「ハウス・オブ・グッチ」:重厚で濃密なドラマ #ハウスオブグッチ #リドリースコット #レディーガガ #アルパチーノ
映画『ハウス・オブ・グッチ』は、2時間39分の濃密なドラマ。昨今あまり見られなくなった重厚で上質なドラマです。監督は、前作『最後の決闘裁判』も重厚な長尺ドラマだったリドリー・スコット。84歳だってのに、どうなっちゃってるんでしょうか、この人。映画が骨太でエネルギッシュで、ちっとも枯れません。
まあ、とにかく俳優陣の芝居合戦を堪能する映画。レディー・ガガの厚かましく嫌悪感を抱かせるヴィランぶり! アダム・ドライバーの無能なボンボンっぽさ。 久々に見たジェレミー・アイアンズの老年ならではのカッコ良さ。 ジャレッド・レトのあっと驚くハゲヅラ役作り。そしてアル・パチーノのイタリアンなアクの強さ。パチーノ、久々にこってりした芝居をたっぷり演じられて、嬉しそうでした。 メインキャストの誰もがオスカー級と言っていいでしょう。
物語の展開も早く、まったく飽きさせません。リドリー・スコットの剛腕がぐいぐいと引っ張ってくれます。衣装も、時代再現も、音楽の使い方も、映像も、すべてにわたって上質です。脚本も実話に基づくグッチ一族の栄枯を、下世話な一方で古典悲劇のような格調すら与えながら描いています(夫婦の愛憎、親子の愛憎、愛されない息子のコンプレックスなどなど)。リドリー亡き後には、誰がこういう重厚なエンタテインメント路線を引き継いでいけるのだろうかと、ハリウッドの行く末がちょっと心配になって来たりもしちゃいます。
それにしても、こんな映画観たら、グッチの商品を買う気が失せてしまわないものなのでしょうか? 観た人の心に、負のイメージがべったり張り付いてしまうと思うのですが…。まあ、どのみちグッチなど買えない大江戸が心配することもないのですけどね。
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