが、まあしょうがないですよね。巨匠で貴族なんですから。庶民の一生を奪ったところで、気になんかするわけもないのです。やれやれ、困ったもんです。

日本語でアイドル歌謡曲のレコードを出したり、CMに出てたりしたのにもびっくり。わけわからんうちに引きずり回されて、“消費”されてしまったようですね。申し訳ない!

 ドキュメンタリー映画としては、そんなに出来がいいとは思えません。最初の10分かそこらで、だいたい語れちゃってます。それを補強し、味わいを持たせるための(上映時間)98分なのでしょうが、なかなか辛い人生ですからねえ…。ちょっと哀しい気分になる作品なのでした。

                                                                       

 

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2022年1月23日 (日)

「クライ・マッチョ」:滋味深い名人芸    #クライマッチョ #クリントイーストウッド 

1_20220123223001 映画『クライ・マッチョ』は、クリント・イーストウッドにとって1971年の『恐怖のメロディ』以来50年の監督人生の第40作。前作『リチャード・ジュエル』が小生の2019年トップテンの第1位になったように、91歳の今も変わらずに見事な良作を作り続ける「奇蹟の人」です。

で、本作も良かったですよ。ラスト・カウボーイ的な枯れた風情で、飄々と軽々と演じるイーストウッドを見ているだけで、眼福が味わえます。ちっとも気負わずに、劇的な展開もしないのですが、味わい深く面白いのです。「滋味深い」という表現がぴったりです。無駄な力は入っていなくて、でも「映画ってこういうもんだよな」っていう気持ちになります。名人芸です。意地悪な展開にならないで、平和な方、穏便な方へと向かう物語も、大江戸の好みです(ハラハラしたり、心配したりするの、好きじゃないんです)。

(以降少々ネタバレあり) 一方では、「メキシコ国内に留まっちゃって、あの一味からの報復とかがあるんじゃないだろうか?」と心配ではありますが、それでも心にそくそくと染みるような気持ちの良い後味があるのです。

てか、現在91歳のクリント御大が主役なのに、まさかの恋愛要素あり。いやー、驚きました。さすがです。でも本作のイーストウッドは、実にカッコイイじいちゃんでしたよ。テンガロンハットが似合うことは言うまでもありませんし、馬にも乗りましたからね!

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2022年1月22日 (土)

「Coda コーダ あいのうた」:オーソドックスな感動ドラマ    #コーダあいのうた #映画コーダ #エミリアジョーンズ

1_20220122234001 映画『Coda コーダ あいのうた』は、フランス映画『エール!』のアメリカ版リメイクってことですが、大江戸はフランス版を観ておりません。まあ、言われてみれば欧州っぽさを感じるかなってぐらいのもんですが…。

非常にオーソドックスな感動作というか、お手本通りにドラマが進行してお手本通りに収まる感じ。聴覚障害者の家族の中で唯一聞けて話せる少女のけなげな奮闘の日々と希望への旅立ちを描いて、暖かい後味を残します。終盤のコンサートやオーディションにおける音と映像の演出も、うまいもんです。

でも、大江戸的にはなんか今一つだったのです。なぜかなあ? 父親と母親のアクの強さが気に入らなかったのかなあ? あまりに「家族バンザイ」な感じが好きじゃなかったのかなあ?  それに、あの高名な音楽大学って天性の歌声だけで入れちゃうものなんでしょうか?などと、気になることもいくつかあります。でもあーだコーダ言わない方がいいのかな。←だじゃれ

まあ、そんなことは置いといても圧倒的に魅力的なのは、主人公の少女を演じるエミリア・ジョーンズ。強さと弱さ、光と影をしっかり表現していました。可憐さと芯の強さを併せ持ち、今後大きくブレイクする逸材なのではないでしょうか。歌唱力も素晴らしかったし。

母親役の女優があの『愛は静けさの中に』のマーリー・マトリンだと、後から知ってびっくり。随分感じが変わったもので。 あと、合唱部の顧問教師役=エウヘニオ・デルベスさんが、かなり良かったですね。他の作品でも見てみたい役者さんです。

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2022年1月21日 (金)

ブタちゃん(おしりちゃん)とクマちゃん    #しょうが焼きバカ #しょうが焼き #ブタちゃん #くまちゃん温泉

Buta3 渋谷の宮益坂を上がって行くと斜め上に、 ブタのおしり・・・×3!

なかなかのインパクトですね。

Dsc_0017_copy_1365x768 どうやら、しょうが焼き定食の専門店のようであります。「しょうが焼きバカ」ですって。神田神保町が本拠地のようですね。知りませんでした。

 

Dsc_0015_copy_1365x768 入口への階段のあたりにもブタちゃんとおしりちゃん。「100名店に選ばれた」云々とも書いてありますね。

Dsc_0012_copy_1360x768 で、ちょうどお昼をどこで食べようかとうろついていた時だったので、これもご縁と入店しました。一口にしょうが焼きと言っても、いろんな種類がある店なのでした。一番スタンダードなしょうが焼き定食を注文。肉の量が選べたりします(料金に反映されます)。ご飯の量も選べます(同料金です)。お肉ややガッツリ目、ごはん控え目で行きました。

で、お味の方は、…まずくはないんですが、肉質や大きさや薄さもちょうどいいんですが、うーん、今一つ。ニンニク利き過ぎで、ショウガもちょっと強いかなあ。まあ、ここらは好みの問題でしょう。

Dsc_0014_copy_768x807 食べ終えると、お茶碗の底にブタちゃん現る! 箸袋の裏側にもブタちゃんとひづめの跡が…。

 

Dsc_0018_copy_768x1365 さて、お店を出て、渋谷駅方面に戻っていくと、途中にはかわいいクマちゃん♪

「北海道めんこい鍋  くまちゃん温泉」というお店のようです。あー、これは大根おろしでクマちゃんを作って、鍋が煮えるとともにだんだん崩れていくやつですね。大江戸も家でやったことがあります ↓

白くまくんのみぞれ鍋: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

なるほど、これを専門店として供すれば、ウケますよね。バエそうですもんね。「くまちゃん温泉」、ステキなネーミングです(正しくは「しろくまちゃん」ですけど)。

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2022年1月20日 (木)

WANTED    #犬探してます #懸賞金500万円 #ヨークシャーテリア

Dog-wanted 昨日の朝刊に折り込まれてました。B4サイズのチラシです。

すごいですねー。

こんなの大江戸史上初めて見ました。

昨日は代々木公園周辺をバウンティハンターたちがうろついていたり、詐欺師たちが知恵を絞ったりしていたんでしょうねえ。

 

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2022年1月19日 (水)

「エッシャー通りの赤いポスト」:役者の顔って大事ですね    #エッシャー通りの赤いポスト #園子温 

1_20220119180901 映画『エッシャー通りの赤いポスト』は、園子温がワークショップの参加者51名を出演させて作ったセミ自主映画。例外的に藤田朋子、渡辺哲、諏訪太郎らプロ俳優も出演しているのですが、あとはみな知らない顔による群像劇。それがなんと2時間26分もあるのですから、どうなることやら…ですね。

でもまあ、飽きることはありませんでした。映画作りを描くメタ映画なのですが、個性豊かな登場人物たちと、園子温らしい奔放さで、退屈はしませんでした。でも、成功しているか?いい映画なのか?と言われると、「う~ん、それはちょっと」って感じです。

相変わらずというか、とっ散らかって収拾がつかない感じ。そして、雑! 勢いですべてが解決するほど甘くはありませんよね。部分的に面白い所はいくつかあるのですが…。

何にしてもやっぱり多くの役者の「顔」が、映画の画面に堪えないものでした。これは『カメラを止めるな!』をはじめ低予算のインディペンデント系作品によくあることなのですが、本当にプロの役者の顔って、違うんですよねー。役者の顔や拙い台詞回しのせいで、映画がとっても「安い」ものになってしまうことが、やたらとあるのです。でも本作の中では、爆発力のあるメンヘラ女役の藤丸千、オーディション少女役の黒河内りく、監督の彼女役のモーガン茉亜羅の3人は、ちゃんと魅力が出ていました。この人たちのレベルなら大丈夫なんですが、その他はねえ…。

申し訳ないけど、肝心要の小林監督役の俳優さんが、あまりにも小物感バリバリで頭悪そうで、ちょっと無理でした。そこで全体も崩れちゃいましたねえ。

園子温らしいハジケっぷりも毒気も、今回は自主規制してしまったようで、そこも物足りなかったところです。

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2022年1月18日 (火)

「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」:あっと驚く仕掛けに感動    #スパイダーマン #ノーウェイホーム #トムホランド

2_20220118220401 映画『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』は、ジョン・ワッツ監督×トム・ホランド版第3作にして、たぶん完結編のはず。2時間28分おなかいっぱいの上質なエンタテインメントです。前作『ファー・フロム・ホーム』が傑作だったのですが、本作もかなり良い出来となっております。

今回はドクター・ストレンジが序盤と終盤にかなり出て来るのですが、それ以上に注目すべきは過去の『スパイダーマン』シリーズに出て来たヴィランたちがごっそり出演する顔見世興行になっていること。そしてそれ以上に・・・

(ここから先はネタバレありありなので、できれば鑑賞後にお読みください) …これまでのサム・ライミ監督版(2002-07年)とマーク・ウェブ監督版(2012-14年)のスパイダーマン2人が登場するのです。そんなこと知らなかったので、あっと驚きましたよ。アンドリュー・ガーフィールドはまだしも、トビー・マグワイヤは(スパイダーマンを演じてた時からいい年だったので)さすがに老けましたね。そしてトム・ホランドを交えた3人スパイダーマンの掛け合いの楽しいこと。『三人吉三』ですか?!  アンドリュー・ガーフィールドなんか、トビーから何度も“amazing”っていじられてましたし。 3人の共闘は、グッと来るものがありました。MJを救ったアンドリューが(救えなかったグウェンのことを思い出して)泣きそうになる場面なんか、こちらも感極まってしまいます。

そして、やるせないラストのほろ苦い味わいなんかも、上等です。スパイダーマンの映画は、どれもこれも質の高い娯楽作として大好きです。大江戸としては、『バットマン』や『アベンジャーズ』シリーズよりもずっと好きです(まあスパイダーマンはアベンジャーズの一員でもあるのですが…)。

本作は、ピーター・パーカーとMJやネッドとのやり取りなど、コメディとしても青春映画としても上出来。もちろんVFXも最高レベル。美点が多いですよね。あ、そうそう、グリーン・ゴブリンのウィレム・デフォーが40年近くの時を越えて、ほぼレイブン(『ストリート・オブ・ファイアー』)になっておりました(笑)。

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2022年1月17日 (月)

「ハウス・オブ・グッチ」:重厚で濃密なドラマ    #ハウスオブグッチ #リドリースコット #レディーガガ #アルパチーノ

1_20220117222301 映画『ハウス・オブ・グッチ』は、2時間39分の濃密なドラマ。昨今あまり見られなくなった重厚で上質なドラマです。監督は、前作『最後の決闘裁判』も重厚な長尺ドラマだったリドリー・スコット。84歳だってのに、どうなっちゃってるんでしょうか、この人。映画が骨太でエネルギッシュで、ちっとも枯れません。

まあ、とにかく俳優陣の芝居合戦を堪能する映画。レディー・ガガの厚かましく嫌悪感を抱かせるヴィランぶり! アダム・ドライバーの無能なボンボンっぽさ。 久々に見たジェレミー・アイアンズの老年ならではのカッコ良さ。 ジャレッド・レトのあっと驚くハゲヅラ役作り。そしてアル・パチーノのイタリアンなアクの強さ。パチーノ、久々にこってりした芝居をたっぷり演じられて、嬉しそうでした。 メインキャストの誰もがオスカー級と言っていいでしょう。

物語の展開も早く、まったく飽きさせません。リドリー・スコットの剛腕がぐいぐいと引っ張ってくれます。衣装も、時代再現も、音楽の使い方も、映像も、すべてにわたって上質です。脚本も実話に基づくグッチ一族の栄枯を、下世話な一方で古典悲劇のような格調すら与えながら描いています(夫婦の愛憎、親子の愛憎、愛されない息子のコンプレックスなどなど)。リドリー亡き後には、誰がこういう重厚なエンタテインメント路線を引き継いでいけるのだろうかと、ハリウッドの行く末がちょっと心配になって来たりもしちゃいます。

それにしても、こんな映画観たら、グッチの商品を買う気が失せてしまわないものなのでしょうか? 観た人の心に、負のイメージがべったり張り付いてしまうと思うのですが…。まあ、どのみちグッチなど買えない大江戸が心配することもないのですけどね。

 

 

 

 

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2022年1月16日 (日)

「明け方の若者たち」:胸キュンの恋愛モデルケース映画    #明け方の若者たち #恋愛映画 #松本花奈 #黒島結菜 #北村匠海 #井上祐貴

1_20220116221401 映画『明け方の若者たち』は、もしかしたら『花束みたいな恋をした』が大ヒットしたから、その路線を狙え!ってことでGOが出た企画なのでしょうか? 何しろ明大前の居酒屋での飲み会からスタートすることからして、『花束』を意識してるって気がしてしまいます。明大前は甲州街道の歩道橋なども出て来ますし、下北沢や高円寺もロケ地になっております。

それにしても、タイトルの「若者」って…。かなりハズイと思うんですけど。

でも映画は気に入りました。恋愛の甘酸っぱさとほろ苦さを観る者に味わせてくれるってところも、まさに『花束』なんですけど、いやー、「こういうのあるよね」とか「こういう空気って懐かしい」などと思って、キュンキュン来ました。23歳の現役慶大生である松本花奈監督、結構やるじゃないですか。恋の始まりから終わりまでを描き、良い出来です。作品に仕掛けられたトリックも、成功していますし。

『花束』の時にも感じたのですが、恋愛をしなくなったり恋愛に臆病になっている昨今の若い人たちへのマニュアル的モデルケースの提示としても、意義深いと思うのです。こういう映画を観て、恋をする気になったり一歩踏み出してくれる人が増えるといいなと思います。

でも、恋愛パートに較べて、お仕事パートがちょっとありきたり。いかにも「甘っちょろい」考え方のヤツらばかりですし、それが年月とともに牙を抜かれていくような話ですし…。だからどうなの?って感じで面白くないのが残念です。(以降ネタバレあり)だから黒島が退場してからの終盤がグダグダになって、映画としてうまくまとめられなかった印象なのです。

とにかく黒島結奈がステキです。小柄な少女的かわいらしさに加えて、今回は別の表情もプラスして成長しました。 (以降ネタバレあり)ベッドシーンで彼女の横顔を延々と撮った松本監督も良かったし、黒島さんもそれに応えた演技を見せてくれました。ただ、二人ともバスローブ着たままってどうなのよ??というツッコミ所でもありました。 北村匠海が風俗嬢に「自分は二番手でも良かった…」と泣いて語る場面は、昔なら女性の台詞。時代性の象徴だなあと感心しておりました。 あと、北村匠海の同僚役=井上祐貴は、かなり良いですね。これから伸びる役者だと思います。

※この作品、昨年の12月31日公開なのです(なんでそうしたんだろう?)。なので、『キネ旬』などのテンでは2022年の対象になるのですが、大江戸時夫のトップテンはしっかり暦年でやってますんで、昨日発表した「2021年の日本映画トップテン」の<その他の記憶すべき作品>に加えさせていただきます。あしからず。

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2022年1月15日 (土)

2021邦画トップテン    #2021年日本映画ベストテン #2021年邦画ベストテン #シンエヴァンゲリオン #偶然と想像 #庵野秀明 #濱口竜介

昨日の外国映画篇に続いて、大江戸時夫の日本映画2021年トップテンです。(  )内は監督名。

1.シン・エヴァンゲリオン劇場版 (※総監督:庵野秀明)  2.偶然と想像 (濱口竜介)  3.あのこは貴族(岨手由貴子)  4.子供はわかってあげない(沖田修一)  5.街の上で (今泉力哉)  6.龍とそばかすの姫 (細田守)  7.Arc アーク(石川慶)  8.茜色に焼かれる(石井裕也)  9.花束みたいな恋をした(土井裕泰)  10.椿の庭(上田義彦)  次点.哀愁しんでれら(渡部亮平)

<ドキュメンタリー特別賞>  水俣曼荼羅    過去はいつも新しく、未来は常に懐かしい 写真家 森山大道    ONE FOUR KENGO  THE MOVIE ~憲剛とフロンターレ 偶然を必然に変えた、18年の物語~  

<その他の記憶すべき作品>  すばらしき世界  砕け散るところを見せてあげる  BLUE ブルー  空白  まともじゃないのは君も一緒  ドライブ・マイ・カー  由宇子の天秤  14歳の栞  るろうに剣心 最終章 The Beginning  うみべの女の子  孤狼の血 LEVEL2  明け方の若者たち

<ドイヒー賞>  大綱引の恋  女たち  私はいったい、何と闘っているのか      

監督賞:庵野秀明(※総監督だけど/シン・エヴァンゲリオン劇場版)   脚本賞:濱口竜介(偶然と想像)   撮影賞:芦澤明子(子供はわかってあげない)、ピエトル・ニエミイスキ(Arc アーク)   主演女優賞:上白石萌歌(子供はわかってあげない)  主演男優賞:役所広司(すばらしき世界)   助演女優賞:片山友希(茜色に焼かれる)、奈緒(君は永遠にそいつらより若い)  助演男優賞:鈴木亮平(孤狼の血 LEVEL2)   ビューティー賞:北川景子(キネマの神様)   グレイス賞:富司純子(椿の庭)    新人賞:中井友望(かそけきサンカヨウ)

コロナ2年目にも関わらず、秀作の多さ(しかも上半期公開作の充実)に驚きました。普通の年なら必ずテンに入るであろう『哀愁しんでれら』『すばらしき世界』『砕け散るところを見せてあげる』『BLUE ブルー』『空白』あたりがはみ出してしまいました。また、ドキュメンタリーの秀作3本は(例外的に)別枠にすることで、できるだけ多くの作品を讃えてあげることにしました。

1位は洋画と同じくアニメーションになりました。『エヴァンゲリオン』はとてつもなく巨きな作品の中で、個人的な「心の奥」を描くという挑戦に成功し、しかもラストの希望とすがすがしさ!

2位『偶然と想像』の脚本と演出には舌を巻きました。天才の仕事です。濱口竜介作品なら『ドライブ・マイ・カー』も悪くはないんですけど、断然こっちの方が上ですね。 4位の『子供はわかってあげない』は、ダイアローグも役者も撮影、特に移動の長回しも凄くって、嬉しい驚きと感動がありました。同作の上白石萌歌は内面からの輝きが圧倒的で、奇跡の主演作となりました。

凶暴な鈴木亮平は、映画史に残る狂犬的悪役! 北川景子は、映画黄金期の大女優らしい完璧な「美人」っぷり! 富司純子の凛とした気品と所作の美しさと着物の着こなし! 『かそけきサンカヨウ』は、主演の志田紗良よりも友人役の中井友望がナチュラルで味わいがあって良かったのです。

世界的に注目される濱口竜介以外にも有望な新人監督がどんどん出て来てます。日本映画の明日は明るい!

 

外国映画篇はこちら ↓

2021洋画トップテン    #2021年外国映画ベストテン #2021年洋画ベストテン #ラーヤと龍の王国 #春江水暖: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

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2022年1月14日 (金)

2021洋画トップテン    #2021年外国映画ベストテン #2021年洋画ベストテン #ラーヤと龍の王国 #春江水暖

お待たせしました! 大江戸時夫の2021年映画ベストテン。今年は外国映画篇から。(  )内は監督名です。

1.ラーヤと龍の王国(ドン・ホール、カルロス・ロペス・エストラーダ)  2.春江水暖(グー・シャオガン)  3.ボストン市庁舎(フレデリック・ワイズマン)  4.アメリカン・ユートピア(スパイク・リー)  5.ウェンディ&ルーシー(ケリー・ライカート)  6.Swallow スワロウ(カーロ・ミラベラ=デイヴィス)  7.ONODA 一万夜を越えて(アルチュール・アラリ)  8.MINAMATA -ミナマター(アンドリュー・レヴィタス)  9.パワー・オブ・ザ・ドッグ(ジェーン・カンピオン)  10.クルエラ(クレイグ・ギレスピー)  次点.すべてが変わった日(トーマス・ベズーチャ)  

<その他の記憶すべき作品>  17歳の瞳に映る世界  イン・ザ・ハイツ  Run ラン  プロミシング・ヤング・ウーマン  モーリタニアン 黒塗りの記録  ビバリウム  ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男  藁にもすがる獣たち  ブックセラーズ  ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結  ブラック・ウィドウ  ラストナイト・イン・ソーホー  リスペクト  逃げた女

監督賞:グー・シャオガン(春江水暖)   脚本賞:クイ・グエン、アデル・リム(ラーヤと龍の王国)   撮影賞:ユー・ニンフイ、ドン・シュー(春江水暖)、ケイトリン・アリスメンディ(Swallow スワロウ)   主演女優賞:ミシェル・ウィリアムズ(ウェンディ&ルーシー)   主演男優賞:ベネディクト・カンバーバッチ(パワー・オブ・ザ・ドッグ)   助演女優賞:レスリー・マンヴィル(すべてが変わった日)   助演男優賞:マーク・マロン(スターダスト)   新人賞:ペム・ザム(ブータン 山の教室)

優秀中篇賞:アミューズメント・パーク(ジョージ・A・ロメロ)

ドイヒー賞:プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(園子温)

 

コロナ禍下でハリウッド・メジャー作品の製作・公開が限定されている反動で、小規模公開の作品に優秀作が数多くありました。トップテンの中でなじみの監督名というと、ワイズマン、スパイク・リー、カンピオンだけ。あとは初めて意識したお名前ばかりでした。コロナは、世代交代も推し進めたってことなんでしょうか? 

1位と10位がディズニーのアニメーションと実写作品。しかも2作とも、大手シネコンにかからず小規模公開されただけ(+配信)の作品です。外国映画でアニメを1位にしたのは、大江戸史上初めてだと思います。『ラーヤと龍の王国』は、ディズニー・アニメの最高傑作でしょう。映像のクォリティも、タイムリーなメッセージ性も素晴らしい!

2位『春江水暖』は、相米慎二を彷彿とさせる移動長回しが圧倒的。家族のドラマも良い「だし」が出ていて、驚愕のデビュー作です。 助演女優賞のレスリー・マンヴィルは、とにかくコワイ!まさにビッグ・バッド・ママでした。 助演男優賞のマーク・マロンは、酸いも甘いも嚙み分けた哀愁がお見事でした。 そして新人賞のペム・ザムちゃんは、『ミツバチのささやき』のアナ・トレントと並ぶ映画史上最高のかわいさ! 「中篇賞」は1時間未満(53分)だったので。

ネットフリックスなどの配信系の諸作品も、すべて映画館で鑑賞しました。あたりまえのことです。

 

日本映画篇はこちら ↓

2021邦画トップテン    #2021年日本映画ベストテン #2021年邦画ベストテン #シンエヴァンゲリオン #偶然と想像 #庵野秀明 #濱口竜介: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

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2022年1月13日 (木)

「サマー・オブ・ソウル (あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」:裏ウッドストック    #サマーオブソウル #裏ウッドストック #ブラックウッドストック

1_20220113230801 映画『サマー・オブ・ソウル (あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』は、1969年夏の「裏ウッドストック」とも呼べるハーレムでの音楽フェスティバルの記録映画。ほぼ半世紀の間地下室に眠っていたフィルムを発見、編集して世に出した作品です。

2-3日前のネットニュースで、この作品がニューヨークタイムズの2021年映画ベストテンの第1位というのを知って、「だったら、これを観ずに大江戸の2021年テンも選ぶわけにはいかないでしょ」ってわけで、上映館を調べました。そしたら今は全国で2館しか上映しておらず、うち1館である下高井戸シネマに行って観て来たってわけでさあ。

確かに今日的視点からも興味深く、意義のある作品だと思います。でも、フェスティバルの記録映画としてはどうしても『ウッドストック』と比較してしまい、そうすると映像の質にしてもキャメラポジションにしても編集にしても物足りないのです。特に編集においては、『ウッドストック』はマーティン・スコセッシが編集者の一人ですからねえ。

画角が限られていて、言うほど多くの観客がいるように見えません。そんなに広い場所に見えないし。まあ、6月~8月に6回開かれたライブの合計で「30万人が参加」ってことなのでしょうね。それなら1日あたり5万人。1日の間に観客の出入りが結構あったのでしょうから、延べ人数としてそれぐらいになるのでありましょう。 防犯面とかいろいろ事情があるのでしょうが、ウッドストックと違って夜は一切やっていないあたりも、何となく物足りないところです。

でも豪華な出演者たちと有名な曲の数々で、十分に楽しめます。歌い手と結びつかなくても、曲は知ってる!ってケースもいくつかありましたし。スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、この後にウッドストックにも出てるんですよね。で、ウッドストックのステージの方が(映画で観る限り)素晴らしいのです、これが(こっちも悪くないんですが)。

半世紀後だから、当時の出演者や観客や関係者がまだ存命中で、そういう人たちの証言が多く含まれているのが本作の価値でありますね。

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2022年1月12日 (水)

今日のいたずら17    #今日のいたずら #アイロン台でオバQ #オバケのQ太郎

Dsc_0009_copy_600x899 (えかき歌)

アイロン台がー ありましたー

 

Dsc_0010_copy_504x899 あーっというまに オバQよ

 

(※オバQ=藤子・F・不二雄原作のマンガ『オバケのQ太郎』の主人公)

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2022年1月11日 (火)

「悪なき殺人:偶然に頼り過ぎでは?    #悪なき殺人 #ミステリー映画 

1_20220111221001 映画『悪なき殺人』は、ルックや雰囲気的にはフランス版『ファーゴ』といった趣きですが、観てみるとだいぶ違いますね。ユーモアがほとんどないし、いろいろツッコミたい所も多い作品です。

5人の登場人物それぞれの側から事件を描き、徐々に全貌がわかっていく仕組み。ミステリーとしては、まあまあ良く出来ております。進行するにつれて、だんだんと「ああ、そういうことね」「これは実はこうだったのね」と分かって来るあたりは悪くありません。しかしながら、話を成り立たせるためにかなり無理してるなあと感じる所もあって、そこはちょっと興ざめですね。

(以降ネタバレあり) 最大の無理は、あの男の目の前にあの女が現れるという偶然。いくら何でもそんな偶然を軸に物語を作っちゃっていいの?って思っちゃいますよね(本作の日本版キャッチコピーは「人間は『偶然』には勝てない…」なんですけど、だからってねえ…)。濱口竜介の『偶然と想像』を観て、勉強していただきたいところです。 それと、殺人自体もちょっと唐突というか、普通殺しまではしませんよね。更には、なんであんな所に死体を置きっぱなしにしたの?とか、いろいろと釈然としないのです。

凍てついたフランスの雪国から、終盤に至って突然コートジボワールに飛んで…というあたりは、ネット時代ならではのワールドワイドな飛躍と広がりで、いいんですけどねえ(観ている方も、寒くて重苦しい空気から一気に解放される感じです)。

ラストは、なんか落語のサゲみたいで嫌いじゃないですね。

 

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2022年1月10日 (月)

「マトリックス レザレクションズ」:面白くないなー    #マトリックス #マトリックスレザレクションズ #変な日本

1_20220110224401 映画『マトリックス レザレクションズ』は、シリーズ第3作以来18年ぶりの第4作。ってわけで、キアヌ・リーヴスもキャリー=アン・モスもそれ相応に年取ってます。まあ、その間に監督も「兄弟」から「姉妹」になって、本作はそのうちの一人だけ(ラナ・ウォシャウスキー)が監督しておりますが…。

もともとこのシリーズを面白いと思うことはありませんでしたし、第1作からしてよくわからん話が、回を追うごとに複雑化して行って、もう面倒くさいんで勝手に目の前を流していたって感じでした。毎回、どんな話だったのかよくわかっておりませんでした。

それは本作も同じ。何のことやらよくわからず、それ以上に強力な催眠効果があり、ずーっと眠くてたまりませんでした。その上、マトリックスをゲームとしている世界がセルフ・パロディー的に描かれて、笑えもしないし、脱力してしまうような違和感しかありません。

これまでの3作(特に1作目)のような印象的ビジュアルの発明もなく、延々と既視感のあるアクションが続くだけ。いやー、まったく面白さを感じられなくて、まいりました。退屈しました。キアヌもすっかり脂が抜けちゃって…。

謎の「東京」を走る謎の電車も、久々に見た「ハリウッドが描く変な日本」でありました。

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2022年1月 9日 (日)

展覧会「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」    #戦後デザイン運動の原点 #デザインコミッティーの人々とその軌跡 #デザインコミッティー #川崎市岡本太郎美術館 #松屋

Dsc_00012向ヶ丘遊園前の駅から速足でてくてく15分ほど歩き、川崎市岡本太郎美術館で開催中の展覧会『戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡』(~1/16)を観ました。ここを訪れるのは、以前ウルトラマンの展覧会に来て以来二度目です。

Dsc_0002 入口では太郎先生がマスク姿でお出迎え。岡本太郎の常設展会場を抜けると、この企画展の会場が現れます。「デザインコミッティー創立」「国際交流とデザインの普及」「サロンとしてのコミッティー」「デザインギャラリーの展開」の4章に分けた構成で、1950年代から今日に至る日本デザインコミッティー(初期は、国際デザインコミッティー)の活動とメンバーを通して、戦後日本のデザイン史を概観する試みです。岡本太郎も初期のコミッティー・メンバーだったってのが、ここでやる理由です。

それにしても太郎さん、異質です。コミッティーに「巾」をもたらしたという解釈もあるようですが、あくまでもデザインじゃなくてアートの人ですもんねえ。どうしたって、異物なのです。「坐ることを拒否する椅子」なども展示されていましたし、モダンデザインを否定するコメントも掲示してありましたが、モダニズムや機能性と真っ向から対立するこの人をよくメンバーにしていたものです。懐が広い組織だったのですね。

Dsc_0003 今に至るも名作デザインのロングセラーとしてそこかしこで見かける商品(バタフライチェアや白山陶器の醤油さしなど)も展示されていましたし、東京オリンピック(1964)もコーナーを設けてありました。展示会場は撮影禁止でしたが、イサムノグチの灯りのコーナーは撮影可でありました。

往時の日本のデザインが、どれだけ優れていたかの証左みたいな展覧会です。東京オリンピックなんて、今年そのまま使った方がよっぽど良かったろうにと思うようなデザインだらけです。どの作品も、どのデザインも、厳しく突き詰めて洗練を極めています。それに比べて、コンピューター(マック)という道具を手にして以降のデザインの質って…。どうしても、そういう事を考えてしまいますね。

デザインを集積した売場、デザインギャラリーの運営、デザイン展の開催と、デザインコミッティーを長年支え続けた松屋(松屋銀座)の存在も小さくはないなあと思いもしました。

Dsc_00052 展覧会図録が書籍スタイルで、カラー図版もふんだんにあるのに、税込1,200円と超お買い得。当然買いました。中にはこの展覧会の会場風景の写真も入っていて、きっと会期途中からの販売なのでしょうね(この後、香川県立ミュージアムに巡回予定)。

美術館を出た丘の上には、十数メートル規模の岡本太郎作品。壮大です。下の方が『ガメラ対バイラス』(大映)のバイラスを思わせます。そういえば、太郎先生は大映の『宇宙人東京に現わる』でパイラ星人をデザインなさってましたっけ。

 

 

 

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2022年1月 8日 (土)

「ジャネット」「ジャンヌ」:珍妙/良質な2部作    #ジャネット #ジャンヌ #映画ジャネットとジャンヌ #ジャンヌダルク

1_20220108232101 映画『ジャネット』と『ジャンヌ』は、ジャンヌ・ダルクの幼年期と従軍後の異端審問を描いた2部作。2017年と2019年の作品となっており、1時間52分と2時間18分。まあ、2時間前後の作品の2本立てだから普通なんですけど、4時間10分の作品を前後編に分けて上映していると考えると、なかなかの大作ですね。

しかも2作とも(驚くことに)ミュージカルなのです。しかもヘヴィーメタルとかプログレとかの方面。『ジャネット』ではやたらとヘッドバンギングの踊りが出て来ます。踊りはすべてにわたって、ゆるゆるで適当。なんか「コントですか、これ?」って感じなのです。普通に失笑してしまうようなヘンテコさが続くのです。

ジャンヌ・ダルクを演じるリーズ・ルプラ・プリュドムは、『ジャネット』の撮影時に8歳、『ジャンヌ』の撮影時に10歳だったそうですが、『ジャネット』の後半には別の女優さんが15歳のジャンヌを演じていたりもします。なので2本連続して観ると、ジャンヌが大人っぽくなったのにまた子供に戻っていて、かなり面食らいます。

1-1_20220109000101 2作のトーンは結構違います。『ジャネット』は、えらく珍妙。ミュージカル比率も高く、珍作と呼ぶのがふさわしい微妙な出来。ちょっと退屈もします。 一方の『ジャンヌ』は、結構シリアスに異端審問を描いていたりして、会話劇の割合が高いものですから、ぐいぐい引き込まれます。こっちはほとんど普通に「良い映画」です。面白いです。ただ審問中、忘れていた頃にいきなりミュージカル場面が始まって、唖然としてしまいましたけど…。そして、審問の場となるのが歴史の古そうな本物の壮麗な教会。やっぱり「場の力」「本物の力」ってものが出ています。

宗教的な考察は大江戸にはできませんが、トリッキーな形を取ることによって、むしろ本質への問いかけをしっかりと行っているのではないでしょうか? また、今日的なジェンダー論の側面も出てきてますし。  『ジャンヌ』だけ観てもいいかも、なんて思ってしまいました。

 

 

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2022年1月 6日 (木)

柳月の「酪農みるくバターケーキ」    #酪農みるくバターケーキ #柳月 #バタークリームケーキ

Center_0001_burst20220105203914973_cover 北海道帯広市の柳月(りゅうげつ)というお菓子屋さんの『酪農みるくバターケーキ』です。年末にネット通販で入手したのです(冷凍です)。

パッケージには「酪農王国・十勝からお届けします。」と書いてあり、バターの風味を生かしながら隠し味に練乳をブレンドして、よりクリーミーに仕上げてあるのだとか。

Dsc_00172_copy_1069x768 おお、美しい外観ではありませんか!シンプル・イズ・ベストを絵に描いたようなオフホワイトの世界。これがスライスものでは味わえない「竿もの」の魅力ですね。

Dsc_00164_copy_970x768 断面を見ると周囲に加えて断面にも数段の層になってバタークリームがたっぷり。たぶん全体の2/3ぐらいがバタークリームなのではないでしょうか?

バタークリームの硬さやバター感は期待通り。バタークリーム・ファンとしては、嬉しい感触です。底部にはクルミやアーモンドをクラッシュしたものが入っております。カステラ生地も悪くありません。

でも、でもねー、異様に甘さが少ないんです。「甘さ控えめ」がもてはやされる嫌な世の中ですが、その風潮に押されて、こんな薄甘い商品ができちゃったのでしょうか? うーん、バタークリームケーキとして、適切な甘さに達していないことは確かです。なんか水っぽい気すらしてきます。そこが残念でたまりませんー。「甘さ正統派」バージョンも作ってくれないかなあ。

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2022年1月 5日 (水)

リーグワン、開幕戦が中止に!    #リーグワン #ジャパンラグビー #リーグワン開幕戦中止 

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あさって7日(金)夜に開催予定だったジャパンラグビー「リーグワン」の開幕戦@国立競技場が、突然中止となってしまいましたー!

予定されていたのは、クボタスピアーズ船橋・東京ベイvs.埼玉ワイルドナイツ(パナソニックですね)。パナソニックのチーム内に6人のコロナ感染者が出てしまったということで、まあ、しょうがないですね。でも、関係者のてんやわんやや苦悩、心労には同情しかありません。準備してきたイベントもパアでしょうし、チケットの払い戻しや代替日開催の検討もしなければなりません。

まあ、土日開催の他会場の試合はやるみたいなのですが、国立での記念すべきリーグ旗揚げマッチですからね。いきなり波乱の船出となってしまいました。

前年のトップリーグ覇者であり、優勝候補の声も高いワイルドナイツが勝ち点0でスタート。対するクボタは勝ち点5をゲットとなるそうですが、次の試合はどうなるんですかねえ?

ラグビーってフルコンタクトのスポーツですし、スクラムなんて見てると、「こりゃー飛沫も飛ぶし、密着するし、どんどん感染しそう」と思ってしまいます。なかなか辛いところですね。

ミーハーな大江戸は「WEリーグの開幕戦も行ったことだし」と、意を決してチケットを入手。3階席ではありますが、防寒対策万全で観戦する予定でした。「おまえはサッカー側の人間だから、ラグビーに行くな」という神のお告げなのでしょうか? まことに残念なことであります(極めて寒さに弱いので、ちょっと安心してる自分もいたりしますが…)。

 

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2022年1月 4日 (火)

正月はユーハイムのバウムクーヘントゥルム    #バウムクーヘントゥルム #ユーハイム #バウムクーヘン

Dsc_0011_copy_576x1024_1 もう十年以上も、毎年お正月用に買っているのがこの円筒。ユーハイムの『バウムクーヘントゥルム』です。こいつは、税込1,080円の『バウムクーヘントゥルム10』。もっと長い15と20もございます。「10」と言っても、ギザギザというか山というかは8しかありません。なんで10? 本体価格1,000円だから??

ちなみにトゥルム(turm)とはドイツ語で「タワー、塔」の意味です。なるほど。

ユーハイムといえば、日本を世界一のバウムクーヘン大国に押し上げた立役者。古くからの大ブランドの割には、一向に衰えません。それどころか、他ブランドのバウムクーヘンやケーキも自社の技術、しかも機械ではなく職人の手と勘を使った技術でOEMしてたりするするってことは、よくTVの情報番組などでもやってます。しかもその技術をAIに覚えさせて、更に進化させたりもしているのです。そんなチャレンジングな会社なのに、バウムクーヘンづくりはあくまでも古典的製法を守っていて、成分も良質の卵、バター、小麦粉、砂糖など安心できるものばかりです。

Dsc_0012_copy_1024x576_1 いつ食べても、安定のおいしさです。バター感、タマゴ感がしっかり効いた味わい。ふわふわタイプなんかじゃない、しっとり&ハードタイプのストロング・スタイル。輪切りにせずに、ランダムなチップ状に削ぎ落すのがドイツ流。外側のホワイトチョコのグレーズも、ちょうどいいバランスのアクセントになっています。

なんで正月にバウムクーヘン?と言われると、特に答はありません。でも、これ一本あると、安心かつ幸せなんですよ。間違いのないおいしさですからね。しかもリーズナブル価格。なんなら2月にも、恵方巻の代わりに黙って一本食べてもいいぐらいです。

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2022年1月 3日 (月)

新宿駅地下通路のアフロ・ダッフル野郎    #ミステリと言う勿れ #アフロヘアーにダッフルコート #菅田将暉

Horizon_0001_burst20220103181346566_cove JR新宿駅の西口と東口を結ぶコンコースが昨年できて以来、丸ノ内線の新宿駅上にある地下通路(丸柱が並んでる所)が地味になってしまったのですが、新年早々そこで妙なものを発見しました。

アフロヘアーにダッフルコートにマフラーの変なやつ。石立鉄男でしょうか?←古い

 

Tripart_0002_burst202201031814091302_cop いや、顔の部分に書いてある通り、新ドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ)の宣伝なのでした。

それにしても菅田将暉くん、凄いアフロヘアですね。篠山紀信かと思いました。まあ、原作マンガに合わせたようですけどね。

 

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2022年1月 2日 (日)

「キングスマン ファースト・エージェント」:テンポとアイディアとユーモア    #キングスマン #キングスマンファーストエージェント #レイフファインズ

1_20220102222801 映画『キングスマン ファースト・エージェント』は、大江戸も大好きな英国紳士アクション・シリーズの第3作にして前日譚。第一次大戦前後が舞台になっていて、ラスプーチン、マタ・ハリをはじめ歴史上の人物がいろいろ出て来るところがミソ。エンドロールの途中には、次回作につながる大物が登場いたします!

レイフ・ファインズ59歳が今更このアクションの主役をやるって、凄いですね。リーアム・ニーソンといい、初老になってからのアクション俳優への転向って、英国の新しい伝統なのかしらん?  彼のアクションの最大の見せ場は、終盤のパラシュート降下からの断崖絶壁からのvs.大男からのvs.ラスボス。この一連の流れは、テンポも良くアイディアフルでかつユーモアもたっぷり。さすがは「キングスマン」シリーズって感じでした。ラスプーチンの踊りながらのアクションも、なかなかのアイディアでありました。

でも全体的には、これまで2作の「ポップな毒気」から離れたテイストの作品になっております。序盤こそ少したるかったものの、中盤以降は見せ場も多く、このシリーズならではの驚くべき展開もあったりして、かなり楽しめました。ただ、英国紳士の服装に関するこだわりの部分はあっさり目。ここは「キングスマン」の「キングスマン」たる部分なので、もう少しきちんと描いてほしかったところです。

あ、あと今回、“Manners maketh man.”の決めゼリフは、レイフ・ファインズではなく、別のある人が言っておりました。

 

 

 

 

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2022年1月 1日 (土)

天皇杯決勝が元日ない件と初詣と八咫烏    #サッカー天皇杯決勝 #新宿熊野神社 #八咫烏 #ヤタガラス

あけましておめでとうございます。 2022年も『大江戸時夫の東京温度』をよろしくお願いいたします。

Dsc_00112_copy_800x461 今年の元日は、これまでの年とは違いました。大江戸の一月一日のスケジュールの真ん中にがっちり組み込まれていた、午後2時からのサッカー天皇杯決勝が、今年と来年はないんですよねー。ワールドカップ・カタール大会が異例の11-12月に行われるので、今年のJリーグは2月18日開幕と、前倒しのスケジュールなのです。そのため、選手たちのオフをある程度確保するために、天皇杯決勝を昨年12月23日に行ったもので、元日の風物詩である決勝戦がなくなってしまったのです。

Dsc_00123_copy_461x634 いつもだと、天皇杯の放送が終わってから夕方に近所の神社に初詣に行ったりしていたのですが、そういうわけで今年は昼の天皇杯の時間帯に行ってまいりました。行先は、新宿中央公園の片隅(十二社)にある「熊野神社」。室町時代にさかのぼる由緒ある神社なんですよねー。で、ここんちの特徴はパワースポットとして、勝負運を上げてくれるってことだそうです。

Dsc_00145_copy_461x481 なにしろこの神社のシンボルは三本足の「八咫烏(やたがらす)」。そう、JFA(日本サッカー協会)のマークになっているあの八咫烏が、そこかしこにいるのです。本殿前の左右に設置された灯篭の上にもいますし、提灯にも描かれています。

Horizon_0001_burst20220101152153781_cove ご覧の通り灯篭の上のカラスも、よく見ると三本足です(写真だとイマイチよくわかりませんね。すみません)。

Dsc_00134_copy_492x461 なんでもなでしこジャパンがワールドカップで優勝した時、日本を出発する前に全員でこの新宿熊野神社を参拝したのだそうです。そりゃー、凄いご利益ですよね。

だから社務所で頒布しているお守り類も、八咫烏関連のものが多いのです。Dsc_00143_copy_461x522

今年は男子のワールドカップ開催年。でもその前に「もう一つも絶対に負けられない」アジア最終予選が残ってます。八咫烏さんにも、その霊力を発揮していただかなくてはなりますまい。よろしくお願いいたします!

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