「ニトラム」:暴発へのカウントダウン #ニトラム #銃無差別乱射事件 #ケイレブランドリージョーンズ
『ニトラム』は、オーストラリアの銃無差別乱射事件の犯行までの日々を描いた劇映画。静かに、淡々と、青年(犯人)と家族と周囲の人々をじっくり描いています。発達障害で「普通」のコミュニケーションが取れない主人公と、彼を攻撃したり、軽視したりする人々。その空虚。
丹念に人間に寄り添って、あたかもドキュメンタリーのように彼の外面と内面を描写していくのですが、視線はとにかくニュートラル。冷酷な観察者の視線と言えるものかも知れません。すべてが端正な映画と言えると思います。
そんな中、役者もみんな低い温度で凄い演技を見せています。主人公を演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズが各方面から高い評価を得ているのは納得できますし、その他の人々もそれぞれに凄いのです。でも、やはり母親役のジュディ・デイヴィス(久々に見ました)がインパクト強かったですねえ。今年で67歳だから、撮影時にはもう少し若かったのでしょうが、年以上にシワシワばあさんになっちゃいました。
(以降ネタバレあり) 結局最後まで犯行シーンを映し出すことはなく、静かに幕を下ろす映画です。そこから立ち上がってくるのは、何とも言えないやるせなさ。人間って…。
そして銃社会の恐怖。当時はゆるゆるで、こんな主人公でも簡単に多量の銃器を購入できていたという恐ろしい事実。そりゃあ、事件も起きるでしょうよ。「キ××イに刃物」ですもん。でも主人公はなぜそこまで追い詰められてしまったのか? 根の深い問題ですし、人間の心は計り知れませんねえ。
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