「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ」:ゲリラ的 #アンラッキーセックスまたはイカれたポルノ #ルーマニア映画 #ゲリラ的映画
映画『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』は、こんなタイトルですがベルリン映画祭金熊賞受賞&「ニューヨークタイムズ」の2021年ベストテン第2位&アカデミー外国映画賞ルーマニア代表作品です。コロナ禍下のポーランドの街と暮らしと人々を描く、非常に社会的な視点のユニークな作品。
映画祭バージョンとは違って自己検閲版なので、画面のほとんどが派手な字幕?で覆い隠されるような奇景が、冒頭をはじめ随所に登場します。そのこと自体が批判や風刺になっているという、なんともゲリラ的な作品です。
ゲリラ的ということで言えば、全編を3つのパートに区切っていて、大江戸が勝手に名づけるとすれば「1.街歩き編」「2.百科事典編」「3.魔女裁判編」って具合に方向性が違う3種類の表現が、この1本に詰まっているのです。 1は主人公が歩く先々でいろんな人がいろんな事をして、それがコロナ時代の今と、ストレスや不満や怒りがたまった人々の一触即発状況を活写しています。ちゃんとみんながマスクをつけてる映画として歴史的資料にもなりますよね。2は知的なコント集のようであり、ブニュエルの『自由の幻想』とか『モンティ・パイソン』とか『ゲバゲバ90分』とかを思わせるものです。ゲリラ的ですね。そして3は「正義中毒」の時代を鋭く描き、論争の中に多くの社会的問題や哲学を織り込み、最後には3種類のエンディングまで用意しています。
(以降少々ネタバレあり) この3つのエンディングなら。やはり最後のやつがいいですよねえ。この映画全体をギャグにしちゃうエンディング。いやー、ふざけてて大笑いです。ゲリラ的です。 でも作品全体の評価としては、まあまあ(「中の上」ぐらい)でしょうかね。どこもかしこも「圧倒的に突き抜ける」部分がないように思えたんですよねー。
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