「世界で一番美しい少年」:カッコイイじいさんになったけど… #世界で一番美しい少年 #ビョルンアンドレセン #ベニスに死す
映画『世界で一番美しい少年』は、『ベニスに死す』1作で永遠に映画史に記憶されるビョルン・アンドレセンの「その後の人生」を描いた作品。おととし『ミッドサマー』で瘦せたじいさんと化した彼が、あの世紀の美少年ビョルンだと聞いた時にはぶっとびましたが、本作を観ると「なるほど」って思います。
15歳の頃から半世紀、65歳の彼は年以上に老けて見えます。人生の苦労と苦悩が、そこからうかがい知れます。でも、「カッコイイじいさん」であることは確かですし、長髪+ロングコート+サングラスの彼は、あたかも「ロックスター」って感じのカッコ良さなのでした。実のところ現在の彼はミュージシャンでもあるらしいのですが、どんな音楽をやっているのか、そこをもう少し掘っていただきたかった気がします。
巷間では「ヴィスコンティがひどい」的な声が多いようですが、まあしょうがないですよね。巨匠で貴族なんですから。庶民の一生を奪ったところで、気になんかするわけもないのです。やれやれ、困ったもんです。
日本語でアイドル歌謡曲のレコードを出したり、CMに出てたりしたのにもびっくり。わけわからんうちに引きずり回されて、“消費”されてしまったようですね。申し訳ない!
ドキュメンタリー映画としては、そんなに出来がいいとは思えません。最初の10分かそこらで、だいたい語れちゃってます。それを補強し、味わいを持たせるための(上映時間)98分なのでしょうが、なかなか辛い人生ですからねえ…。ちょっと哀しい気分になる作品なのでした。
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