「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」:オシャレで美しいけれど・・・ #フレンチディスパッチ #ウェスアンダーソン
映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は、ウェス・アンダーソンの監督作10本目であり、「いかにも」なアンダーソン的世界。とにかくこだわりの構図と色彩で、すべてのカットを構築しコントロールしています。オシャレです。何なら1カット見ただけで、ウェス・アンダーソン作品だとわかる世界です。
小じゃれたキレイな色彩の「フランス」を自分なりの感覚で創造しているウェス・アンダーソン。『ニューヨーカー』誌がモデルだという、洗練された雑誌の記事を映画仕立てにしたような作品となっております。キャストも(信頼のなせる技か)豪華。
でも、かなり眠かったです。最初から最後まで「くすぐり」程度の面白さに終始して、完璧なビジュアルに反して正直つまらないという、まあ、ウェス・アンダーソン作品にありがちな事態に陥っておりました。てか、大江戸的には面白かったウェス・アンダーソン作品って、『ムーンライズ・キングダム』(2012)だけですから。
映画史的にも独自のアーティスティックなビジュアル世界を確立しながら、面白さが伴わないという稀有な監督ですよね、ウェスは。フェデリコ・フェリーニ、スタンリー・キューブリック、ケン・ラッセル、デイヴィッド・リンチなど、みんな「その人ならでは」の圧倒的映像世界を持ちながら、面白さにおいてもいい線行っていたと思うのですが…。そこ、一皮むけてほしいんですけどねえ。
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