展覧会「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」 #戦後デザイン運動の原点 #デザインコミッティーの人々とその軌跡 #デザインコミッティー #川崎市岡本太郎美術館 #松屋
向ヶ丘遊園前の駅から速足でてくてく15分ほど歩き、川崎市岡本太郎美術館で開催中の展覧会『戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡』(~1/16)を観ました。ここを訪れるのは、以前ウルトラマンの展覧会に来て以来二度目です。
入口では太郎先生がマスク姿でお出迎え。岡本太郎の常設展会場を抜けると、この企画展の会場が現れます。「デザインコミッティー創立」「国際交流とデザインの普及」「サロンとしてのコミッティー」「デザインギャラリーの展開」の4章に分けた構成で、1950年代から今日に至る日本デザインコミッティー(初期は、国際デザインコミッティー)の活動とメンバーを通して、戦後日本のデザイン史を概観する試みです。岡本太郎も初期のコミッティー・メンバーだったってのが、ここでやる理由です。
それにしても太郎さん、異質です。コミッティーに「巾」をもたらしたという解釈もあるようですが、あくまでもデザインじゃなくてアートの人ですもんねえ。どうしたって、異物なのです。「坐ることを拒否する椅子」なども展示されていましたし、モダンデザインを否定するコメントも掲示してありましたが、モダニズムや機能性と真っ向から対立するこの人をよくメンバーにしていたものです。懐が広い組織だったのですね。
今に至るも名作デザインのロングセラーとしてそこかしこで見かける商品(バタフライチェアや白山陶器の醤油さしなど)も展示されていましたし、東京オリンピック(1964)もコーナーを設けてありました。展示会場は撮影禁止でしたが、イサムノグチの灯りのコーナーは撮影可でありました。
往時の日本のデザインが、どれだけ優れていたかの証左みたいな展覧会です。東京オリンピックなんて、今年そのまま使った方がよっぽど良かったろうにと思うようなデザインだらけです。どの作品も、どのデザインも、厳しく突き詰めて洗練を極めています。それに比べて、コンピューター(マック)という道具を手にして以降のデザインの質って…。どうしても、そういう事を考えてしまいますね。
デザインを集積した売場、デザインギャラリーの運営、デザイン展の開催と、デザインコミッティーを長年支え続けた松屋(松屋銀座)の存在も小さくはないなあと思いもしました。
展覧会図録が書籍スタイルで、カラー図版もふんだんにあるのに、税込1,200円と超お買い得。当然買いました。中にはこの展覧会の会場風景の写真も入っていて、きっと会期途中からの販売なのでしょうね(この後、香川県立ミュージアムに巡回予定)。
美術館を出た丘の上には、十数メートル規模の岡本太郎作品。壮大です。下の方が『ガメラ対バイラス』(大映)のバイラスを思わせます。そういえば、太郎先生は大映の『宇宙人東京に現わる』でパイラ星人をデザインなさってましたっけ。
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