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2022年6月30日 (木)

「私の恋人 beyond」@本多劇場:年に一度は生のん    #私の恋人ビヨンド #私の恋人 #のん #3○○ #本多劇場

Dsc_0810_copy_600x1043 渡辺えりさん率いる劇団3○○の『私の恋人』がプラスアルファの要素をつけ足して再演ってことで、行って来ました下北沢・本多劇場。本日初日です。

思えば前回2019年の公演は、のんさんの初舞台だったんですよね。その時のレポートはこちら ↓

のんの初舞台「私の恋人」@本多劇場   #のん #私の恋人 #本多劇場 #3〇〇: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

今回は前回より10分近く増えて、1時間54分ほどでした(本日は)。前から9列目で、昨年夏の『愛が世界を救います』以来の「生のん」を堪能しました。

たった3年前なのに、もうほとんど忘れてますねー。まあ、そもそも何だかよくわからない物語ではあったのですが、「ああ、この場面あったな」とか「このキャラいたいた」とか断片的に思い出す程度です。情けのうございます。でも、初見のようにフレッシュな感覚で観られるってことだから、良いのかも(ポジティブ)。 今回のパンフレットにも人物相関図が載ってましたが、相変わらず見てもわかりませんー(笑)。

Dsc_0816_copy_600x832 今回はコロナ禍の要素と戦争(ウクライナ情勢を受けて)への言及が加わっております。ラストシーンのMOMAの青空傘、3人の分だけ外側が真っ赤ってのも前回はなかった気がするんだけどなー(どうでしたっけ?)。その他、細かい点もちょこちょこ変わってると思います。

のんさん、成長しました。初日っから、3人の中でも一番安定した芝居を見せて、堂々としていました。歌も安心して聴いていられます(そりゃあ歌手歴長くなりましたからね)。やっぱりネコ役が一番でした♪

カーテンコールの最後に渡辺えりさんが言ってましたが、(コロナ禍ということもあり)まだ夜の回のチケットが余ってるみたいです。ご興味ある方は、ぜひどうぞ。

 

 

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2022年6月29日 (水)

「イントロダクション」:モノクロ66分のホン・サンス節    #イントロダクション #映画イントロダクション #ホンサンス

1_20220628230801 映画『イントロダクション』は、ホン・サンスが『逃げた女』の次に撮った2021年の作品。モノクロで66分しかありません。

大江戸は近年ホン・サンスが大好きなのですが、本作は今一つでした。どうしてだろう?といろいろ考えた末、「あ、キム・ミニが主演じゃないからかも」と思った次第。キム・ミニ、ここではちょっとしか出番がありませんから。それでも、「きれいですね」とか言われちゃってますから(脚本も書くホン・サンスがそう言わせたわけですが)。

相変わらずグダグダと会話している映画、酒飲みながらグダグダ話すのがやけに面白いホン・サンス節なのですが、今回はそのパワーもいつものレベルに届いてないと思うんですよねー(なのに、ベルリン映画祭で銀熊賞=脚本賞を受賞したりしてますけど)。

何か所かあるズームインも、いつものように不自然な急激さではなく、普通です。そこらへん、なぜかは解明できません。今になって、「あのズーム、やっぱり変だ」と気づいたわけでもないでしょうに。

主人公の青年、とにかくタバコ吸い過ぎです。彼と友だちが焼酎を飲む場面で顔を横にする動きも、「ああ、韓国では年上、目上の人のまで飲酒や喫煙をするときには横を向くんだよねー」てなことを思い出しました。

まあ、とにかく主人公の彼に終始感情移入できなかったことが、ノレなかった理由かなあ…。ラストは『逃げた女』のラストから続いているような海景でした。

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2022年6月28日 (火)

「エリザベス 女王陛下の微笑み」:a pretty nice girl    #エリザベス女王陛下の微笑み #映画エリザベス #ロジャーミッシェル

1-1_20220628141401 映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』は、先日プラチナ・ジュビリー(在位70週年)を迎えた英国女王・エリザベス2世のこれまでの人生をたどったドキュメンタリー、いや記録映像の再編集です。

先ごろ逝去したロジャー・ミッシェル監督らが、「コロナ禍で映画が撮れないから」ってんで、膨大な映像アーカイヴから選んで編集したってことですが、なるほどそういう姿勢は「正しいコロナ下の過ごし方」ですよね。ビートルズの“Her Majesty”も流れるエンドロールの最後には、「ロジャー・ミッシェルを偲んで」と出ておりました。

20世紀が「映像の世紀」だったから可能になった企画です。子どもの頃の映像から現在まで、一人の女性の変化を目にすることができるってのもなかなか凄いことですよね。また時系列ではなく、何十という項目ごとにいろんな年代の映像をコラージュしてあるのも面白いところです。

これらを見ていると、大概の人はエリザベス女王のファンになってしまうのではないでしょうか。少なくとも大江戸はなりました。本当にお茶目で可愛げのあるおばあちゃんですし、若い日々の映像もキュートです。しかも類稀なお方です。なにしろチャーチルの頃から女王をやってるんですから。

でも、こういうの作ろうったって、日本の皇室では無理ですよねー。映像は残ってるはずですけど、こんなに面白くなりそうもありません。それ以前に、いろんな方面からの横槍&縦槍が入りそうです。不幸なことです。

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2022年6月27日 (月)

「当りや大将」:ドイヒーな大将    #当りや大将 #中平康 #新藤兼人 #長門裕之 #轟夕起子

Atariya 映画『当りや大将』(1962年)を、シネマヴェーラ渋谷の中平康特集上映で観ました。日活映画、モノクロです。なんと脚本は新藤兼人です。

都会派・中平康監督にしては異例な、大阪・釜ヶ崎ドヤ街のガラが悪い連中の物語。主役の当りや大将は長門裕之(この頃は桑田佳祐の若い頃っぽいんですよね)が演じます。

いやー、いろんな意味で今では作れない作品です。日本、貧しかったんですよね、まだこの頃は。そしてこのぐらいコンプライアンスだの何だの無用だと、あまりに猥雑で自由で、むしろハッピーな気がしてしまいます(本当はそんなことないんですけどね)。 でも物語自体は予想以上に重いんですよ。なにしろこの大将が相当ひどい奴、悪い奴で、「道徳観念ってものがない」んです。ま、新藤兼人が書いたわけですから、「そんな非道で欠落した人間を生んだのは、たどっていけば“戦争”だ」となるのかも知れませんが、映画ではそこまで明示はされておりません。

(以降ネタバレあり) そんな大将に、息子のためのなけなしの貯金をだまし取られてしまった轟夕起子の絶望が、これはもう名演というしかありません。凄みがあり、圧倒されます。そういったわけで、終盤はかなり暗い話になります。

でも、子供たちのための公園だとかブランコだとか…、黒澤明『生きる』の裏バージョンだったのかあ!と思っちゃいました。まあ、そういうことなんでしょうけど、映画としては異常にバランスの悪い失敗作と言ってもいいのではないでしょうか?

轟夕起子演じるホルモン屋の女将がいつも「♪雪の降る街にー 雪の降る街にー」と壊れたレコードのように歌っていて、絶対その先(思い出だーけが通り過ぎてゆーくー)には行かないんですけど、終盤にも多用されて、このフレーズが耳に残っちゃいます。でもなんで大阪の釜ヶ崎でこの歌? しかも正しくは「雪の降る街をー」でしょ? 謎過ぎます。

 

 

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2022年6月26日 (日)

「東京2020オリンピック SIDE:B」:混迷と苦渋の記録    #東京2020オリンピック #映画東京オリンピック #SIDEB #河瀨直美

1_20220626225901 映画『東京2020オリンピック SIDE:B』は、『SIDE:A』に続いてパラパラの客席でした。『SIDE:A』の段階で、記録的な不入りのあまり「映画も無観客」という声がSNSなどに出たってのは、うまいですね。

(大江戸の『SIDE:A』レビューはこちら ↓ )

「東京2020オリンピック SIDE:A」:驚きと疑問だらけ    #東京2020オリンピック #映画東京オリンピック #SIDEA #河瀨直美 : 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

でも映画的にはBの方が上でした。Aの時に「河瀨直美監督は、競技には全然興味がない」と書きましたが、だから「大会関係者や医療従事者ら裏方を中心に描いた」Bの方が面白いのは、ある意味当然のことです。ましてこの大会ほど様々な困難や災厄に翻弄されたオリンピックはなかったわけですから、監督が興味を持たない部分を描いたAよりも、当事者にとっては地獄のような迷走を描いたBの方が映画になっているのは当たり前ですよね。

競技やアスリートの姿もゼロではなく、少しは入っています。日本人選手がほとんどです。Aに続いて女子バスケットボールが入ったのは、河瀨監督がバスケ少女だったから…だとすると、正直すぎますね(笑)。一方ではサッカーやバレーボールや卓球などは、今回も完全無視でした。

そして今回も、あの異常なまでのクロースアップは継続してます。おじさん、おじいさんの「(超)寄りの絵」が延々続くってのも、しんどいものがありますけど(あ、これも男女差別か?)。

オリンピック開催のために身を削っている人々、オリンピック反対を言い続ける人々、様々な人々をニュートラルに描いた作品です。映画の中でも示されているように、森喜朗さんは失敗をしてしまいましたが、あの人が果たした功績も大きいと思いますよ。 大江戸はオリンピックが好きですし、今回のオリンピック開催に関しては終始賛成のスタンスでした。いずれにしてもこの異様な2020東京オリンピックの記録として、むしろこのBの方が後世に残って行くのではないかと感じました。そして本作に登場する野村萬斎やMIKIKOさんが降板せずに残っていたら、開会式・閉会式はあんなひどいものにならなかっただろうなあという悔しい思いも甦ってまいりました。

エンドロールに流れる主題歌は、Aでは藤井風でしたが、Bでは変更になったことが公式サイトにも書かれておりますが、誰とは書かれておりません。エンドロールに流れるローマ字表記をぼーっと見ていて「え?」と思ったので、確信はないのですが、曲を作って歌ったのが“Naomi Kawase”と書かれていたような気がしました…(違ってたら、ごめんなさい)。そうだとしたら、びっくり過ぎますね。

 

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2022年6月25日 (土)

「ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行」:映画の映像で映画評論を行う    #ストーリーオブフィルム #111の映画旅行 #マークカズンズ

1_20220625231201 映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』は、2010年から21年の世界の映画111本のフッテージを紹介しながら、「ここ10年」の映画の傾向と変化を紐解いていく映画評論のような作品。

167分ありますが、冒頭『ジョーカー』『アナと雪の女王』から始まった割には、かなりの部分がインディペンデントの地味な映画だったり、欧米以外の国の未公開作品だったりします。有名なヒット作としては『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ブラックパンサー』『ミッドサマー』あたりが出て来ますが、そんなに多くはありません。 その他の作品はシネフィルの大江戸だから観ているような作品もあり、そもそも日本未公開なので知りもしない作品もあり、です。一般的映画ファンだと、ちょっと退屈しちゃうかも知れません。

時々過去作も引用されて、現代の作品との類似や影響が示されます。『キートンの大列車追跡』あり、小津の『東京物語』ありです。こういう作品内でのフッテージ利用って、許可は簡単に取れるものなんですかね? あるいはその料金はどうなんでしょう? これだけ多量に使っていると、そのあたりが気になります。

いずれにしても、これだけ延々と淡々とやられると、ちょっと飽きますね。第1部「映画言語の拡張」とか第2部「我々は何を探って来たのか?」という切り口で論評されても、そこらがそんなに鮮やかに浮かび上がってこないし…。 配信が力を持ってきた10年間だったという事実はわかるのですけどね。

実際の映画フッテージを見せながら映画評論をするというマーク・カズンズ監督の手法は「発明」だと思います。

 

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2022年6月24日 (金)

「佐藤卓 TSDO展 in LIFE」@ggg    #佐藤卓 #佐藤卓TSDO展 #佐藤卓展 #ギンザグラフィックギャラリー #ggg

Dsc_0786_copy_990x639 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催中の『佐藤卓 TSDO展 in LIFE』(~6/30)を観ました。「TSDO」ってのは、Taku Satoh Design Officeのこと。

Dsc_0799_copy_777x639 入口のガラスには「デザインの展覧会をしています。どうぞお気軽にお入りください。 佐藤卓」と日本語と英語で書いてあります。

Dsc_0788_copy_769x639 ここで卓さんが展覧会をやるのも何度目かのこと。今回は、卓さん個人というよりは「TSDO全体」としての展覧会というスタンスのようです。とはいえ、TSDO=佐藤卓みたいなもんですけどね。

 

Dsc_0790_copy_1024x639 1Fには大型のオブジェで、卓さんの代表作と言える「明治おいしい牛乳」「ロッテキシリトールガム」などの紹介。

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これらを銀座奥野ビルの小ギャラリーで展示した時には、大江戸も観に行きました(当然その時の方が巨大に見えましたね)。

Dsc_0791_copy_808x639 広告以外の代表的な仕事であるNHK『にほんごであそぼ』とこの立体文字は、直接は関係なかったのかなあ?

 

Dsc_0792_copy_1024x576 で、地下の展示場に行くと、今度は小さいものをはじめ、さまざまなお仕事の記録が現物とパネルで展示されておりました。

展示台もパネルもサインも、段ボール製ですね。

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たとえばS&Bのスパイス小瓶。6×6=36が整然と並んでいると、小さな壮観ですね。

Dsc_0797_copy_682x639 それから、こちらは『おいしい牛乳』のみならずズラリと揃った明治牛乳の仲間たち。

Dsc_0795_copy_795x639 キシリトールガムをはじめ、ロッテのチューインガム各種。『クールミントガム』のペンギンは、右から2匹目だけ手を上げているとか、『チロリアン』の缶に描かれた5人の口の形をよく見ると「チ・ロ・リ・ア・ン」と言っているとか、秘密を明かしてもくれちゃいました(大江戸は以前にご本人から聞いたことがありましたが)。

Dsc_0798_copy_946x639 イッセイミヤケの『PLEATS PLEASE』のポスターも随分長いことやっていたんですね(15年だそうです)。初期の寿司(商品をマグロとか玉子とかに模したもの)シリーズは好きでしたねえ。最後にはタコとかクラゲとかまでやってたと知って、びっくり。

Dsc_0794_copy_883x639 そして松屋銀座のブランディング…といえば、原研哉さんが有名ですが、卓さんは近年「デザインの松屋」というスローガンを広めるために色々とやられたのですね。

 

こうして見るとわかるように、佐藤卓さんのデザインは「とっつきやすい大衆性」と「そこはかとないユーモア」が身上。だから大ざっぱに思われがちですけど、実は厳密な仕事をする人でもあります。 卓さんとTSDOの守備範囲の幅広さも含めて、興味の尽きないデザイン展でした(2階の映像はちょっとしか見る時間がありませんでした)。

 

 

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2022年6月23日 (木)

「はい、泳げません」:シリアス不要なのに…    #はい泳げません #長谷川博己 #綾瀬はるか #阿部純子

1_20220623135201 映画『はい、泳げません』は、水泳というか「泳ぐこと」がテーマのライトコメディ かと思いきや…、って作品(詳しくは後述します)。

長谷川博己と綾瀬はるかって、どちらも大河ドラマの主役経験者なんですね--『麒麟がくる』と『八重の桜』。しかも『八重の桜』では夫婦役だった二人(その上、ピロキさんは『まんぷく』で朝ドラ(安藤サクラとダブル主人公と言っていい)もやってますけどね)。

(以降ネタバレあり) で、この作品の美点は長谷川と綾瀬がまったく恋仲になったりしないこと。水の中で水着で抱き合っても、ぜんぜん恋愛につながっていかない、その気配すらないところが斬新です。爽やかです。これからの時代は、どんどんそういう作品が増えていくに違いありません。

ライトなコメディとして進行していって、途中からシリアスな場面が増えていきます。ただ残念なことに、それで作品が重たくなったりテンポがスローになったりしてるんですよねー。(ま、原作があるのでしょうがないのでしょうが)正直言って、大江戸はそういうトラウマ部分が邪魔でたまりませんでした。なんか、「ライトなコメディで終始するより、シリアスな部分が入ってた方が上等」みたいな思想があるのでしたら、そんなのは間違いです。

本作で一番良かったのは阿部純子。言葉なしに感情を伝えたり、このけなげなキャラクターに命を吹き込んでおりました。珍しくもお母さん役でしたが、ちゃんと似合っておりました。

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2022年6月22日 (水)

ブルガリ マン ウッドエッセンス    #ブルガリマンウッドエッセンス #オードパルファム 

Dsc_0502_copy_768x772 昨夏以来大江戸が愛用しているオードパルファムがこれ。『ブルガリ マン ウッドエッセンス』です。気に入ってます。ボトルやパッケージもカッケーです。品格が漂って、センス良いです。

大江戸はもともとPoloのオードトワレをはじめ、いくつか使っておりましたが、なかなか決定打がなかったのです。お試し用のミニボトルを買ったりしてテストしてみても、なかなかこれぞという一品には出会いませんでした。

でもこいつは「これぞ」でした。オトナな感じと甘さ、都会っぽい知性と樹木の自然感を併せ持っております。 ファーストノートは上品なフローラル+お香のニュアンス。大江戸が好きなメロンっぽい香りも感じられます。 ミドルノートで適度に大人っぽいスパイスの香りがしますし、ブルガリお得意の紅茶のような香りも立ってきます。 そしてラストノートのほのかなで落ち着いたウッディ感が紅茶感と相まって、素敵すぎます。優しくて、奥深くて、いつまでも嗅いでいたいような知的な香りです。 

ブルガリ マンにもいろんな種類がありますが、大江戸の好みとしては断然こいつです。軽薄ではなく、フレッシュなだけでもなく、ワイルド過ぎたりセクシー過ぎたりすることもなく、フェミニンに寄ることもなく、だからと言って落ち着き過ぎてるわけでもなく、微かにミステリアスな感じや静かな情熱も感じられて、上品だけどただのジェントルではない感じ。いやー、好みです。

でも割と香りが消えるのが早いんですよね。特に冬場より夏場の方が早く弱まる気がして、そこだけがちょっと残念です。

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2022年6月21日 (火)

最近食べたプリン    #プリン #資生堂パーラーのカスタードプリン #横浜浪漫ミルクプリン #トットプリン #砂プリン #充ちるカスタードクリームのパイ

Dsc_0755_2 プリンって、好きかそうでもないか、自分でも微妙なところです。

大江戸は大のカスタード好きなので、基本的には好きなんですが、中にはカスタード以外のプリンもあったりしますし、カスタードだってどストライクからワイルドピッチまでありますからねえ。結構ハズレも多いのです。

 

こちらは資生堂パーラーの『カスタードプリン』。本格的な正統派プリンです。これならおいしいと言えます。ジャージー牛乳のミルクや三温糖のカラメルといった素材の良さはさすがです。

Dsc_0756_copy_800x646 ただ割とスッキリしていて、タマゴ感も少ないんですよね。大江戸の好みから行くと、もっと濃厚でエッグ感たっぷりのやつがいいんですー。

 

Dsc_0755_copy_672x646 こちらはもっとスッキリです。『横浜浪漫 ミルクプリン』。実はこれ、お葬式当日のお返しにいただいた引き物なので、どこのメーカーかもよくわかりませんー。

Dsc_0757_copy_763x646 お味は確かにミルクプリン。色も白っぽくて、牛乳を固めた感じがいたします。そんなに悪くはありませんでしたよ。

 

Dsc_0740-1 で、こいつは変わり種。鳥取県の砂丘のそばにお店があるというトットプリンの『砂プリン』です! ちなみに「Totto PURIN」と書いてあります。“pudding”ではありません。

この砂プリン、今年4月の日経土曜版の「プラス1」で全国のプリン・ランキング第1位に輝いた逸品なのだそうです。 小ぶりの瓶に入ったこのプリン、「砂」と書かれた袋に茶色い砂状のものがはいっていて、なんとこれが乾燥タイプのカラメルなんですね。それをふりかけながら、いただきます。ジャリッとして砂みたいなんですよ、この食感が。だから砂プリン。

Dsc_0741-1 しかも瓶の底を見れば、おお! 砂鉄みたいな黒砂! 衝撃のビジュアルです。これ、実はバニラビーンズです。びっくりですね。

プリンと言いながら、カスタードに近いんです。とろとろなんです。まあ、大江戸はカスタード好きだから歓迎します。でもその一方で、大江戸が本当に好きなのは最近はやりのとろりんタイプではなくて、古典的な焼きプリンなんです。でもまあそれは、また別のお話…。

 

Dsc_0727_copy_734x646 (おまけ) カスタードつながりで、ローソン「ウチカフェ」の『充ちるカスタードクリームのパイ』。パイ生地の中にたっぷりのカスタードクリーム。ね、おいしそうでしょ。大江戸も絶対気にいると思って食べたのですが…、うーん、期待はずれでした。下の方に入ってるチョコクリームいらないし、肝心のカスタードが薄味であまりおいしくないのです。結構がっかりー。

 

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2022年6月20日 (月)

「オフィサー・アンド・スパイ」:世に冤罪の種は尽きまじ    #オフィサーアンドスパイ #ロマンポランスキー #ドレフュス事件 #エミールゾラ

1-1_20220620220101 映画『オフィサー・アンド・スパイ』は、現在米寿のロマン・ポランスキー監督作品。ユダヤ人としての魂がこもった作品ですね。スピルバーグにとっての『シンドラーのリスト』のように。

ドレフュス事件は名前ぐらいしか知らなかったので、勉強になりました。でも、この作品、始まって1/3ぐらいまではかなり退屈。とにかく台詞に頼って状況を説明するだけなので、かなり眠くなりました。でもそこを過ぎると、面白くなります。やはり(大江戸の好きな)「正義の物語」ですし、法廷モノにハズレなしですし、映画としてのクォリティは高いですもんね。

ユダヤ人がどうのこうのという差別部分よりも、冤罪を生む組織・権力の構造がしっかりと描かれていました。保身のため、組織防衛のため、面子のために、人は(組織は)冤罪を生んでしまうんですね。古今東西いつの世にもです。おそろしいことです。でも、そんな卑劣さに真っ向から闘った人がいるってことには胸が熱くなります。エミール・ゾラ、えらかったんですねえ。

忘れてましたけど、ケン・ラッセルのTVムービー(日本では劇場公開)『逆転無罪』(1991年)って、本作同様ドレフュス事件を扱ったものでしたっけ。調べてみたら本作の主人公ピカール大佐(ジャン・デュジャルダン)は、リチャード・ドレイファスが演じてたんですよねー(ドレフュスだからドレイファスにしとけ!って感じ??)。あれは妙に軽い作品で、ケン・ラッセルらしさは全然なかったんですよねー。

それにしても、フランス軍の軍服の赤いズボン(パンタローン)、素敵ですね。さすがはフランスだと感心しちゃいました。

 

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2022年6月19日 (日)

「メタモルフォーゼの縁側」:後ろ姿の映画    #メタモルフォーゼの縁側 #芦田愛菜 #宮本信子 #岡田惠和

1_20220619224401『メタモルフォーゼの縁側』は、後ろ姿の映画。こんなに後ろ姿だらけの映画って、観たことありません。

特に主人公の芦田愛菜が徹底して後ろ姿です。いや、もちろん前向きや横向きもありますよ。でも印象的なショットがことごとく後ろ姿ですし、走る姿なんかもほとんど後ろから撮っていて、表情を見せません。最後の方では走りが横から撮られていたりしますし、暗いながらも前向きに撮ってある場面もあったりするのですが、そこに込められた意味は明解になっていないような気がします。「後ろ向き=自身の無さ、ネガティブさ」で、そこからの脱却で前を向いたとか、そういう単純な話ではないと思います。ただ、その後ろ姿が特に気にならないのです。ぼーっと見てたら、「え?そんなに後ろ姿だらけだった?」と思うかも知れません。でも考えてみれば、人はリアルには他人を正面から見ているばかりではありません。後ろから見ていることって結構多いわけです。それに後ろ姿って、表情が見えないだけに想像力の「余白」がありますもんね。

いずれにしても、心がほっこりする素敵な作品でした。やっぱり岡田惠和脚本ですね。あ、もちろん原作マンガの力もあるのでしょうけれど。「みんないい人」の作品って、岡田さんの得意とするところであり、そこが大江戸は大好きなのです。

そして言うまでもなく、芦田愛菜と宮本信子のコンビネーションが最高です。芦田さんは『星の子』で圧倒的な演技力を見せましたが、ここでも見事に「演じて」います。しっかり計算して演技しています。後ろ姿の「走り」にも、気持ちが溢れています。彼女が固まっちゃう場面、サイコーでした。

やっぱり「大好きなものがある」ってこと、「同好の士がいる」ってことは、素晴らしいですね。ラストの静かな幸福感も、得難いものでした。狩山俊輔監督、良い仕事をしましたね。

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2022年6月18日 (土)

湘南、FC東京に2-0完勝!!    #湘南ベルマーレ #ベルマーレ #湘南対FC東京 #湘南東京 #遠藤航 #勝利のダンス

Dsc00161 レモンガススタジアムで、湘南ベルマーレvs.FC東京を雨中観戦。リーグ戦のホームゲームでは今期初のナイトマッチです。そんな季節になりました。

Dsc_0784_copy_1024x616 でも、雨は終始強まったり弱まったりしながら振り続けてました。カッパとマスクとメガネで、ほとんど全部隠れてる状態でじっとしながらの観戦。涼しいから蒸れなかったのは幸いでした。

 

Dsc_0786_copy_1024x556 で、苦労の甲斐があったというべきか、FC東京に2-0の完勝! 今朝から、根拠はないけど普通に勝てる気がしてたんですよねー。

Dsc00162 前半に池田、後半に町野とノッてる二人がそれぞれ決めて、2得点。守っては、全員が泥臭く走って、体を投げだして、クリーンシートでの勝利を収めました。

Dsc00164 FC東京にはリーグ戦で7年ぶりに勝ったそうですけど、カップ戦では去年も今年も勝ってるし、そんなに相性悪い気はしないんですよね。いずれにしても、今日は湘南の良い所が攻守にわたってたくさん出ました。

前半最後の試合で上位を下して勝ち点を伸ばしました。山口監督もちょっとホッとしたのではないでしょうか。

Dsc00167 今日はベルマーレOBの遠藤航選手が来ていて、ハーフタイムに観客に挨拶をしてくれました。

Dsc00168 ワタル、風格が出ていました。さすがはブンデスリーガで2期連続デュエルキングに輝いた男です。彼に良いゲームを見てもらえて良かったです。

Dsc00172 大江戸がベルマーレの勝ち試合を生観戦したのはいつ以来だろうと調べたら、なんと!昨年6月5日のFC東京戦(ルヴァンカップ)以来でした。1年以上ぶり! そしてリーグ戦ってことでは、なんとなんと!!2020年10月31日の横浜FC戦以来とわかって、われながら驚愕! よくこんなチームを応援してるものだと、我ながら感心します。えらいなあ。

Dsc00175 というわけで、勝利のダンスを見るのも久しぶり。まだ手拍子だけです。いつから声を出せるようになるのかなあ。

さあて、良い波に乗ったので、後半戦はガンガン行きますよ!!

 

Dsc00165 (おまけ) 雨の中応援するベルマーレクイーン3人(高橋諒のバナーの下)。

 

 

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2022年6月17日 (金)

「犬王」:室町の琵琶ロックミュージカル・アニメ    #犬王 #琵琶ロックミュージカルアニメ #湯浅政明 #アヴちゃん

1_20220617224901 映画『犬王』は、湯浅政明監督がまたも攻めたアニメーション。600年前の日本を舞台にした実験的なロック・ミュージカルです。脚本は野木亜紀子だし、音楽は大友良英だし、キャラクター原案は松本大洋だし、実に多士済済ですね。

そして主演の2人=若きポップスターの声を演じるのがアヴちゃん(女王蜂)と森山未來。「歌える」この2人が…ってところが重要なのでした。特にアヴちゃんの声は、歌ってる時(圧巻)も話してる時もスゴかったです。

湯浅監督の特徴はある程度現れていますが、あのくねくねびよーんとした感じは抑え目。今回はむしろカッコ良く音楽にフィットするダンスの動きやロックな動きを追究していったように見えました。

色調も抑制の効いたものから美しくカラフルなものまで、場面により使い分けておりました。そして音楽はさすがに大友さん。ガンガンのロックを「なぜこの時代に?」と一瞬しか思わけないほど上手にカッコ良く使っていますし、琵琶のサウンドも違和感なくロックでした。

大江戸としては、権力者とアーティストの関係および権力者の怖さがきちんと描かれていたところが印象的でした。

作品全体としてはそんなに面白かったとか気に入ったとかではないんですけど、よくぞ作りましたという意味でリスペクトを捧げたい作品なのです。

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2022年6月16日 (木)

重り畑でつかまえて    #空き地の奇景 #重りだらけの更地 #重りか重石か

Dsc_0682_copy_800x450 家の近所で見かけた奇景。

ま、それほど大げさなものではないけれど、テニスコート一面分ぐらいの結構な広さの更地に、ビニールがめくれないため、飛ばさないための重りが乗せてあります。「重り」と言うべきか、「重石(おもし)」と言うべきか、それは問題ではありません。

 

Dsc_0681_copy_800x450問題なのは、その重りが、やけに多いこと。そして、やけに規則正しい…ように見えますが、よくよく見るとやっぱりけっこう雑。縦(横?)の列だけは合ってるってあたりが、何か農作物のようですね。

それにしてもここまでの数がないとダメなんでしょうか? まだ台風の季節にはかなり早いんですけども。素人にはわかりかねる世界であります。

 

Dsc_0683_copy_800x450 重りは黒ビニール袋に砂か土でも入れてあるのでしょうか? あるいは札束でも入っているのでしょうか? 「木の葉を隠すなら、森の中に隠せ」ってやつですね?(ちょっと違うか?)

いろいろとミステリアスな感じです。これ、暗くなってから見ると、結構こわいかもです(黒ビニールにバラバラ死体が入ってるかも知れませんし…)。キャー!

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2022年6月15日 (水)

「トップガン マーヴェリック」:バカっぽいけど、トムは奇跡    #トップガン #トップガンマーヴェリック #トムクルーズ #ザフー

1_20220615225301 映画『トップガン マーヴェリック』は、奇跡の59歳(7月2日で還暦!)トム・クルーズのヒット作の36年ぶりの続編。と言っても、撮影は3年前ぐらいだったのでしょう。何しろコロナ前から予告編がかかっていて、公開が何度伸びたことやらでしたから。

36年ぶりの続編だそうです。びっくりですね。しかも36年たっても同じような現役主人公が同じような物語を演じるのですから、驚天動地です。そんなことが可能だってことが、トムの奇跡です。体型も動きもぬかりなく若々しいですもん。さすがはアメリカの郷ひろみです(と小生が勝手に言ってます)。

「マーヴェリック」ってトム演じる主人公の名前ではありません(それはピート・ミッチェル)。コールネームがマーヴェリックなのでして、そのスペルは彼のヘルメットにも記されているように“MAVERICK”。英語によくありそうな“MARVERICK”じゃないんですよね。で、意味は「一匹狼」。そんな孤独で、大人なのに大人になり切れてない奇跡のトムくんの荒唐無稽な物語です。

バカみたいなんだけど、中坊が心を掴まれそうな映画です。がんばれ軍人さん的な国威発揚映画を危惧したのですが、なんかバカっぽくてそうだとも思えないぐらいです。むしろゲームみたいな映画ですよね。いろんな危機をクリアしながら、次のステージに進んでいくというような…。

でもCGに頼らない実写撮影の努力と迫力は、大いに評価したいところです。やっぱり本物の映像の力があります。それを可能にするにあたって、トムくんが果たした役割も大きいそうです。さすがですね。

いずれにしても、戦闘機は撃墜されてもパラシュートで脱出して人間は無事(敵も味方も)ってあたりもハッピーですね(そういうところもバカっぽい)。 個人的には空中戦訓練の場面にザ・フーの“Won't Get Fooled Again”(無法の世界)がかかっていたのに、キュンです。

 

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2022年6月14日 (火)

日本、チュニジアにボロ負け    #サッカー日本代表 #キリンカップ #日本対チュニジア #吉田麻也 #遠藤航

Dsc_0770_copy_600x813 サッカー・キリンカップの決勝戦(といっても2試合目ですが)=日本vs.チュニジア@吹田スタジアムをテレビ観戦。いやー、久々のボロ負けでした。0-3の完敗。

1点目、2点目ともキャプテン吉田麻也のミス。それに限らずなんですけど、やっぱり衰えがあると思いますよ。でも疲れもあったことでしょう。それ以上に疲れてた感じだったのは遠藤航。この4連戦で一番出場時間が長かったんじゃないでしょうか? 頼りになるからといって、遠藤を酷使し過ぎるとロクなことにならないというのは、去年の東京オリンピックで証明されているんですけどね。まあ、守田がいなかったからしょうがない面はありますけど。

チュニジアがしっかり日本の良さを研究して、消して来ました。遠藤を2人がかり、3人がかりでつぶしに来て、無力化してました。でも、チュニジアにできることはW杯に出る他のチームだってできることですから、むしろ「遠藤が激しいマークにあった場合」「遠藤を休ませた場合」を想定して、いろんなテストをしていただきたかったところです。

一方で、大型DFが並ぶチュニジアなのに日本のCKはただ高い球を入れるだけで芸がなく、まったく点が取れる気配がありませんでした。研究してないし、研究してても監督が戦術に落とし込めないんですね。

まあ、これまでのワールドカップでも5か月前ぐらいにドイヒーな出来だったときの方が本番の出来が良いので、大江戸は本当のところあまり心配していないんですけどね(でも監督が森保だから、やっぱり心配)。

 

 

 

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2022年6月13日 (月)

平塚・大原総合公園の日本庭園    #日本庭園 #平塚市大原総合公園の日本庭園 #レモンガススタジアム 

Dsc_0695_copy_654x450 平塚の大原総合公園内にある日本庭園。レモンガススタジアムのすぐ隣にあるので、いつも通り道に通り過ぎているのですが、先日はちょっと時間に余裕があったので、久しぶりに覗いてみました。

Dsc_0694_copy_668x450 20年ぶりぐらい(もっとか?)になるのではないでしょうか、2回目です。入場無料です。平成元年(1989年)に作られたのだそうです。

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そんなに広いわけではありませんが一応池があり、起伏もあり、水も流れています。

池のほとりには東屋があったりします(あずまやは「四阿」とも書くんですよね。なぜなんだろー?)。「涼」ですね。でも、池の水がちょっと汚かったな。

Dsc_0687_copy_707x450 Dsc_0685_copy_800x450 池には、亀が泳いでました。めでたいめでたい。日本庭園の池には、亀がつきものですよね。

 

Dsc_0689_copy_450x800 で、小規模ながら竹林なんかもあったりします。いいですね、竹林。風流です。

 

Dsc_0688_copy_747x450 そして池からの小川にかかる太鼓橋。やっぱり太鼓橋あってこその日本庭園ですよね。

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いやー、ちょっとした異世界ですね。キッチンカーが並ぶフードパークのすぐ裏なのに。ベルマーレ・サポーター&アウェイ・サポーターの皆さんも、たまには寄ってみてはいかがでしょうか?

 

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2022年6月12日 (日)

「冬薔薇」:No one was saved.    #冬薔薇 #ふゆそうび #伊藤健太郎 #阪本順治 #毎熊克哉 #エリナーリグビー

1_20220612132301 映画『冬薔薇(ふゆそうび)』は、伊藤健太郎がひき逃げ事件で謹慎を続けた後の復帰作。阪本順治が脚本・監督で、彼にアテ書きした渋い作品となっております。

その昔の東宝映画『連合艦隊』の主題歌が谷村新司の『群青』で、サビの歌詞が「せめて海に咲け 心の冬薔薇(ふゆそうび)」だったよなあなどと思い出す小生は、古い人間でござんす。

それはさておき、今日び珍しいタイプの日本映画らしい日本映画です。で、暗くてやるせなくて辛い映画です。普通、興行の事を気にしたりして作れないタイプの作品です。それを作っちゃうんだから、阪本順治にはやはり周囲からの人望があるってことなんでしょうか。

半グレがうろついている港町なんで、どこの地方かと思いきや、横須賀なのでした。絵からはもっと北陸や東北の感覚が溢れているんですけどね。そこで描かれる人々が誰も彼も不完全っていうか、むしろしょうもない人たちばっか。しょうもなさの比べっこをしてるみたいで、気が滅入ります(そういうのが好きな人もいるんでしょうけれど)。そういうところが、大江戸が阪本作品をあまり好きになれない理由の一つでしょうね。

主人公の伊藤も相当しょうもない奴なんですが、もっと卑怯でサイアクなのが永山絢斗演じる美崎。好青年役も多い永山が演じるこの役に、ほんっとムカつきました。一方、人としての基本がしっかりしている毎熊克哉の方は、カッコ良かったですねえ。 あとはシニア組の小林薫、余貴美子、眞木蔵人、石橋蓮司、伊武雅刀らが余裕のある芝居で、みんな観ていて面白かったです。

でもやっぱりみんな哀しい人々です。唐突ですが、ビートルズの『エリナー・リグビー』の歌詞、“Ah, look at all the lonely people. (中略)No one was saved. ”を思ってしまいました。

 

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2022年6月11日 (土)

「帰らない日曜日」:捉え所のない映画    #帰らない日曜日 #グレンダジャクソン #サンディパウエル

1_20220611232201 映画『帰らない日曜日』の原題は“Mothering Sunday”=母の日。英国では米国風のMother's Dayではないんですね。しかも、3月にあるという…。宗教的行事に起因しているのだそうですが、いやー、勉強になりました。

いかにも英国的な、名家の人々とメイドのお話。ある種の格調を持って語られます。舞台は1924年。原作小説をカズオイシグロが絶賛したというのも、なんとなくわかる気がします。ただ、語られてることにはあまり動かされませんでした。しかもその時代だけでなく、3つの時代を入れ込んでいるのですが、あまりうまくいってるとも思えませんでした。サスペンスを漂わせながらもそっちの方には行かないし。どうにもこうにも、捉え所のない作品です。映像もまあキレイなんですけど、そんなに映画的な強さを感じませんでした。強いて言えば、「官能」の部分において優れています。

でも目が離せなかったのは31年ぶりに俳優業復活したという(『恋する女たち』などの)グレンダ・ジャクソン! 今年86歳になった彼女が、すっかりおばあちゃんになったけど、グレンダ・ジャクソンの顔でした(あたりまえだ)。

衣装担当は見事な実績を誇るサンディ・パウエルですが、本作でも見事な英国トラッドと、それ以上の洒落っ気を見せてくれます。水色フレームのまん丸サングラスなんか、最高ですよね。

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2022年6月10日 (金)

日本、美しい4ゴールでガーナを圧倒   #サッカー日本代表 #日本対ガーナ #遠藤航 #三苫薫 #日本代表はフロンターレだらけ

今夜のキリンカップ、日本vs.ガーナ戦(神戸)は日本が4-1と圧勝しました。でもガーナ、あれでワールドカップに出るんですかい? 相当弱いチームでした。まあ一軍とは言えないメンバーだったようですけど、それにしてもねえ。

一方の日本は、W杯当落線上選手のアピールの場になっていたこともあり、選手たちがみんなガツガツギラギラしていました。エグいほどガンガンとプレスに行って、潰したり奪ったりしていました。中でも遠藤航はやっぱり強いですねー。驚きます(あ、もちろん遠藤は「当落線上」なんかじゃななくて、一番必要な選手ですけれど)。

山根:「なぜそこに山根?!」でゴールゲット! しかしその後にパスミスから失点してしまい、+1-1=0かな。

三苫:ノリノリのキレキレ。今こんなに調子いいと11-12月の本番で調子が落ちちゃうんじゃないかと心配です。

久保:よーーーうやく、A代表での初ゴール。まあ。三苫が完全なお膳立てをしてくれましたからね。

前田:こちらもようやく初ゴール。暴力的な速さがありますよね。

といった4ゴールでした。パラグアイ戦に続いて、それぞれが美しい見事なゴールでした。 それ以外にも前線では堂安、伊東あたりも悪くなかったです。左SBの伊藤洋輝も悪くはなかったけど、パラグアイ戦ほどのインパクトは残せませんでした。

今日も日本代表は(現&元)フロンターレだらけでした。 川島、谷口、山根、板倉、田中碧、三苫+川崎アカデミー出身の久保と7人! すごいですねー。そして三苫薫がワールドカップでどんなプレイを見せてくれるのかが、本当に楽しみになって来ましたねー。

 

 

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2022年6月 9日 (木)

ビャンビャン麵の漢字(画数最多)    #ビャンビャン麵 #最も画数が多い漢字 #ビャンの字が書けます #カルディのビャンビャン麵

Dsc_0752_copy_419x385 自慢します。大江戸は「ビャンビャン麵」の「ビャン」の字をすらすらと書けます。

すごいでしょー。この字は漢字の中でも最も画数が多く、なんと57画もあります。で、ふと「この字をちゃちゃっと書けたら、なかなかだよね」と思って眺めてたら、ほとんど苦もなく覚えられてしまいました。「ふむふむ、ウかんむりね。で。ハの字が来て、左が月で右がリか。糸、言、糸ね(「糸」じゃないんだけど)。その下は長、馬、長ね。その下に心が来て(下心ですね)、しんにゅうー、って感じ。ほら、あなたも覚えちゃったでしょ。いやー、漢字に慣れ親しんだ力って凄いですね。

Dsc_0746_copy_509x533 もともとはペンで書いた下の画像のようだったのですが、その後書き順を調べてから書いたのが上の筆ペンの画像。なんと、ハの後にまず「言」の字を書いて、その後に糸みたいなやつを左、右と書きます。なのに下段は、左から長、馬、長と順番に書くのです。で、その後に心→月→リなのです。びっくりですよね。正しい書き順にしたら、心の位置が変わりました(心変わりですね)。

この漢字、ビャンビャン麺にしか使わないそうです。おお、埼玉の「埼」の字みたいですね。

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で、ビャンビャン麵は最近東京都内でも食べられる店がちらほら出てきているそうなのですが、そして大江戸はああいう幅広麺は好きなのですが、まだお店で食べたことがありません。先日、映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』を観たら、ビャンビャン麺が出て来たので、ますます食べたくなった次第。 そこで、カルディコーヒーファームで売ってたのを買ってきて、自分で作ってみました。パッケージにもちゃんとあの漢字が載ってますね。

Dsc_0729_copy_1024x5762 ビャンビャン麵の乾麺は、幅2㎝ぐらい・占いで使う筮竹(ぜいちく)の太いやつって感じ。それを10分ほどゆでます。ゆで麺ははっぴいえんど(わかる人にはわかる)。

その一方で、塩コショウで味付けした挽き肉炒めと、ゆでホウレンソウを作っておきます。で、麺がゆで上がったら、どんぶりに入れて添付のピリ辛だれをかけて、具と混ぜ合わせるのです。

Dsc_0737_copy_1024x5763 うん、多少コシの残った幅広麺がピリッと辛くてうまいっすねー。これは良いです。小学生だと、この麺を舌みたいに口から出して遊ぶんでしょうね。大江戸もやってみました。さすがは永遠の小学生です。

問題なのはせっかく覚えた「ビャン」の字を書く機会がなかなかないことです。ビャンビャン麺のお店に行ったら、筆談で注文してみようかしらん。

 

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2022年6月 8日 (水)

「大河への道」:ゆるい&ぬるい    #大河への道 #伊能忠敬 #立川志の輔 #中井貴一 #松山ケンイチ #北川景子 #草刈正雄

1_20220608212301 映画『大河への道』は、松竹らしい時代劇コメディ。時代劇と言っても、現代劇パートもございます。全編を通していろいろゆるいんです。そのゆるさもまた松竹っぽさですかね。

県庁や市役所などの公務員の方が奮闘する日本映画って、なぜか結構ありますよね。これもそんな一本。立川志の輔の創作落語が原作なのだそうで、志の輔さんご本人も出演しています。で、中井貴一、松山ケンイチ、北川景子をはじめ多くの出演者が現代劇パートと時代劇パートの両方に出演してるって趣向です。でも、現代と過去の二つのキャラクターの間にあまり関連性がなくて、ある意味行き当たりばったりの設定。そこは弱い所です。

それ以外にも、ダイアローグの弱さ、平凡さとか、根本の発想以外は既視感ありありの展開とか、メリハリのつかない演出とか、どうにもこうにも映画としてゆるい&ぬるいのです。

役者に関しても、「おお、この人は凄い」ってレベルの人はおりません。中井貴一はいつもの中井貴一なのですが、松山ケンイチはミスキャストですよねー。チャラさが似合っていません。北川景子は、着物姿がよく似合っておりました(粋な縦縞とかね)。橋爪功さんだけは、いつもながらの余裕なのですけど…。

あ、でも草刈正雄さんのスペシャル感はさすがでした。彼の将軍役、いい味出してました。(以降ネタバレあり) 彼の登場場面で披露される日本全図のとてつもないい大きさ! いくら誇張と言ったって、畳何百畳分あるんですか! あそこまでの大広間は、さすがにあり得ません。「映画の嘘」にも限度があるってもんです。感動的な場面のはずなのに、あまりのことにちょっとのけぞっちゃいましたよ。

 

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2022年6月 7日 (火)

「夜を走る」:この逸脱をどう捉えるか    #夜を走る #佐向大 #足立智充 #古館寛治

1_20220607175601 映画『夜を走る』は、かなりの劇薬。前作『教誨師』で、問題意識の高いシリアスな個性を見せていた佐向大監督(「大 だい」は名前なんですけど、こう書くと「大監督」みたいですね)ですが、本作ではもっと自由自在にぶっこわれてくれてます。

主人公の顔が極めて平凡です。彼の周りの人々も平凡な顔立ちですが、彼(足立智充)が一番そこらの素人みたいな顔です。そんな平凡な男を使ったジャパニーズ・ノワールかと思わせといて、後半、っていうか残り1/3ぐらいで、思わぬ方向にぶっ飛んで行きます。その逸脱をどう捉えるか?ですね。

大江戸はちょっと当惑しました。あのまま普通にミステリーというかクライム・サスペンスとして完成させたら、相当なもんが出来上がったと思うのです。それほど、そこまでのリアルなミステリーとしての引き込み方と先が読めない展開は、上出来でした。これ、どういう結末をつけるんだろう?と思ってドキドキしていたら、・・・うーん、何かおかしなことになっちゃいましたね。

(以降少々ネタバレあり) 怪しげな新興宗教→女装→拳銃→ダンス…と、作品は迷走・暴走を続けます。もはやミステリーの結末なんて、置き去りになってしまいました。うーん、これはこれで個性の強い映画だし、こういう作品もあったっていいんですが…。それにしても、ねえ。大江戸は変な映画も好きですけど、今回の場合はウェルメイドにしていただいた方が良かったなあ。まあ、問題作には違いありません。

宇野祥平、松重豊ら脇を固める役者たちがとても良いのですが、3度ほどカーラジオから流れる気象情報を淡々と読み上げる声に聞き覚えが…。あれって、古館寛治さんの声ですよね(ノー・クレジットでしたが)。古館さんといえば、『教誨師』ではいつもと違う個性を見せて好演しておりましたが、そのご縁なんでしょうね。

それにしても埼玉県の人口の少ないエリアって、殺伐としてて不穏ですねえ(『ビジランテ』とか、そういう映画がたくさんあるような気がします)。

 

 

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2022年6月 6日 (月)

日本0-1ブラジル@新国立競技場    #サッカー日本代表 #日本対ブラジル #新国立競技場

キリンチャレンジカップの日本vs.ブラジル@新国立競技場は、日本代表が8年ぶりに国立競技場に戻って来た一戦。しかも相手がブラジルなんで、チケットは秒殺(とまでは行かずともあっという間でした)。行きたかったですね(シン・国立競技場には、先月WEリーグの試合で行きましたが…)。

Daihyou 終始結構な雨が降り続いた試合でした。数日前の韓国vs.ブラジルは1-5だったそうなので、「しっかり守る」という共通理解で臨んだのが功を奏しました。0-1という結果、しかも1点はPKってのは、「上々」とは言えないまでも「まずまず」ではないでしょうか。ワールドカップ本番を前に、最強レベルの国と77分まで0-0で、しかも(押し込まれた時間帯はあったものの)「防戦一方」ではなかったのですから、自分たちの現在地を確かめる上でも良かったのではないでしょうか。レベルの差は、もちろん大きかったですけどね。

でも、やっぱり遠藤航がピカイチでした。余裕でブラジルの選手たちに勝っていました。そんな彼がPKを与えてしまったのは皮肉ですが、あれはまあサッカーではあることです。 そして権田が目立った試合でした(まあ、シュート22本も打たれてるんだから、そりゃ目立ちます)。前回大会だって権田が守ってりゃ、ベルギー戦なんか(以下自粛)。

前の方の選手たちはやっぱり自分の持ち味を発揮させてもらえませんでしたね。三苫は健闘していましたが、伊東にしても古橋にしても前田にしてもスペースを与えてもらえませんでした。やっぱりブラジルのポジショニングが見事だったってことですよね。右SBで先発した長友が意外に健闘して、ヴィニシウスを押さえ切ったことにもびっくりです。日本も結構相手の長所を消していたと思います。

いずれにせよ(雨にもかかわらず)63,638人の入場者があったというのは、めでたいことです。森保ジャパンの代表戦って空席が目立ってましたし、コロナでそれがさらにひどくなってましたから。少しずつ「戻っていく」ためのステップ、しかも大きなステップが記されたということを、まずは祝いたいと思います。

 

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2022年6月 5日 (日)

「マイスモールランド」:多くの人に観てもらいたい    #マイスモールランド #クルド人 #川和田恵真 #嵐莉菜 #下北沢K2

Mysmallland 映画『マイスモールランド』は、埼玉県に住むクルド人少女とその一家を通して描く日本の闇。しばしば伝えられる出入国管理及び難民認定法(入管法)の非人道的な過酷さは、改善されるどころか近年にも改悪されかかったりしており、まったくどうなってるんだこの国は?と思わざるを得ません。何しろ2020年の難民認定率が0.5%なのだそうですから(↓)。その一方で、多国籍化していかないと生き残れないことが明白な国でもあるので、早期に改善していかねばならない問題なのです。

日本の難民認定はなぜ少ないか?-制度面の課題から | 認定NPO法人 難民支援協会 (refugee.or.jp)

そういった社会性の強いメッセージをエンタテインメントとして発信することの強さとポピュラリティが詰まった作品です。ドキュメンタリーとして発信するよりも、広く、そして身近な問題として伝わるものがあります。川和田恵真監督自身、日本とイギリスのミックスなのだそうで、これは「自分の物語」でもあったのでしょう。「この現実を一人でも多くの人に知ってもらいたい」「日本、これでいいの?」という強い気持ちを持って表現・発信していることが感じられます。観ていて、襟を正す気持ちになりますし、何とかこの現実を良い方向に動かしたいと思わざるを得ない映画なのです。できるだけ多くの人に観ていただきたいと、大江戸も思います。

主人公サーリャを演じる嵐莉菜の表情や佇まいを含めた演技が、感動的なほど素晴らしいです。言葉にしない微妙なニュアンスの表現。そして、ラストの瞳の輝き。 彼女の家族の役を演じるのが、実際の家族だということにも驚きました。Dsc_0740_copy_1024x5762

 

それはそうと、1月に下北沢の駅上にオープンしたミニシアター「K2」に、初めて行きました。小ぢんまりとしてなかなか良いシアターですね。Dsc_0741_copy_1024x5763

 

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2022年6月 4日 (土)

「東京2020オリンピック SIDE:A」:驚きと疑問だらけ    #東京2020オリンピック #映画東京オリンピック #SIDEA #河瀨直美 

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映画『東京2020オリンピック SIDE:A』が、ほとんど告知されないうちに昨日公開となっていました。1964年東京オリンピックの記録映画(市川崑監督)が1965年に公開された時は、当時の日本記録になるほどの(現在でも動員数では過去最高)大ヒットだったことを知っている大江戸としては、当然もっと大きな規模の公開で大ヒットが狙える作品だと思っていただけに、ここまで広告なしのひっそりした公開になるとは夢にも思いませんでした。新聞、テレビ、屋外広告、ネット広告などほとど見かけず、大江戸にしても映画館のチラシ(フライヤー)と2回ぐらい予告編見ただけでした。パブリシティを含め、ここまで露出が少ないことにびっくりです。公開2-3週前に河瀨直美監督が文春砲で攻撃されたので、宣伝しにくい状況にあったとはいえ、ここまで作品自体が無視されてるってのは、かなり異常だと思います。そりゃー1964年とは時代が違いますし、記録動画ならいくらでも見られますし、小中高生の団体動員などはできない時代ですけど、それにしても東宝さん、最初からやる気なかったんですか??

 

てな感じだったので、応援してあげようと二日目の土曜午後にシネコンに観に行ったら、さらにびっくり。小ぶりのスクリーンがあてがわれていて、それなのにガラガラ。うーん、みんなオリンピックの映画を観たくないのかあ。そうなのかあ。

で、作品を観てまたもびっくり。なんだこれ?? 「SIDE:A」「SIDE:B」に分かれていて、Aの方は競技寄り、アスリート寄りのはずだったのに、ほとんど競技が描かれておりません。前回東京大会での市川崑作品は、「記録か芸術か」論争を巻き起こしたわけですが、現代においてはもうそこはとっくに超えていて、競技の記録じゃなくていいことはわかっておりますが、それにしてもオリンピック映画なんだから…。 まあ、河瀨監督は競技には全然興味がなかったんでしょうね。人間ばかり描いてます。ただ、その人間の描写が面白くなくてねえ…。

市川崑作品は、(谷川俊太郎、和田夏十らによる脚本の力もあり)競技の記録にはなっていなくても、人間描写が実に面白く、見事でした。今回は、「女性アスリートと出産・育児」とか、特定のテーマに拘泥し過ぎていたような気がいたします。その割には映画的に面白く処理できていないし。

柔道や女子バスケットボールやソフトボールなどは時間をかけて描かれていましたし、スケートボードやサーフィンや合気道などもそこそこ。でも、終盤に1秒ずつの映像でだけ紹介された競技も結構ありましたし、サッカーやバレーボールやホッケーや七人制ラグビーや卓球などは、まったく登場しませんでした。それって極端すぎないですか? おまけに競技の映像の多くがシャープネスに欠けるし、「いい絵」が少ないのです。機材が発達したこの時代なのに、なぜなんでしょうか? 画角も極端なクロースアップが多過ぎて、見にくいほど「寄り」の絵ばかりになっていて、スポーツやアスリートを描いているとは言えません。競技にもアスリートにも興味がなかったんでしょうね。市川作品では、これまで観たことの無かった視点からの新たなスポーツ映像の発見も、素晴らしかったのですけどねえ…。

というわけで、正直がっかりしました。やっぱりこの監督の持ち味と、オリンピック記録映画とは合っていませんでしたねー。エンドロール後についていた『SIDE:B』の予告編がむしろ面白そうだったのが救いです。もしかして、この『SIDE:A』は『B』の壮大な予告編なんですかねえ。

(SIDE:Bはこちら ↓)

「東京2020オリンピック SIDE:B」:混迷と苦渋の記録    #東京2020オリンピック #映画東京オリンピック #SIDEB #河瀨直美: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

 

 

 

 

 

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2022年6月 3日 (金)

「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」:禁断のマルチバース    #ドクターストレンジ #マルチバースオブマッドネス #サムライミ #マーヴェル #マルチバース

2_20220603223901 映画『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』は、マーヴェル×サム・ライミという異色の取り合わせ。まあ、そもそもマーヴェル×ベネディクト・カンバーバッチってのもかなり異色なので、マイナス×マイナス=プラスみたいな効果があるかも知れませんね。

ドクター・ストレンジが主役の第1作『ドクター・ストレンジ』が2017年1月の日本公開なので、もう5年以上前のことですけど、『アベンジャーズ』シリーズなどででょこちょこ顔を見せているので、久々感はありません。どうでもいいけど、大江戸は「ドクター・ストレンジ」と聞くと、キューブリックの『博士の異常な愛情』(Dr. Strangelove)を思い出してしまうのであります。それでも、「ドクター・ストレンジ」と聞いて石橋蓮司を思い出すよりはいいと思います。

確かにサム・ライミっぽさはありましたね、特に後半。マーヴェルにしては血の量も多いし、ゾンビ的なものも出て来るし、あれとかこれとかも…。でも基本的にはマーヴェルの枠の中なので、その個性が成功してるかどうかは微妙なところです。世評は割と良いようですが、大江戸は面白いと思えませんでしたねー。けっこう眠かったというのが正直なところ。

そもそもマルチバースって何でもアリすぎて、正直「ついていけまへん」って感じ。この、同じようなことをグダグダ繰り返して収拾つかない感じって、最近どっかで味わったなーと思ったら…、そう、実写版『おそ松さん』がこんな感じなのでしたー! まいったね、どうも。

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2022年6月 2日 (木)

日本、パラグアイに4-1快勝    #サッカー日本代表 #日本対パラグアイ #長友じゃなくて伊藤洋輝 #日本代表がフロンターレだらけ

札幌で行われたキリン・チャレンジカップの日本vs.パラグアイをテレビ観戦。いつものワールドカップ・イヤーならそろそろ本番なのですが、今年のカタール大会は11-12月の開催なので、まだしばらく先ですね。

今日はさすがに森保監督もメンバーをいじって、いろいろテストしましたね。GKがシュミット・ダニエルだったのをはじめ、DFに伊藤洋輝、谷口、山根を入れ、前の方も鎌田、堂安、浅野、三苫を先発させました。国内組はシーズン真っ最中だし、海外組もシーズン終わったばかりで調子が良いのか、急増メンバーにしては序盤から良い連携、良い攻撃が機能していました。

で、終わってみれば4-1の快勝。浅野、鎌田、三苫、田中碧のシュートはそれぞれ見事なものでした。この試合、どの選手も素晴らしいパフォーマンスに見えました。でもこれって、「パラグアイが寝てたから」ですよね。ほとんどプレスかけてこないし、個人でゴリゴリ来ないし、ちっとも怖くなかったですもん。旅の疲れと時差ですかねえ? そうは言っても、堂安の頑張りとセンスだとか、鎌田のストライカーとしての才覚だとか、アオのえぐいミドルシュートとか浅野の(珍しく)気の利いたループシュートとかは、十分評価に値するものでした。シュミットも、むしろ権田よりもいいんじゃないの?(高身長系GKでも、やっぱり谷よりもうまいわ。)そして遠藤航の凄さは、今さら言うまでもありません。

そして伊藤洋輝の攻守にわたる(特に「攻」)素晴らしい働き! 「長友の代わりが見つかった!!」って感じでした。一方で、一失点は伊藤洋輝が「やっちまった」もの。明らかなミスですけど、次のブラジル戦でも使ってみてほしい逸材です。

後半の一時期、ピッチには谷口、山根、板倉、田中碧、三苫と元&現フロンターレが5人もいました! あとフロンターレ・サポからの情報によると、シュミットも強化指定選手でちょっとだけフロンターレにいたことがあったり、久保建英も川崎のアカデミー出身だったりするのだそうです。すげーな、やっぱり。

さあ、勢いつけて、6日のブラジル戦がますます楽しみですね。

 

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2022年6月 1日 (水)

「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」:主人公が甘ちゃん    #マイニューヨークダイアリー #マーガレットクアリー #シガニーウィーバー #サリンジャー

1_20220601230201映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』は、実話に基づく作品というか、ジョアンナ・ラコフの回想録『サリンジャーと過ごした日々』の映画化。本も映画も原題は“My Salinger Year”です。サリンジャー・マニアの大江戸としては当然読んでおりました。

出版業界版『プラダを着た悪魔』と言われてますが、まあそうですよね。アン・ハサウェイとメリル・ストリープが、マーガレット・クアリー(アンディー・マクダウェルの娘なんですってね。確かに似てます。)とシガニー・ウィーバーに置き替わったわけですね。でも、そうなるとあの二人ほどのインパクトはないし、二番煎じになった分不利ですよねえ。大江戸の評価としても、あの作品を超えていないことは明白です。

でもそれなりに健闘はしています。原作を上手に映画化したなあとも思います。でもこの主人公、最後まで結構ダメじゃん。どう成長したのかもはっきりしないし。そもそもあの状況になって、かなり長いことサリンジャー作品を読んでないってのが信じられません。仕事に誠実じゃないってことですよね(まあ、原作がそうだからしょうがないんですが)。甘ちゃんです。まるで『ちむどんどん』の主人公です。

シガニー・ウィーバーの方は、さすがの貫禄。素晴らしい芝居を見せております。でも、メリルが見事にやっちゃってますからねえ。そこの比較になると、辛いところです。

大江戸的には、職場の壁に飾ってあるサリンジャーの肖像写真や顔を隠して登場するジェリー(サリンジャー)の姿よりも、職場の棚にLittle Brown社版のサリンジャー作品がずらりと並んでる風景にぐっと来ましたね。

 

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