「英雄の証明」:まじめさと普遍性 #英雄の証明 #アスガーファルハディ
映画『英雄の証明』は、イランの名匠アスガー・ファルハディ監督らしい硬質な作品。まじめです。
でもこの人の作品はいつも、イランの人々を描きながら、ワールドワイド。「日本の私たちも同じだよね」って思えるような、普遍性のある物語をいつも提供してくれます。役所広司や阿部寛で日本版リメイクしようと思ったら、あまり改変せずにそのままできちゃうことが想像できますもんね。
SNSの時代に、その部分にも言及しております。そこらもワールドワイドな今日性を感じさせます。
聖人君子の物語ではありません。人間の弱さだとか、ずるさだとか、不完全さをそのまま描いて、リアルに迫って来ます。だから、観ていて不安でハラハラして、「あー、やめろー」って感じになっちゃいます。そもそもこの主人公、リスク管理がなってないのですね。まあ、そうでないとお話になって行かなかったのでしょうけれど…。
この映画全体はそんなに気に入らなかったのですが、ラストはやはりうまいもんですね。「これが映画ってもんだ」って感じのラスト。そこにほろ苦さも、微かな真善美も感じさせて、ちょっと黒澤明を思ったりもしましたよ。
どうでもいいけど、全国の「英雄(ひでお)」さんの周囲の人たちは、この映画のポスターや広告を見て、「おお、ひでおの証明だ」なんて言ってるんでしょうねえ。
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