「テオレマ」:懐かしき難解な芸術映画 #テオレマ #ピエルパオロパゾリーニ #パゾリーニ #テレンススタンプ
パゾリーニの『テオレマ』と『王女メディア』が4Kスキャン版でのリバイバルってことで、まずは『テオレマ』(1969年)。
大江戸はどちらも初見なのですが、うーん、1960年代後半~1970年代前半にかけての「前衛映画」「芸術映画」のあの難解さっていうテイストですね、これは。21世紀の映画では味わえない高踏的で不親切な、孤高の映画作法なのです。
それでも前半、ブルジョワ一族の中にテレンス・スタンプが降臨して全員と関係を持っていくってあたりまでは物語も普通に展開していくので、ふむふむと観ていられるのですね。ところが、彼が一族のもとを去ってからは、かなり「自由」にハチャメチャなあれこれが起きていくので、だんだんお手上げ状態になっていきます。キリスト教的素養も必要みたいだし。「これはこういう意味で…」という解釈が追いつかなくなっていき、最後はまさに前衛。(以降ネタバレあり) 裸のおじさんが砂漠で叫ぶラストに至っては、完全に??? 笑っちゃうほど手ごわいです。ははは。 ビバ、ちんぷんかんぷん!
テレンス・スタンプがとにかくミステリアスな誘惑者として、すごいカリスマ性を発しています。先日観た『ラストナイト・イン・ソーホー』でも、かなりクセ強のミステリアスじじいを演じてました。半世紀以上も前の作品なんですねえ。
今はパゾリーニとかフェリーニとかベルイマンみたいに、完全に自分の色で染めつくした映画を作る名監督ってほとんどいませんよね。なぜなんでしょう? 映画に限らず難解な文化って、無くなりましたよね。総白痴化? 骨のあるハードなやつがちょっと恋しい気もいたします(日本ならATG映画とか)。
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