「裁かるゝジャンヌ」:1世紀近く前のザ・名作 #裁かるゝジャンヌ #裁かるるジャンヌ #カールテオドアドライヤー
映画史上に名高い『裁かるゝジャンヌ』(1928年)を、シアター・イメージフォラムの特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」で初めて観ました。モノクロ・スタンダードサイズのサイレント映画です(今回上映されるのは2015年のデジタル修復版。荘厳なパイプオルガンの音楽もついています)。
やっぱりこれは、凄いですね。とにかくひたすら顔のクロースアップづくし。多くがジャンヌのアップですが、審問官たちのアップもあります。ジャンヌの顔演技は確かにサイレント的な大仰さがあるのですが、悲しみ、動揺、驚愕、怒り、絶望、恐怖、信念などをダイレクトに感じさせ、観る者の心情を同化させるような効果を生んでいます。そこに合わせて、パイプオルガンが大迫力でジャーン!とかぶって来ます。ベタですけど、わかりやすいのです。
先日観た『ジャンヌ』(2019年/ブリュノ・デュモン監督)の時にも思いましたが、裁判の原則を無視した教会権力の暴走でありますし、ひどいもんです。典型的な魔女裁判です。でも、この構図は現代にも通用するものです(例えば、『それでもボクはやってない』や『水俣曼荼羅』にも一脈通じるものがあります)。そして自分たちの宗教と異なるものを、異教、邪教として弾圧したり攻撃したりすることが、今に至るも戦争や紛争のもととなっているという事実を、改めて考えさせてくれるものでもあります。
(『ジャンヌ』のレビューはこちら ↓ )
「ジャネット」「ジャンヌ」:珍妙/良質な2部作 #ジャネット #ジャンヌ #映画ジャネットとジャンヌ #ジャンヌダルク: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)
火刑に処せられたジャンヌが黒焦げになって崩れ落ちるところまでを(下品な描き方ではありませんが)きっちり描いたあたり、こちらも粛然とさせられる感覚があります。100年近く前の公開時には、かなりショッキングな描写だったのではないでしょうか。 とにかく何もかもが直球。それがこの映画の強さとなっているのです。
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