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2022年2月 4日 (金)

「麻希のいる世界」:初期の塩田作品のような…    #麻希のいる世界 #塩田明彦 #向井秀徳

1_20220204233901 映画『麻希のいる世界』は、前作『さよならくちびる』で復調した塩田明彦監督が初期の感覚を取り戻したかのような作品。初期の塩田といえば、『月光の囁き』『ギプス』『害虫』など、低予算で「病んだ」テイストの作品が見事な魅力を放っていましたからねえ。ただ、その後メジャーでそれなりの大きな予算が付いた作品=『黄泉がえり』『どろろ』などを撮って、ぜんぜんダメになっちゃいましたから(大江戸はそう思います)。で、2019年の『さよならくちびる』は久々に良い映画を作ったなあという感じだったのです。妙にライトでしたが。

そして本作。こちらはやけにヘヴィー。見るからに低予算で、まさに初期に帰った感じ。録音や音響にお金をかけられなかったのか、音が小さすぎたりくぐもったりで聞こえにくい箇所がいくつもありました。でも立派な魂を持った作品です。やっぱり塩田明彦に金を持たせてはいけないんですね。

序盤は普通の青春映画のように見えます。せいぜいそこにガールズ・ラブの要素が加わるぐらいかなと思ったのですが、いえいえどうして、苛烈な世界です。どう進むのか、まったく読めない作品でもありました。「生きにくさ」とそれに対する怒りを描き、胸にモヤモヤした澱(おり)の残る毒気の強いユース映画…まさに塩田明彦の独擅場なのでした。

その世界の構築に大きな役割を果たしたのが主役の二人、新谷ゆづみと日高麻鈴です。特に麻希役の日高は、狂気や怨念を湛えた凄みがありました。なんだあの表情?!  恐るべきものがありました。ちっとも好きにはなれないけど、新人賞候補です。

音楽は向井秀徳。さすがです。彼の楽曲の強さが、すごい説得力で迫ります(あのギターリフ!)。そういえば、『害虫』『カナリア』の音楽も、向井秀徳だったんですよねえ。

 

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