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2022年7月31日 (日)

「マルケータ・ラザロヴァー」:混沌の叙事詩    #マルケータラザロヴァー #チェコ映画 

1_20220730222001 映画『マルケータ・ラザロヴァー』は、1967年のチェコ映画が、55年の時を超えて日本で劇場初公開となったもの。166分モノクロの怪異な大作です。

いや、高尚にして猥雑、乱暴にして聖なる作品です。広告の惹句を引用すれば「チェコ映画史上最高傑作」なのだとか。でもねー、大江戸は正直言って全然ノれませんでした。もう序盤から物語をつかみ損ねたというか、何が何やらよくわからない。そもそも章ごとに表題のような、状況の大まかな説明のような字幕が入るのですが、それすらどういうことかわからない・・・ってことで、非常な無力感につつまれ、あとはただひらすら眠かったです。こういう感じ、久しぶりだなあ。

でも撮影は凄いですよ。やたらとよく動くカメラ。前景に草や木があったりして、対象をはっきり写さなかったり。とにかく構図や絵作りには凝ってます。特にラスト2-30分の見事な絵の連続には、感嘆しました。

そうは言っても根本的に、こういう東欧系の混沌とした叙事詩って苦手なんですよねー。時代が13世紀半ばってことで、登場人物が何か小動物を焼いたものを食べながら、「塩はないか?」と言ってる場面とか、沼か池のような所で捕れた生魚をもらって、丸かじりしてるとことか、うわー!まずそー!!って感じでした。現代に生まれて良かったです。

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2022年7月30日 (土)

「キャメラを止めるな!」:やはりオリジナルの勝ち    #キャメラを止めるな #カメラを止めるな #ミシェルアザナヴィシウス #竹原芳子

1_20220729234001 映画『キャメラを止めるな!』は、あの『カメラを止めるな!』のフランス盤リメイク。何がスゴイって、アカデミー作品賞『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督が撮ったってこと! あの低予算ワークショップ映画が、日本での大ヒットを経て、すんごい大出世です!

オリジナルは96分、こちらのリメイク版は112分と16分長くなってます。フランス版にするにあたって、改変した部分やつけ足した部分もあるのですが、オリジナルの疾走感に比べてちょっとスローだった印象もありますね。

ただ、原則的には原作(『カメ止め』)に忠実です。かなりリスペクトしている印象を受けました。観ていると、「ああ、あのシーンそのものだ」とか「こんな感じね、なるほど」とか、自然と両者を比較してしまいます。そこも楽しい所です。

ただ、あの安っぽさと熱気みたいなものまでは再現し切れずで、当然オリジナルに軍配が上がります。笑いも日本版の方が多かったし、後半の「裏側の種明かし」部分も日本版の方が鮮烈でした(もう話を知ってるからというハンディキャップを差し引いても。

いずれにせよ、今回も「どんぐり」改め竹原芳子さんが出演していて、場をさらいます。あの顔のインパクトは、万国に通じるものでしょうね。すげーな。次はハリウッド映画でお目にかかりたいものです。

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2022年7月29日 (金)

「X エックス」:A24にもハズレはある    #映画X #エックス #A24

X 映画『X エックス』は、典型的な’70年代B級ホラーの雰囲気を現代に再現した作品。あの「A24」作品だってことで、期待は大きかったのですが、うーん、そこまでは届きませんでしたねえ。

特に怖くもなければ、新規な部分も少なく(むしろ既視感のあるルーティーンの積み重ねでできてます)、笑えるわけでもないという、なんかじれったい作品。ゴア描写が突出しているとかでもないし、いったい何をしたかったのか?ってぐらいの半端さでした。A24的な現代感覚や新しさもなかったし。

(以降完全ネタバレあり) 老夫婦が(厳密には、認知症のばーさんが)ヤバイ殺人鬼だって展開も、シャマランの『ヴィジット』を連想させたりしますし、そもそも老夫婦がらみの件りは特に面白いわけでもないし…。と言うより、むしろかなり不快な感じです。老人を単に醜くバケモノ的にとらえていて、リスペクトは皆無。なんだかなあ、です。

あと主演女優(ミア・ゴス)が一人二役で老婆の役もやっているのですが、観てる間はまったく気づきませんでした。後から知って驚いたものの、それが特段何かの意味を持ってるわけでもないので、「だから何?」って感じ。まさか「今は若い人でも、年がたてば老いる」とでも言いたかったわけでもありますまいに(そういう撮り方はしていないと思います)。

唯一「おっ!」と感心したのが、沼で女性の背後からワニが忍び寄る状況を真俯瞰でとらえたショット。あれはこれまで観たことなかったし、サスペンスフルで良かったなあ。

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2022年7月28日 (木)

「モヤさまドイヒー展」 in 池袋    #モヤさまドイヒー展 #モヤさま #モヤモヤさまぁ~ず #さまぁ~ず #大江狩野福田田中 

Dsc_0901_copy_853x600 池袋のミクサライブで『モヤさまドイヒー展』(~7/31)を観ました(この建物って、元の池袋シネマサンシャインだった所です!)。番組内で開催告知を見てから、『モヤさま』ファンの大江戸としては「行かねばならぬ」と思い続けておりました。

Dsc_0902_copy_600x897ポスターには「世界一ドイヒーな展覧会」というキャッチフレーズが! うん、らしいですね。

Dsc_0927_copy_600x760 テレビ東京の『モヤモヤさまぁ~ず2』(最初っから「2」がついているのです)がレギュラー放送開始から15周年となったことを記念しての開催だそうです。あ、これ入場時にくれたステッカーです。さまぁ~ずの二人と、1~4代アシスタント(大江、狩野、福田、田中)の絵が、似てます&キュートです。

Dsc_0904_copy_1034x598 深夜枠時代からいろんな時間帯に引っ越しながら15年も続いてきた番組です。会場内には撮影禁止の年表もあって、それを読んでると、「ああ、そんなこともあった」「あれはケッサクだった」と数々の名・珍場面が思い出されました。

Dsc_0903_copy_937x600 DVDももう38巻!まで出てるんですね。びっくりです。しかも、それでまだ狩野時代だという…(笑)。

伊藤Pによる番組誕生時の企画書も貼ってありましたが。あまりのテキトーさに唖然。よくこれで通ったな。さすがテレ東さんです。

Dsc_0906_copy_952x600ハワイ関連のTシャツとヌシカンさんのスカジャン。

Dsc_0907_copy_826x600 壁面の落書きは、さまぁ~ずと田中アナが来店した時のものですね。「この中すずしいね」(大竹)「そうですね!上着があると安心です。」(田中)「ここで教えてもらってもおせーよ!! さみーよ!!・・・」(三村)などと絶妙の掛け合いになっておりました。似顔絵も似てます。

Dsc_0908_copy_600x1034 てなわけで、ハワイのノースショア・ソープファクトリーのコーナーも。これは実際にお店にしつらえたモヤさまコーナーをそのまま持ってきたようですね。今は日本人観光客もほとんどいないから、オッケーなのでしょう。

Dsc_0909_copy_600x859 その中には黄金の大江アナの足型もありました! お宝ですねえ。

お宝といえば、会場の片隅に仕切られた「秘宝」コーナーもあって、その内容は・・・確かに秘宝でした。お子様は入らない方が良いと思います。

Dsc_0905_copy_844x600 そして、こちらの壁面は、殿堂ですね。15組のモヤさまレジェンドたち! 井戸おやじやタップおばさんや亀ボーイやブラジルの方など、番組の歴史に名を刻む変わった方々が勢ぞろい。いやー、壮観。どの回も楽しかったよねえ。

Dsc_0911_copy_765x600 そして実演コーナーには、あの「取れ高サイコロ」が!

Dsc_0910_copy_732x600 さらに、狩野、福田、田中のコスプレパネル。

大型スクリーンには名(迷?)場面が映ってたり、狩野作詞作曲の変な歌が流れてたり。このほかの展示品も、一つ一つ楽しゅうございました。

Dsc_0913_copy_554x1034 出口のあたりには、あの千円自販機が設置されていて、千円札を入れている人もいました。大江戸は、渋谷のユーロスペース前とかいろんな所でこの自販機にはお目にかかっているので、まあいいや。

はい、そんなわけで、ディープな『モヤさま』ファンなら楽しめること間違いなし、そうでない人には「???」な展覧会なのでありました。

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2022年7月27日 (水)

サッカーE-1選手権、男子も優勝!    #サッカー日本代表 #日本対韓国 #イーワン選手権 #町野脩斗 #谷晃生 #ベルマーレ

サッカーE-1選手権、昨日の女子に続いて男子も優勝しました(女子はまだ初戦しか録画をみていないので、後日書きます)。韓国に3-0の勝利! ダブル優勝は史上初だそうです。いや、めでたい。

第2戦=中国戦は真夏の短期集中開催による疲労を防ぐためにメンバーのターンオーバーをしたので(その結果ふがいない引き分けでしたが)、それが効いた気もします。まあ中国戦は森保最後のサンフレッチェ大感謝祭だったので、(A代表という)良い思い出が作れた選手たちも多かったことでしょう。

今日の韓国は妙に覇気が感じられず、ポルトガル人監督の目指す方向性と韓国人選手の適性がマッチしていないような印象を受けました。ただ、前半は両チームとも堅い試合で、0-0。後半に口火を切ったのは、やはり一番乗ってる(大会MVPと言えるでしょう)相馬勇紀でした。角度のない所に飛び込んで、よく決めました。2点目も相馬のCKから佐々木翔の頭でした。

そして3点目は、マリノス組が崩して最後に湘南の町野脩斗がきっちり押し込みました。町野は相馬と並んで3得点! 大会直前のインタビューで「3点取るのが目標」と言っていたのを、見事に有言実行しちゃいました。しかも、得点のみならず、周りを生かす落としやボールキープなどのポストプレーや前線からの守備もしっかり行っていて、ちゃんと期待に応えていました。これ、大迫の調子が上がらなかったら、いや上がっても(3人増えた)26人に割って入れるんじゃないでしょうか? 背丈のあるポストプレイヤー&ストライカーって、他にはいないわけですから。すげーな、マチ。得点の後に、水沼たち数人が町野と一緒に忍者ポーズをやってくれたのも、嬉しい場面でした。

そして今日がA代表デビューの谷晃生(湘南)もほとんど見せ場の無い試合でしたが、後半に一発ファインセーブがありました! あれで印象良くなりましたよねー、ゼロに抑えたわけですし。権田、シュミットに次ぐ第3GKは谷でいいんじゃないでしょうか(てか、もう川島やめましょうよ。将来の事を含めて)。

あとのベルマーレ関係者では、杉岡は出番なし。彼は1,2戦目ともに、不完全燃焼だったような気がします。残念。 そして元ベルマーレの山根視来が(多分コロナ陽性で)ベンチ入りしませんでした。本来なら彼もここで、カタール行きを確定させる試合だったはずなのですが…。でも右SBに酒井宏樹+1名は必要なので、当確ではありましょう。

相馬と並ぶほどのインパクト(あのスピード!)を残していた宮市亮ですが、脚を故障して途中交代。これも残念無念でした。大丈夫なのでしょうか?  それはそうと、相馬勇紀って練習生として短期間ベルマーレにいたことがあったんですってね。ビックリです。スゴイぞ、湘南!

 

 

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2022年7月26日 (火)

「スルメが丘は花の匂い」@紀伊國屋サザンシアター    #スルメが丘は花の匂い #吉岡里帆 #岩崎う大 

Dsc_0924_copy_768x1119 新宿の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで、吉岡里帆の初主演舞台『スルメが丘は花の匂い』を鑑賞。前から11列目の真ん中へん。吉岡座長を近くで拝めました。

吉岡さんはもともと結構好きなのですが、本作の場合は急に「この作品を観るのだぞよ」という天啓が降りて来て、チケットを買った次第。大江戸の場合は昔からたまにあるんです、こういう天啓が(それでCDを買ったとかコンサートに行ったとかね)。で、天啓の結果はいつも「アタリ」でして…、今回もアタリでした。面白い芝居でした。

Dsc_0919_copy_897x768 お笑い芸人から演劇に移って活躍中という岩崎う大さんの脚本・演出がコメディーのツボを押さえていて、かなり笑わせてくれます。この人、映画かドラマでコメディーやったら、かなり良いものを作りそうな気がしました。

1時間42分ほどで休憩なしのコンパクトな芝居ですが、ダレ場はなく、出ずっぱりの吉岡さんをはじめ、役者たちも適材適所に良いコンビネーションでした。吉岡里帆をこれまで映画やドラマで観て来てわかったのですが、彼女の演技は作品全体を把握した中できっちり計算してバランスを取る、非常に職人的な芝居なのです。本作もそうでした。破綻はありません。ただそこに限界もあるような気がしておりまして、そこをもっと突き抜けるポイントがあれば、さらに魅力的になるのになあと感じました。

「スルメが丘」だし、イカをたくさん干してるし、劇中でも「くさい、くさい」と言われているのですが、客席には終始とても良い香りが漂っていました。演出の一環だと思われますが、あれが「花の匂い」なのでしょうか? でもそれって、吉岡さんのあのCMですよね(笑)。 何にしても客席がイカ臭くなくて、ありがたかったです(「くさい、くさい」言ってる台詞とのギャップ効果もあったような無かったような…)。で、帰りに電車に乗っていたら、微かに良い香りが・・・「おお!これって…」と気づいてびっくりしました。服だか髪だかに焚きしめられていたのですね。Wow!です。

 

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2022年7月25日 (月)

「ボイリング・ポイント 沸騰」:スリルと生々しさ! しかし・・・    #ボイリングポイント #ボイリングポイント沸騰 #全編ワンカット長回しの映画

1_20220725224801 映画『ボイリング・ポイント 沸騰』は、94分の作品の全編(実際はエンドロールを除くわけだから、90分程度か)が1カット長回しだという、近年は何年に1本かあるタイプの作品--『エルミタージュ幻影』とか『ヴィクトリア』とかね(CG処理でノーカットに見せている作品も含めると、もっとありますね。『バードマン』とか『1917』とか)。

当然役者たちがえれー大変だったと思うわけですが、皆さんお見事です。シェフはシェフらしく、スーシェフはスーシェフらしく、フロアマネージャーはフロアマネージャーらしく…、きっちり「仕事」ができています。特に料理を作る役柄の人たちは、実際に鮮やかな手つきで作ったり、盛りつけたりしながら演技しているわけなので、どんだけ練習したんだろうなあと感心しました。

そして映画はスピーディーに、多くの情報をさばきながら、時間と共にぐんぐん前進して行きます。そこらへんのスリルと生々しさが抜群です。まさに目が離せない感じ。そして圧倒的にリアルな感じ。いやー、面白い。

(以降完全にネタバレあり) ところが、終盤に至るやかなり重くシリアスな展開になり、予想だにしなかったラストを迎えるのです。途中まではもっと感動的な、あるいは爽快なラストをぼんやりと予想していただけに、これはちょっと衝撃でした。うーん、こんな暗い気分で劇場を出ることになろうとは! 人生ってこわいですね、90分の間に全く違う地点に移ってしまうんですから。90分あれば全てを失うことができるというか…。だからこそ、この長回しがさらに効くのです。

難を言えば、料理のルックスもスタッフのサービスもレストランの内装も、そこまで素晴らしいものには見えなかったなあ…。 あと、これ舞台でやったらかなり良いんじゃないでしょうかねえ。

 

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2022年7月24日 (日)

「ソー ラブ&サンダー」:愛とカミナリって…    #映画ソー #ソーラブアンドサンダー #マイティソー #ソーは雷神様

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映画『ソー ラブ&サンダー』は、MCU(マーヴェル・シネマティック・ユニヴァース)のマイティ・ソーがらみの1本。タイトルすごいです。LOVE & THUNDER、…愛とカミナリです。まあ、そもそも神様にヒーローとしてのバトルをやらせることからしてスゴいシリーズなのですが(それにしても、ソーって「雷神様」だったのね)。

本作でのソーは、いつもの大黒様の打ち出の小槌みたいなものではなく(それはナタリー・ポートマンに取られちゃってます)、大体の時間は金太郎のマサカリみたいなものを持っております。いずれにしても、そんなにカッコイイ武器ではありません。ゼウスの持ってる稲妻型の金の武器の方が、断然カッコイイのです。

そういえばこの映画、意外と豪華キャスト集結でして--ナタリー・ポートマンにクリスチャン・ベールにラッセル・クロウ。テッサ・トンプソンも結構色々出ているスターですし、タイカ・ワイティティ監督自身も出演しております。なんか、ソー役のクリス・ヘムスワースが一番の小物なんじゃないの?と思ってしまうほどです。

まあ、でもアクションにしても笑いにしても物語にしても、みんなそこそこ。ですから、他のマーヴェルものみたいに延々と時間をかけないで、2時間を1分切る119分にまとめてくれたってのが一番の美点だと感じました。でもまた続編があるようなエンディングでした。いつまでも続きますねえ。

(以降ネタバレあり) それはそうと、やっぱり神様でもガンには勝てないんですねえ…。

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2022年7月23日 (土)

「エルヴィス」:バズ・ラーマンらしさの抑制    #エルヴィス #エルヴィスプレスリー #バズラーマン #オースティンバトラー #トムハンクス

1_20220722140101『エルヴィス』は、バズ・ラーマンによる「キング」エルヴィスの伝記映画。ずっしりと腹に来る2時間39分。ヘヴィーです。でも面白かったというか、見応えありました。

ゴージャスに彩った画面ではありますが、それでもいつものラーマンの派手さやケレンには至っておりません。そこがラーマン・ファンの大江戸には物足りなくもあったのですが、考え直してみればこれで正解ですね。だって、あくまでも主役であるエルヴィスを、彼のスーパースターぶりを目立たせることが最大の目的なのですから、画面のギミックばかりが目立ってもしょうがないのです。むしろ画面は抑制することによって、エルヴィスの輝きを最大値にすることが正解なのです。

エルヴィス役のオースティン・バトラーは健闘しています。エルヴィス・プレスリーにはそんなに似ていないのですが、髪型とメイク、そして発声やアクションでかなり近づけてます。ステージアクションは見事にエルヴィスっぽいし、顔の骨格は細すぎるのですが横顔が似ていますね。 一番最後だけ、実際のエルヴィスの映像がちょこっと使われていました。

本作に厚みをもたらしたのは、何と言ってもパーカー大尉=トム・ハンクスの存在。見てくれも性格も実に憎々しいヴィランとして、トムが油ギッシュに演じ切ります。近くにいてもらいたくない人です。トム・ハンクス史上最悪の役柄なのではないでしょうか?

’70年代の雰囲気を出すためにスプリット・スクリーンを使ったり、'50~'70年代への時代の変化を服装や髪型などで完璧に見せていくあたりが、さすがです。金かかってます。そこでどす黒い伝説が語られていく本作。本編内ではしゃぎ切れなかった分の仕返し(?)として、バズ・ラーマンはエンドロールの左右両側を絢爛キラキラな図像で彩りました。わははと笑っちゃうゴージャス感であります。

 

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2022年7月22日 (金)

「特撮のDNA 東京タワーSOS」@東京タワー    #特撮のDNA #東京タワーSOS #ゴジラ #モスラ #メカゴジラ #東京タワー

Dsc_0906_copy_576x814 金曜は夜9時までやっていると言うので、仕事帰りに行きましたー展覧会『特撮のDNA 東京タワーSOS[ゴジラ・モスラ・東宝特撮 編]』(~8/7)。

Dsc_0895_copy_1024x576 東京タワーも真下からの仰角で見ると、『エヴァンゲリオン』的ですね。

Dsc_0893_copy_669x600 東京タワー地階のタワーホールが会場。18時半ごろ着いたのですが、空いてました。入口では本展のうちわをプレゼントしてくれました。 ←これ、伏線

Dsc_0896_copy_1024x576 この『特撮のDNA』という展覧会は、過去にも蒲田の日本工学院専門学校などで開催され、ゴジラやらガメラやらに関係した展示品の数々に感心したり興奮したりしたものです。

 

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今回もまずはゴジラから始まり…

Dsc_0900_copy_1024x1024 メカゴジラ、キングギドラ、モゲラ、バラン、バラゴンなどなどが少しずつ紹介されます。

Dsc_0898_copy_576x1001 ミニラもいました。けっこう中途半端にデカかったです(普通のオトナ男性ぐらいの背丈)。ミニラって、古くは三波伸介、そして峯岸みなみや山下リオを経て、近年では上白石萌音などに似てますよね。まあ、チビ太に一番似てるんだけど。

Dsc_0901_copy_1024x576 展示品(着ぐるみや模型や映画の小道具など)の多くは、数年前の蒲田での展覧会で見たことのあるものでした。

まあ、それはそれでいいんですけど、肝腎な「東京タワーSOS」ってことに関しては、申し訳程度にパネル展示があるだけで、なんか肩すかしでした。そこをもっと大きくフィーチャーしないと、この会場でこのタイトルでやっている意味がないのでは??

Dsc_0903_copy_870x576 これがメインのジオラマ。『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の「機龍(メカゴジラ)」です。バックの東京タワーは写真パネルです。でも、ここは東京タワーの模型作らないとダメなんじゃないの?

で、驚くべきことにそのすぐ先が「出口」! 「えっ??」と思ってしまいましたね。入口から16分ぐらいで見終わってしまったのです。この展覧会、当日券は大人1,700円(ペア券だと一人当たり1,600円)なので、1分100円以上。うーん、なかなかないですねえ、そういう価格設定。

Dsc_0904_copy_576x964 だって、蒲田の時は同じぐらいの料金で、記憶によれば、この3倍ぐらいの展示品、展示スペースでしたよ。小一時間は楽しめましたよ。いくらインフレとはいえ、これはないんじゃないでしょうか。

出口の外には物販コーナーがありましたが、新宿のゴジラストアで売ってる物にプラスアルファしたような感じ。会場は最後まで空いていて、人がまばら。寂しい空気が流れておりました。

Dsc_0902_copy_798x576 ああ、そうか。あのうちわが600円ぐらいするんじゃね?それ込みの料金なんじゃね?…とでも考えないと、やってられないのでありました。

 

それにしても、このポスター凄いですね。モスラはゴジラ食っちゃってるし、ゴジラは弱そうな顔で叫んでるし、左隅にバャリースが描かれているし(しかも炎の中に)。なかなかのカオスです。

 

この展覧会、8/11からは『特撮のDNA 平成ガメラ3部作 展 東京タワーにギャオス飛来!』と題した第2部が始まるのです。ガメラ好きの大江戸はむしろそっちの方を楽しみにしていたのですが、ほとんど行く気が失せてしまいました。困ったもんであります。

 

 

 

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2022年7月21日 (木)

「ビリーバーズ」:カルトとエロスと人間    #ビリーバーズ #城定秀夫 #山本直樹 #磯村勇斗 #北村優衣 #宇野祥平 

1_20220721140101 映画『ビリーバーズ』は、いま絶好調の城定秀夫監督×山本直樹原作のカルト教団もの。ちょくちょく映画に出て来るカルト教団ですが、そのヤバイ雰囲気をこれほどきっちりじっくり描いた映画は初めてなのではないでしょうか? とても寓話的に描いているわけですが。

無人島ということで、ほとんどメインキャスト3人だけの時間が長く、そういったわけで製作費的には抑えられていると思います。ただ、その中にじりじりひりひりするドラマが生成されるのです。原作マンガの力も大きいのでしょうが、磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平の掛け合わせがとてもうまくいってます。そし前半の不穏な「タメ」から、後半の暴走への転調が効いています。人間の本質に迫っていくような…。

後半のエロスの暴発と非常にセンシュアルな描写は、さすがに山本直樹×ピンク出身の城定秀夫の面目躍如。まあ、笑えもしますが。北村優衣も磯村勇斗もがんばりました。

先ごろ公開された『夜を走る』では新興宗教(カルト?)の教祖を演じていた宇野祥平が、ここではカルト教団の駒として、また違った表情を見せております。

そして山本直樹氏がなんと教祖の「先生」として出演! 白スーツで、台詞はそう多くはなかったけど、悪くなかったと思いますよ。

 

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2022年7月20日 (水)

「バズ・ライトイヤー」:序盤は良かったけれど…    #バズライトイヤー #トイストーリー #スターマン

1_20220720225701  映画『バズ・ライトイヤー』は、『トイ・ストーリー』のバズを主人公にしたスピンオフ…という言い方だけではちょっと違います。おもちゃのバズはこの映画の主人公をもとに製品化したもの、というその元になった映画がコレという少々複雑な設定でして…。だからバズの顔が違います。ってゆーか、マンガと劇画の違いみたいな差異があるのです。

オープニングの快調なアクションから、本格SF的な「浦島効果」を繰り返しながら…というあたりまでは、素晴らしいのです。特に自分はほとんど年を取らない間に、縁のある人たちがどんどん年を重ねてその人生を終えてしまうあたりのコンパクトな描写が圧巻です。しかもディズニー/ピクサー史上画期的なことに、女性が女性と結婚して子供を設けます(人工授精なのでしょう)。またバズもごく自然なこととして、それを受け止めています。

しかしその後がちょっとややこしく、いまいち面白くなくで続いていきます。だから最終的には残念感が漂う出来となってしまいました。猫型ロボット「ソックス」(青くはありません)はまあまあですが、それ以外のキャラクターがちょっと魅力薄だってこともありますよね。

そして、劇場でかかっていた予告編にはボウイの『スターマン』が実に魅力的にかかっていたのに、本編では一切流れませんでした。これは残念ですね。でも『スターマン』は、リドリー・スコットの『オデッセイ』で見事に使っちゃってますから。同じ宇宙飛行士ものってことで、遠慮した部分もあるのでしょう。

(以降ネタバレあり) エンドロール終了後、最後の最後に「続編あり」を示唆する場面が出て来ました。果たして・・・?

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2022年7月19日 (火)

E-1選手権、町野のデビューと2得点!!    #サッカー日本代表 #日本対香港 #E1選手権 #湘南ベルマーレ #町野修斗

サッカーE-1選手権が男女とも始まりました。今回の出場は日本、韓国、中国プラス女子がチャイニーズ・タイペイ(台湾)、男子が香港です。中国が開催地だったのですが、コロナの影響で日本開催となりました。

女子は録画をしてまだ見てません。男子はフジテレビでライブで見ました。今回は国内組、しかも新戦力発掘のラストチャンスってことで、湘南ベルマーレから町野修斗、杉岡大暉、谷晃生が代表選出! 今日の試合にはGK谷は出ませんでしたが、3試合の中で3人のGKを一試合ずつ試すってことなんでしょうね。となると、谷は韓国戦かな。

で、町野と杉岡は先発。国歌の場面で、この二人と元ベルマーレの山根(川崎)が3人並んでるカットがあり、いやー、感無量でした。それはそうと(広島が日曜の試合から中1日ってことで)先発は神奈川3チーム(横浜、川崎、湘南)からほとんどが出ておりまして、それ以外はGK鈴木ザイオン(浦和)と相馬勇紀(名古屋)だけでした。びっくりですね。

ま、出場国(地域)の中で一番格下の香港相手ということで、緊張感のない大味な試合でした。それにしても、相馬、西村、町野が2点ずつ取っての6-0勝利ってのは、なかなか結構でした。1点目は山根のクロス→町野だったってのも、サイコーでした。小生としては、町野が初キャップで(頭と足で)2得点と結果を残したことに感動。ほとんど親心です、はい。でも、得点以外にもポストプレイで時間を作ったり、上手な落としを見せたり、いい位置でファウルをもらったり、前線からの積極的な守りを行ったりと、ワントップに必要なことは全部やってました。どうです、もう大迫より町野なんじゃないでしょうか? まあ、フル出場したので次の中国戦は休んで、韓国戦にちゃんと活躍できるかどうかってところでしょうね。

終盤には鳥栖の岩崎も投入されましたが、彼もベルマーレに1シーズンおりました。いやー、ベルマーレ関係者が多い大会で嬉しい限りですし、良い選手を育てていることの証ですよね。願わくは、田中聡も選ばれてほしかったけど、彼には遠からずチャンスが来るでしょうから、刮目して待て!であります。

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2022年7月18日 (月)

(番外編)4年ぶりの湘南海ラン    #湘南海ラン #茅ヶ崎サザンビーチ #石田屋 #ジュラシックワールド #エボシ岩 #カツオノエボシ

Dsc_0872_copy_984x576 2019年は諸般の事情により中止でした。2020年と21年はコロナで行動制限がかかってましたし、海の家がやってませんでした。てわけで、4年ぶりの湘南海ランとなりました(オリンピックかワールドカップか?!)。ちなみにちょうど「海の日」でもありました。あ、海ランといううイベントが開催されるのではなく、仲間で集まって走ったり海で遊んだりしてるだけです。

Dsc_0867_copy_1006x576 茅ヶ崎サザンビーチの海の家「石田屋」さんは、変わらず営業中でした。我々海ラン仲間は毎回ここんちを利用しております。非常にトラッドな海の家でございます。建物中央部を見上げると、大黒柱周辺の木材の寄せ方など、なかなか味わい深いものがありました。

Dsc_0885_copy_1024x571 あ、ちなみに当ブログではタイトルにも「東京」と入ってるもんですから、東京以外のアクティビティは原則「番外編」ということにしております。ただ、サッカー観戦で平塚はじめ東京都以外に行く場合は「治外法権」が適用されるので、特に番外とはなりません。いいんです。そういうルールなのです。

Dsc_0871_copy_1101x680 ランニングウェアに着替えて、スタート。おお、西の空にはうっすらと富士山のシルエットが浮かび上がっておりました。

Dsc_0873_copy_576x804 走ってると道の所々にこんなのが出て来ます。車とかバイクとかに走られないように置いてあるのでしょうが、ご当地のエボシ岩の形です。でも角度によってはオウムさんとかメトロン星人の頭部に見えます。

Dsc_0879_copy_1024x576 今日は曇り空の時間帯が多く、海風も気持ちよく吹いていたので、割と楽にゆっくり走れました。茅ヶ崎から江の島水族館を越えたあたりまでの往復=たぶん15-16kmを2時間22分で走りました。

Dsc_0881_copy_1024x576 4年ぶりでもあれやこれや、コースのディテールを覚えているものですね。

Dsc_0882_copy_1024x498 ビーチにもまずまずの人出。今年はコロナ時代で(パーソナルスペースを確保ってことで)ビーチパラソルよりもテントが主流なのです。

 

Dsc_0874_copy_920x576 こんなサンドアートもありました。映画『ジュラシック・ワールド』新作公開の宣伝用なのでしょう。7月15日から8月14日まで1か月も展示してあるようですよ。

Dsc_0875_copy_871x576 特殊な砂を専用の糊で固めてあるのだそうです。豪雨や防風でも形が崩れないんでしょうねえ。びっくりです。

 

Dsc_0883_copy_917x576 帰り道は結構晴れたし、さすがに疲れましたが何とか戻って来て、シャワーを浴びて水着に着替えたら、みんなで(ちなみにいつも4名で行ってます)冷えたビール!! いや、ホントうまかった! シャイコーでした!

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ジョッキにはエボシ岩のシルエットが入ってます(サメのヒレだとかエイではありません)。ジョッキの右奥の海上に点のように小さく写っているのがエボシ岩なのですが、見えるかなあ。見えねえだろうなあ。

Dsc_0870_copy_848x576 じゃあ、もう少し大きいのをどうぞ。はい、オッケーですね。

 

Dsc_0886_copy_926x576 でも好事魔多し。水が抜けて疲弊した体に立て続けにビール2杯と枝豆、ポテト、唐揚げ、カレーライスとブチ込んだら・・・気持ち悪くなってしまいましたー。しばらく砂浜に寝ておりまして、最終的には吐いたのですが、それで復活した次第。いやー、どうも普段ロクに練習せずに長い距離を走るのは、いくらゆっくりでも体や内臓に相当負担がかかるものなのですね。次回以降があるとしたら、途中で切り上げなきゃです。勇気ある撤退です。

Dsc_0869_copy_806x576 そういえば、しばらく前にニュースになっておりましたね。このあたりに猛毒を持つカツオノエボシが多数出現したという話。今日のビーチにはまったくいなかったみたいです。そもそも大江戸はダウンしてしまったので、帰りがけに一度、1分だけ海に入って波と戯れただけでありましたけどね。てへっ。

 

 

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2022年7月17日 (日)

「破戒」:小中学生に観てもらいたい    #破戒 #映画破戒 #間宮祥太朗 #矢本悠馬

1_20220717222801 映画『破戒』は、島崎藤村の名作(初出=明治39年)を、1962年の市川崑監督作品以来60年ぶりに映画化したそうです。悪い出来じゃないけれど、少々物足りなさを感じなくもありません。

真面目に、端正に、画面作りをしていきます。衣装や美術も、ロケーションや撮影もしっかりしていて、ケチをつけるパートはありません。でもなんか普通過ぎて、通俗過ぎて、映画として突き抜ける魅力が足りないなあと感じました。でも用語の問題とかでテレビドラマとしては作れないのでしょうから、制作の意義はあると言えましょう。むしろ小中学校の人々にはできるだけ観せたい作品です(いや、高校生、大学生にだって)。今は学校単位の映画鑑賞会なんてないんでしょうけど、何らかの形で届いてほしいですね(どうせ原作を読む人は、極めて少数なんでしょうから)。そしていろんな形の差別やいじめの問題に関して、話し合ったり考えたりするきっかけになってくれるといいなと思います。

終盤のカミングアウト場面以降は、子供たちや志保さんのからませ方などが非常に通俗的になっています。原作は大昔に読んだきりですが、こんな感じじゃなかったですよね。もっと厳しかった。でも、大衆に訴える映画として、こういう作りにした判断もよくわかります。個人的にはちょっと甘口だなあと思っておりますが…。

主人公・丑松を演じた間宮祥太朗は、そのクラシカルなイケメン顔が似合っておりました。石井杏奈の志保は、なんかちょっと違うんじゃないかなあ。もっとはかなげな感じが欲しい気がします。そして、矢本悠馬は矢本悠馬史上最も「いい役」(男気を感じさせて、終盤にカッコイイ見せ場のある役)だったのではないでしょうかね?

子供たちの顔が汗や泥で汚れているのが、実にリアルで結構でした。

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2022年7月16日 (土)

「峠 最後のサムライ」:地味で渋くて…    #映画峠 #峠最後のサムライ #役所広司 #小泉堯史

1_20220716215501 映画『峠 最後のサムライ』は、もともとの公開予定が2020年9月。コロナで3度の公開日延期となり、ようやくこの6月17日に公開されました。『007』『トップガン』と並んで(いや、それ以上に)「長い間お待たせしました」の作品となりました。

うーん、かなり渋い作品です。予告編だと、もっとエンタテインメント性がありそうなのですが、非常にマジメで、アクションやスペクタクルは最低限あるって感じ。実に小泉堯史監督らしい作品です。マジメすぎるのが難点と思わせるあたりも、まさに小泉作品。

ただ問題なのは、展開や状況説明を台詞に頼りすぎていること。映画の絵として見せていくことが、結構少なかったと思います。まあ、継之助も周囲の人たち確かにいい事言ってるんで、言葉を重視したいという思いはわかりますけどね。 そして、シーンをじっくり長めにとっていて、そこがいささかスロー過ぎる気もしました。「あえて、ゆったりたっぷりと撮ったんだよ」と言われてしまえば、「その通りですね」と言うしかありませんが…。

主役の河合継之助を演じる役所広司さんは、またしても見事。現代ではこの役、役所さん以外のキャスティングは想像できません。その他の面々も、手堅くしっかりした芝居です。 吉岡秀隆が悪役なのでびっくり。やさしさを出さぬよう、相当がんばってました。

予算の問題なのか、監督の好みなのか、戦闘場面が地味で、あまり「見どころ(スペクタクル)」とはなっておりません。そして、終幕も地味。「え?これで終わりですかい?」って感じでした。渋いなあ。

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2022年7月15日 (金)

セブン&アイのチルド・カフェラテ・シリーズ    #カフェラテ #チルドカフェラテ #セブンのチルドカフェラテ

Dsc_0809_copy_668x9412 セブンイレブンの(正確には「セブン&アイ プレミアム」の)チルドカフェラテ・シリーズが、なかなかいい線行ってます。

 

まずは『カフェラテ レギュラー』。はい、王道のカフェラテですね。適度な甘みもついてます。大江戸はチルドタイプのカフェラテでは、『マウウントレーニア カフェラッテ』に全幅の信頼を置いているのですが、こちらもなかなかおいしいのです。

 

Dsc_0845_copy_600x788 続いて、『ミルクたっぷり』。通常のカフェラテより牛乳を多く使ってるのですね。当然、より「コーヒー牛乳感」が出ております。でも大江戸はコーヒーのうまさも楽しめる「レギュラー」の方が好きですねえ。

 

Dsc_0835_copy_566x801 で、逆にミルク少な目&コーヒー濃いめにしたのがこちら。『エスプレッソビター』です。まあ、こういうのを飲みたい時にはどうぞって感じなんですけど、大江戸はあんまり好きじゃありませんねー。やはりコーヒー感(コクや苦み)とミルクのまろやかさのバランスが良くて互いを生かし合ってる「レギュラー」が好きなのです。

 

Dsc_0820_copy_600x801 でも時として(こってりとかガッツリとかの食事をした後)甘さなし、砂糖なしがいいよねってこともあります(むしろそういう時はブラックにすることの方が多いんですけど)。そんな時にはこちらの『ノンスウィート 砂糖不使用』です。これはこれでミルクの自然な甘みがうっすらと感じられて、悪くありません。

 

Dsc_0854_copy_600x804 そして最後に変わり種。『珈琲ゼリー』でございます。ストローもこいつだけ太いのがついております、で、このストローを刺し込んで、出来る範囲でかき混ぜながらちゅうちゅうと吸うのです。ただ、これが結構難しい。どうしても、コーヒーゼリーだけの部分だったり、やかにミルクばかりの部分だったりして、適度にブレンドされておいしく食べられる部分が、妙に少なくなってしまうのです。困ったもんです。たぶん、何度かの修業が必要なのでしょう。やれやれ。

 

でも、セブンイレブンのアイスカフェラテだったら、アイスクリームのケースに入れて売ってる、レジ横のコーヒーサーバーで淹れるタイプのやつが、最高にうまいですよねー! ←身も蓋もない発言

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2022年7月14日 (木)

夏のチョコは明治ガルボ    #明治ガルボ #ガルボ #手につかないチョコ #グレタガルボ #呉田軽穂

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夏場に重宝するチョコレートといえば、はい、明治の『ガルボ』。表面がコーティングしてあって、ピカピカです。なので、溶けにくい&手につきにくい。これなら、夏の日にちょっと持ち歩いてもなんとかなります(もちろん、猛暑の日は無理ですけど)。夏はどうしてもチョコが縁遠くなるので(ま、アイスクリーム関係のチョコはいろいろありますけどね)、貴重です。

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で、ガルボ家族もいろいろいらっしゃいます。こちらは「ほろにがブラック」。文字通りブラックチョコのほろ苦さが特徴。悪くないです。スタンダード版とどっちを取るかは、お好み次第。大江戸はややスタンダードの方が好きかもですね。

 

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そしてこちらはかわいく「つぶ練り苺」。表面にイチゴのつぶつぶ感が表現されておりますが、これはフリーズドライ苺を練り込んだものなんだそうです。適度な甘酸っぱさがイチゴっぽくて、良いです。

 

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最後に期間限定の「ダブルベリー&ヨーグルト」。こりゃ華やかなパッケージですね。ストロベリー1.6%使用・ブルーベリー0.6%使用だそうです。なかなかカワイイ色合いです。写真で見ると、「詰めた指」みたいですけど…。で、表面がダブルベリー、中のサクサク部分がヨーグルトってことで、テッパンのハーモニーが楽しめます。サワヤカです。

 

このほかにホワイトチョコレート系のやつもあるんですけど、大江戸はホワイトチョコ嫌いなもんで・・・、あしからず。

そもそも「ガルボ」ってネーミング、往年の大女優グレタ・ガルボから取ったんだろうなあと、漠然と思っておりました。でも調べてみると、グレタ・ガルボは“Garbo”で、こっちのチョコは“galbo”なのでしたー。エルとアールを混同する日本人なのでしたー。ついでながら、松任谷由実が『Wの悲劇』の主題歌『Woman』の作詞をした時のペンネームは、グレタ・ガルボから取った「呉田軽穂」なのでしたー(『瞳はダイアモンド』や『赤いスイートピー』もそうなんですね)。

 

 

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2022年7月12日 (火)

セブンスイーツの「五三焼」    #五三焼 #セブンスイーツ #カステラ

Dsc_0819_copy_450x800 セブンイレブンの「セブンスイーツ」なのですが、これは予想以上のおいしさでした!

名前は地味です。『五三焼』(ごさんやき)。卵黄と卵白の比率が5:3なので、この名前がついたそうです。確かに昔から、カステラ屋さんなんかがこういうの出してました。

Dsc_0821_copy_800x450 「卵を贅沢に使ったカステラ」というコピーの通り、エッグ感たっぷりです。色も黄色っぽい。大江戸はカステラ好きなので、たまりませんわ。

非常にやわらかくて、ふわふわとエアリー。しかも濃厚でおいしいんです。「甘い=うまい」を感じさせてくれます。ハチミツも使ってますね。

Dsc_0822_copy_593x450 が、それだけではありません。ザラメ糖のつぶつぶがガリッと、いや量があるのでザクザクバリバリとするんです。柔らかさと硬さのコントラストの妙。ふんわりカステラ自体の上品な甘み、そこに差し込むアクセントとしてのハチミツの香り高き甘み、そしてザラメの濃厚に主張してくる甘み。甘みの三重奏が、一つにまとまるハーモニー。シャイコーです! なんかカステラというよりもスフレ寄りなのですが、台湾カステラの方向性に寄せて行った感じなのでしょうかね。

紙をはがすと、底面にはザラメがべったりくっついちゃってます。昔から古典的な長崎カステラには紙との間にザラメがついてましたが、さすがにここまでたっぷりではありませんでした。いや、これはなんかスゴイです。シンプルだけど、傑作です。わかっていらっしゃいます。

これ、十勝大福本舗の製造なんですよね。なぜだろう? でも、うまいからオッケー!

 

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2022年7月11日 (月)

「ベイビー・ブローカー」:親子と家族の是枝印    #ベイビーブローカー #是枝裕和 #ソンガンホ #イジウン #ペドゥナ

1_20220711222301 映画『ベイビー・ブローカー』は、是枝裕和が韓国で撮った新作。フランスで撮った前作『真実』に続いての海外チャレンジです。でも、やっぱり是枝らしい「家族の物語」「親と子の物語」です。

家族といっても「疑似家族」だってところが『万引き家族』と同様ですし、赤ん坊が出て来るのも『誰も知らない』『そして父になる』などと共通します。今回の場合、ベイビー・ブローカー一味だけでなく、警察のペ・ドゥナらも含めた大きな疑似家族となっています。

俳優陣ではソン・ガンホがカンヌで主演男優賞に輝いたわけですが、まあ彼ならこれぐらいできて当たり前って感じ。むしろ母親役のイ・ジウン(本職はK-popのシンガー)や、刑事役のペ・ドゥナに感心しました。 イ・ジウンはかなり松岡茉優に似てますね。『万引き家族』の松岡がスライドして来たみたいな感じ。きちんと良い芝居をしておりましたよ。 そして化粧っ気なしのペ・ドゥナは、だいぶ大人になりましたねえ。’79年生まれだから、もう42歳になってると知ってびっくり。是枝作品も『空気人形』('09年)以来13年ぶりなんですねえ。ハードボイルドに刑事を演じ切った彼女が、ラストで見せる変化に感銘を受けました。さすがです。

韓国での評判が良くないと聞きましたが、確かに韓国映画に較べるとスローで、しっくり撮った情感描写が多めかなと思います。地味といえば地味で、ちょっと受け入れられにくいかも知れませんね。まあ是枝作品としても、ベストとは言えないかと思います。

日本でリメイクするとしたら、ソン・ガンホ→役所広司(似てる人がいないもんで、ちょっと年上ですが)、カン・ドンウォン→星野源に坂口健太郎を振りかける、イ・ジウン→松岡茉優、ぺ・ドゥナ→上野樹里、イ・ジュヨン→(ちょっと年上になるけど)市川実日子ってあたりで、いかがでしょうか?

 

 

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2022年7月10日 (日)

「リコリス・ピザ」:走る恋人たち    #リコリスピザ #ポールトーマスアンダーソン #1973年 

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映画『リコリス・ピザ』は、1973年のLAを舞台にした、ポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督の新作。25歳の女と15歳の男のラブストーリーです。PTAらしくもなく、とても爽やかで味のある青春映画です。でも、男女が逆で25歳の男と15歳の女ってことだと、爽やかどころかいろいろ問題な気もしますよね。そのあたりどういうもんなんでしょう?

時代再現にかけては定評のあるPTAだけに、’73年あたりの、しかもロサンゼルスの空気を見事に感じさせてくれます。と言っても、その時代のLAを体験などしていない小生ですから、「そんな気がする」ってだけですけどね。いずれにせよ、美術、衣装の凝り方と音楽のチョイスと映像への合わせ方なんか、さすがと言うしかありません(ポール・マッカートニーを使うにしてもシングルヒットではなく、“Let me Roll It”をああいう風に使ってきますもんねー)。

なかなかユニークで印象的なアラナ・ハイムの顔は、俳優のアラン・カミングに似ていました。 2003年生まれのクーパー・ホフマンは、撮影時が2020年だとすると17歳ぐらい。15歳にはちょっと見えないおっさんぽさですが、そのあたりも父フィリップ・シーモア・ホフマンの遺伝子なのでしょうね。父が常連だったPTAの映画に彼が出演するってのは、なんだか感慨深いものがあります。

この映画、主演の二人がやたらと走ります。それが映画に心地よい躍動感を与えてもいます。走る時にはカメラも一緒に動きます。横移動の撮影’(時には奥から手前への移動も)が、やたらと多いのです。西海岸の陽光のような色調も含めて、マイケル・バウマンの撮影が見事でした。

 

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2022年7月 9日 (土)

「PLAN75」:SF=社会を深くえぐる    #PLAN75 #早川千絵 #倍賞千恵子 

01_20220709111801 映画『PLAN75』は、今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門でカメラドール特別表彰を受けた作品。

この作品、実は2018年公開の『十年 Ten Years Japan』という短編オムニバス( ↓ )の冒頭の一編を、脚本・監督の早川千絵自身が長編に拡大したものです。

「十年 Ten Years Japan」:最初と最後が良作  #十年: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

大江戸はその短編も良い出来だと評価しておりましたが、この長編は更に瞠目すべき出来となりました。いろんな登場人物たちのリアルな生が加わり、作品に厚みが出ました。そして一番のポイントは、倍賞千恵子が参加したこと。彼女の存在や演技力によって、この作品がパワフルになったことは間違いありません。そして非常に感情移入(彼女に)できる作品になりました。短編の方はもっとソリッドで観念的なSFだったのですが、こちらはより現実的で、それだけに恐ろしいSFとなっております。SFは「社会を深くえぐる(SF)」ものですから、架空の物語を通して重大なメッセージを発信しているのです。

本作の中で主人公(倍賞さん)の日々の暮らしや苦境のあれこれを目の当たりにしてしまうだけに、なんだか身内のように感情移入してしまいます。だから、涙腺に来る場面も多いのです。この作品を観ると、自分に関わりのある高齢者(家族とか)のことを思ってしまう人がほとんどなのではないでしょうか。

早川千絵の脚本と演出は、「映画をよくわかっていらっしゃる」って感じでした。言葉で説明し過ぎない。皆まで描かない。間接的に想像させて伝える。勇気をもってそういうことをやっております。説明過多で観客を信じていないような日本映画が多い中、貴重です。影の多い画面も日本映画離れしていて、確かにヨーロッパなどで評価されそうです。

いたたまれない場面も多いし、観て気分が重くなる辛い作品ではあります。でも最後には微かな希望があったりして、美しい作品でもあります。今年の日本映画を語る上で、外すことのできない秀作の一つでしょう。

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2022年7月 8日 (金)

KKDのドーナツたち    #クリスピークリームドーナツ #KKD #ドーナツ

Dsc_0818_copy_600x1067 クリスピークリームドーナツ(KKD)の、大江戸が初めて食べた二つ。

まずは期間限定の「ミックスベリー&ヨーグルト」。ミックスベリー・アイシングの濃いピンクがキレイ。白との相性もグッド。そこにフリーズドライのストロベリーやドライフルーツのブルーベリーが、かわいくオンしてます。そして、ドーナツの中にはヨーグルトクリームが入っているのです! 甘酸っぱさがたまらない、そして色合いのカワイさもたまらないお品です。

 

Dsc_0817_copy_1067x600 もう一つは「ビターチョコチョコ」。名前がいいですね。ガーナ産カカオをブレンドしたビターチョコがあまり甘くなく、キリっと大人な印象です。見た目の黒光りもカッコイイんです。まあ、生地の方は普通のイーストドーナツなんで、そこまで「おいしいっ!」とは思わなかったのですが、まあまあです。

Dsc_0816_copy_1067x600 新宿西口の地下街に(長期)イベント出店しているお店で買ったのですが、紙袋にこんなメッセージがついておりました。「ご購入ありがとうございます!! Happyなドーナツタイムをおすごし下さい」 手書きです。なかなか嬉しいコミュニケーションではありませんか!

 

Dsc_0033_convert_20220708231212 でもまあ、クリスピークリームドーナツで一番おいしいのは、何と言ってもかんと言っても「オリジナル・グレーズド」なんですよねえ。うん、永遠のキングです。

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2022年7月 7日 (木)

七夕と交通安全のことば    #七夕飾りの短冊 #短冊に書かれた言葉 #交通安全ポスター #お酒で人生終了

Dsc_0814_copy_600x924 本日は七夕。梅雨明けしてるので、いつものように雨の七夕ではなかったですね。街の七夕飾りも、なぜか今年はあんまりお目にかかりませんでした。

 

大江戸は毎年、駅や商業ビル内の笹にぶら下がった短冊を見るのが楽しみなのです。気に入った2枚がこちら。

Dsc_0813_copy_600x883 「今年こそは男性にだまされませんように。」

すごいですねー。いや、ほんと気をつけてください。

Dsc_0815_copy_600x871 そして、

「せきぐち先生がもっとおもしろくなりますように」

そうかー。せきぐち先生、そんなにつまらないのかー。おもしろくなるといいですね。

 

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で、七夕から離れまして…、小学生の作った交通安全ポスターが工事壁面に貼られておりました。その中の一枚。

「お酒で人生終了」

Dsc_08232_copy_600x819 うーん、ストレートですねー。飲酒運転を予防する標語として、これ以上のものがあるでしょうか? すごいな小学生。

 

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2022年7月 6日 (水)

アディゼロ ボストン10 シグナルグリーン    #アディダスランニングシューズ #アディゼロボストン10 #シグナルグリーン

Dsc_0738-1 ゴールデンウィークに北九州のアウトレットで購入したアディダス「アディゼロ ボストン10」も、そろそろ履き慣れました。

Dsc_0739これ、もともとは昨年の夏に発売された製品。素材が薄くて軽いんです。アッパーはほとんどメッシュなんですけど、ところどころ透けてましてね。蒸れなくていいけど、雨の日や寒い季節がちょっと心配です。

でも最大のポイントは、とにかく何と言っても厚底なんです。「ヒールの高さ5cm、ソールの高さ3cm」ってことなんですけど、それどういうこと? 「まあ、たぶんあそこの高さと内側の高さってことですかね」なんて思ってますけど、それを知ってどうなるもんでもないので、まあいいや。とにかく大江戸史上最高の分厚さです。

Dsc_0698 シリアスランナーの場合、厚底と言うとスピードアップさせるための武器なんでしょうけど、大江戸の場合はゆっくりと健康第一のジョガーなので、膝や脚への負担を軽減させるクッションの役割が重要。プラス反発力ですね。

Dsc_0696 ただ、この反発力ってやつが曲者で、速い人はまさにその恩恵にあやかれるのでしょうけれど、ゆっくりの人はヘタするとこの反発力に押し戻されてしまうのです。接地する時の角度と、踏み込みの弱さによっては、上方向や後ろ方向に跳ね返るような感覚があるのです。さらにしばしば地面と擦れて、キュッキュ言ってます。

なので、着地の時にできるだけ、足首をローリングさせて、後ろへ蹴り出すようなイメージで走るようにしております。そうすれば、確かに反発力・推進力はありますね。

Dsc_0699 本当は大江戸よりも、もう少し速いランナー用の靴なんですけど、まあそこはそれ。これで記録出そうとかって話じゃないんで、何とでもなります。それよりも、黄緑に青のベルマーレ・カラーに近いってことの方が重要だったのであります(湘南のライトグリーンよりも、蛍光イエローに近い「シグナルグリーン」という色だそうです)。

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2022年7月 5日 (火)

「学生野郎と娘たち」:風刺喜劇から悲劇へ    #学生野郎と娘たち #中平康 #芦川いづみ #シネマヴェーラ

Gakuseiyarou 映画『学生野郎と娘たち』(1960年)を渋谷シネマヴェーラの中平康監督特集で観ました。その楽し気なタイトルと、このほのぼのとした明朗快活ちょいオトボケなポスターからは想像もつかないような終幕を迎える作品でした。あと、ネットで予告編を見たら、「喜劇」とか大きく書いてあったんですけど、いいのか??

いやまあ前半はこのポスターと「当たらずと言えども遠からず」な感じなのですが、後半一気にシリアスな展開になっていってねえ…。芦川いづみ出演ってことでこれを観た大江戸としては辛かったですが、一方では「ああ、彼女がこういう役をやっていたんだ」という発見もありました。

東京の大学や街が舞台ということで、中平康のモダンで都会的なセンスは生かされています。基本的に風刺、諧謔だらけの作品なので、そこらへんも得意な領域でしょう。そんな群像劇の中で、中谷昇の大学学長や、とにかく軽い岡田真澄が見事にフィットしています。

(以降ネタバレあり) だけど、芦川さんがらみの場面が重くなってからは、悲劇的要素が色濃くなります。彼女が騙されてレイプされる場面ではかなりガッツリと何度もビンタされるのが、今見ても強烈です。60年以上前の映画だから、その後は場面が切り替わって…となるのですが、さらにその後に「事後」の芦川さんが放心状態で横たわっている場面があります(顔のそばには数枚の紙幣)。そこでの彼女の顔が妙にかわいすぎて(呆然自失と言うよりは、子供みたいで)、なんか変でした。

そして、最後に彼女が凄惨な結末を迎える場面もなかなかショッキングです。なんでこれで「喜劇」なんだ?! 中原早苗が上空を飛ぶ飛行機に向かって「うるせえぞ、ロッキード!」と叫ぶラストも含め、今やかなり「怪作」に近いと思います。

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2022年7月 4日 (月)

「あなたの顔の前に」:聖なる名作    #あなたの顔の前に #ホンサンス #イヘヨン 

1_20220704224201 映画『あなたの顔の前に』は、『イントロダクション』と同じ2021年に作られたホン・サンス26本目の長編(と言っても、85分しかありませんが)。素晴らしかったです。

とは言え、万人受けする映画でないことも確か。親切な娯楽映画とは違います。でも、そこに人生があって、人間がいて、世界が広がっています。静かに滋味深い作品なのです。やっぱり、ホン・サンスいいなあ。

韓国の大女優さん(イ・ヘヨン)を主役に据え、今回のキム・ミニは、プロダクションマネージャーとスティルフォトグラファーをやっています。画面には出て来ないんです。ファンとしては、チョイ役でもいいから出てほしかったんですけどね。

アメリカから韓国に帰って来た女性の1日(+α)を描く本作、すべての時が美しいのです。日常の美しさ、生きてることの美しさが描かれています。楽しくても、悲しくても、美しいのです。これだけ「名作」然としたホン・サンス作品ってのも珍しい…というか、今後の彼はこういう方向に進んでいくのかも知れません。

それでも、いつものように飲みながら、食べながらのおしゃべりは絶品です。とりわけクライマックスと言える居酒屋「小説」での1ショット長回しが圧巻です。そこで見せるイ・ヘヨンとクォン・ヘヒョの芝居合戦。長回しならではの(他人の人生を覗き見ているかのような)リアルさ。そして、次のシーンのイ・ヘヨンの笑いの中の「哀しさ」。じんわり効きました。いやー、ホン・サンスは独特です。凄いです。やっぱり現存する重要な映画監督の3本の指には入るでしょうね(あとの2人は考えてないけど)。

ラストシーンには「聖なる」雰囲気が漂っていて、神が見えるかのようでした。厳かな気持ちになりました。思い出したのは、ベルイマンの『叫びとささやき』のラス前の宗教画的ショット。ホン・サンスが軽やかにこういう「名作」を作るとは…、驚きつつも心から拍手を送りたい大江戸なのであります。

 

 

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2022年7月 3日 (日)

「神は見返りを求める」:異形のラブストーリー    #神は見返りを求める #吉田恵輔 #ムロツヨシ #岸井ゆきの 

1_20220703233701 映画『神は見返りを求める』は、吉田恵輔らしさ全開の秀作。面白くて、嫌な感じで、人間の真っ黒な部分をさらけ出して来ます。昨年の『BLUE ブルー』『空白』もそれぞれ見事でしたが、「笑いあり」の本作の方がより吉田恵輔らしい味が出ていると言えるでしょう。大江戸は好きですねえ、この監督。

前半はキュートなラブコメ風。そこから一挙に反転して心理ホラー風になるあたりが、『ヒメアノ~ル』にも似た吉田の真骨頂です。ムロツヨシと岸井ゆきののキャラ変ぶりもなかなかです。二人とも演技賞に推したいぐらいの良さ。特にコメディアンを封印したムロが、気持ち悪くてカッコ悪くてカッコイイのです。岸井の豹変ぶりにも、見ててマジムカつきます。

YouTubeの世界への批評性もありながら、愛もあるという吉田らしい複雑な視線。もちろんそれはどんな仕事でもどんな世界でもという普遍性も持っていて、人間の本質に迫っていきます。しかも終盤などは、ちょっと感動させたりもして…。バカバカしく、ねじ曲がった世界を描きながら、奥底の真実に迫っていくのが吉田恵輔流。しかも後味は悪く…。本作は、その見本のような「異形のラブストーリー」でした。

「見返りを求める男と恩を仇で返す女の心温まりづらいラブストーリー」っていうコピーが広告にも使われていますが、秀逸ですね。

 

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2022年7月 2日 (土)

湘南、名古屋を攻め続けるも0-0    #湘南ベルマーレ #ベルマーレ #湘南対名古屋 #湘南名古屋 #スタジアムからの富士山

Dsc_0810_copy_966x617 ただならぬ猛暑が続きますが、夜7時キックオフのレモンガススタジアム平塚には気持ちの良い風が吹いておりました。この時期、平塚は七夕祭りの準備が進行中です。

で、ベルマーレも毎年7月のホームゲームには、いつものライトグリーンではない「七夕ユニフォーム」を着用します。いつもは夜空をイメージした黒とかなのですが、今年はウクライナ支援のひまわりユニフォーム。国旗よりは黄色が濃くて、それはひまわりを表しているからなのですが、なんかベガルタ仙台っぽくて、似合わないですよね(おまけに、5月に先出しでお披露目した清水戦は、サイテーのボロ負けだったし)。

Dsc_0810_copy_1024x889 リーグ戦ここ6試合で5勝1敗と絶好調の湘南がこの試合に勝てば、名古屋との順位がひっくり返るという大事な試合。好調が続く町野が今日も点を取ってくれるでしょうか。今日は、入場者プレゼントとしてうちわとポッキンと折って光らせるサイリュームをいただきました。

Dsc_0817_copy_1002x617 以前の照明塔だった時代に、一回消すと元に戻るまで20分ぐらいかかるってことで照明を落とせずに、同じような光のイベントをやったら、明るくて全然効果がなかったってことがありました。しかし今日は照明が消えました。そして、あっという間に再点灯しました。何年か前に新しいタイプに替えたのですね。それはいいんだけど、結局周りがまだ明るくて、さほどの効果はありませんでした。ちゃんちゃん。

Dsc_0818_copy_911x617 さてさて、試合は白熱のスコアレスドロー。0-0だけど、非常に見ごたえのある面白い試合でした。

Dsc_0819_copy_1024x599 ベルマーレが試合の主導権を握り、特に後半などはグランパスゴールに迫りまくりましたが、どうしても得点には至りませんでした(てか、町野!あれ決めとけよ!!)。

今日はバックスタンドで観戦したのですが、向かい側=メインスタンドの先=西の夕空に冨士山がくっきりと出ておりました。

Dsc_0821_copy_617x832 改めて「平塚ってやっぱり随分西の方なんだな」と思った次第。それにしてもやっぱり違和感あるなあ、黄色いユニ。

Dsc_0820_copy_1024x617 試合終了間際に町野修人が脚を故障して担架に乗せられたのが心配です。E-1選手権で日本代表のユニを着れそうだったのに、黄色信号なのかしらん?それ以前に、湘南のこれからの試合、大丈夫なのか!? すげー心配!

全体的に、守備は良かったです。これで3試合連続のクリーンシート! なかなかできることではありません。谷は相変わらずひやひやさせてくれたけど、舘、石原広教、田中聡あたりは見事でした。点は取れなかったけど、今年前半の調子の悪い時だったら、これでミスから失点して0-1で負けちゃうパターンってしばしばあったから、そこは成長したと言っていいのではないでしょうかね?

 

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2022年7月 1日 (金)

Number増刊「イビチャ・オシム 日本サッカーへの遺言。」    #オシム #イビチャオシム #ナンバー増刊オシム特集

Dsc_0800_copy_768x941 「スポーツグラフィック Number」の増刊号『永久保存版 イビチャ・オシム 日本サッカーへの遺言。』(文藝春秋)。この5月1日に逝去したオシムさんのサッカー人生とサッカー哲学を、過去の「Number」掲載記事と新たな記事でまとめ上げた一冊です。

(大江戸のオシム逝去時の記事はこちら ↓ )

オシムさんの死を惜しむ #オシム #イビチャオシム #オシムジャパン: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

大江戸は本当にオシムさんを敬愛していたので、その死には自分の父親が死んだときよりも落胆しました。まあ一方では、「人は誰も皆死ぬのだから、惜しまれながら良い死に方だったじゃないか」と思う心もあります。

中村憲剛、鈴木啓太、中村俊輔、遠藤保仁、阿部勇樹、巻誠一郎、ドラガン・ストイコビッチ、佐藤勇人、羽生直剛…といったオシムの教え子たちが語っています。それ以上に、示唆に富んだ自分の言葉でオシムがインタビューに応えています。その言葉はまさに「日本サッカーへの遺言」でした。

オシム・ジャパン全20試合の記録も、JEFユナイテッド千葉時代の話も、ユーゴ時代のあれこれもあります。そして極めつけは、選手時代の若きオシムの写真! 思えば、1964年東京オリンピックで日本の地に降り立ったオシムがその後この国の代表監督になった奇跡は、私たち日本人にとってまさに僥倖でした。「日本サッカーの日本化」を、これからも日本サッカー関係者と我々ファンは、忘れずに追究していかねばならないと思います。 改めてご冥福をお祈りいたします。

 

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