「真夜中乙女戦争」:池田エライザの「Misty」! #真夜中乙女戦争 #二宮健 #池田エライザ #Misty
映画『真夜中乙女戦争』は、ケッタイなタイトルのラノベが原作で永瀬廉が主人公のアイドル映画なのですが、監督が二宮健であり、彼の20代最後の作品ということの方が、大江戸には魅力でした。
冒頭の東京タワーや東京の夜景からして、こんな撮り方ができる人ってほかにいません。いきなり、この作品のワンダーランドに引っ張っていきます。その後も撮影は魅力的。永瀬と池田エライザのラブシーンで、シルエットになった二人だとか、陰&陽のように顔が逆さまで向き合っている姿とか、クライマックスの衝撃シーンとか、映像の力で魅せてくれます。
でも、それ以上に魅力的だったのが池田エライザ。彼女が『Misty』をフルコーラス歌う場面は圧巻でした。彼女の歌唱力は、実のところ演技や演出よりも高い才能を示していると思っております。NHKの『COVERS』で、松田聖子の『Sweet Memories』を歌った時には鳥肌モノでしたが、この『Misty』もサイコーです! 『Misty』を歌う池田エライザを見る(聴く)ための映画と言っても過言ではないと思います。
(以降ネタバレあり)そして、最後に東京が炎上します。三島の『金閣寺』のように、東京が炎上します。東京タワーからその恐るべき炎を眺める遠景だけです。それは戦慄するような美しさです。この映像は、凄いです。最近の東京破壊テロ映画(『サイレント・トーキョー』(2020年)や『恋する寄生虫』(2021年))と較べても、深い恐怖があります。そこに美もあるので、多くの人が『ファイトクラブ』に言及しているようですね。
まあ、批判する人もきっと多い映画だと思います。「薄っぺらい」とか言われちゃいそうです。でも、二宮健ならではの映画になっていたし、大江戸は嫌いじゃありませんねえ。いくつもある美点を褒めてあげたいと思うのです。
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