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2022年5月23日 (月)

「流浪の月」:愛なのに    #流浪の月 #李相日 #広瀬すず #松坂桃李 #白鳥玉季 #横浜流星 #愛なのに

1_20220523223701 映画『流浪の月』は、『悪人』『怒り』などの李相日(リ・サンイル)監督作品。今回もヘヴィーな150分です。でも傑作には違いありません(ただし小さからぬ瑕疵が一つあります)。大江戸としても、この監督の作品の中で一番高く評価しております。

何しろシンプルな物語を、純粋に高質な「映画」として見せていきます。すべてのカットに力がみなぎってますし、言霊(ことだま)ならぬ「映霊(えいだま?)」がこもっています。『バーニング』や『パラサイト』を撮ったホン・ギョンビョによる撮影が、映画としての力がありつつ繊細で、実に見事なのです。

もちろん広瀬すずと松坂桃李も凄いのですが(それまで我慢を重ねて来た広瀬が感情を爆発させる場面が圧巻!)、広瀬の子ども時代を演じた白鳥玉季がもっと凄いです。これまでも『ステップ』などの映画や、『凪のお暇』などのドラマで舌を巻く「うまさ」を見せつけて来た彼女ですが、本作ではなんと広瀬すずに「寄せて」来ています。表情やしぐさが、いかにも広瀬すず演じる「更紗」になっているのです。日本映画の悪しき伝統として、「子役が、成長した後の俳優に全然似てない」ってことがやたらと多いのですが、その点本作は完璧でした。

役者でもう一人挙げておくと、横浜流星の「いやーな感じ」オーラが凄まじかったです。初登場場面から一貫して、「こいつ嫌だわー。近寄りたくないわー。」と強く思わせる暴力性を漂わせているのです。こいつに言い返せない更紗にイライラしちゃったぐらいです。「横浜さんの事務所的には、これで良かったのか?」と心配になってしまうほどのヒールっぷりなのでした。

(以降多少ネタバレあり) ピンと張りつめた緊張感(本来の意味での「テンション」)を維持したまま終盤まで来て、ある「秘密」が明かされるのですが、「え? うーーん、それってどうなんだ?」と少々困惑してしまいました。そういうテーマじゃないだろー? 賛否両論でも、もっと「愛なのに」という本質に迫っていかないと…。

確かにこれなら、批判は受けない結末になりますけど、それは違うんじゃなかなあ。このご時世、どんどん人間が不寛容になっています。他人の愛のあり方とか愛の多様性ってものに関しても、LGBTQ的なものに関してはとても寛容になってきた一方で、その他に関してはむしろどんどん締め付けが厳しくなっているような気も…。もちろん性犯罪がいけないのは当たり前の話です。そうじゃない「愛」ってものに関して、あまりに一般的な「規範」しか認められなくなっていて、それ以外の物は排除する傾向が強まっている気がしてならないのです。これもまたネットの「正義中毒」の一環なのです。そういった意味では、(原作があるのでしょうがないとはいえ)本作には、逃げずにもっと正面からそういう世の中と対峙して欲しかったなあ。『愛なのに』(城定秀夫監督×今泉力哉脚本)のような開き直りこそが必要だったのではないでしょうか?

 

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