「エルヴィス」:バズ・ラーマンらしさの抑制 #エルヴィス #エルヴィスプレスリー #バズラーマン #オースティンバトラー #トムハンクス
『エルヴィス』は、バズ・ラーマンによる「キング」エルヴィスの伝記映画。ずっしりと腹に来る2時間39分。ヘヴィーです。でも面白かったというか、見応えありました。
ゴージャスに彩った画面ではありますが、それでもいつものラーマンの派手さやケレンには至っておりません。そこがラーマン・ファンの大江戸には物足りなくもあったのですが、考え直してみればこれで正解ですね。だって、あくまでも主役であるエルヴィスを、彼のスーパースターぶりを目立たせることが最大の目的なのですから、画面のギミックばかりが目立ってもしょうがないのです。むしろ画面は抑制することによって、エルヴィスの輝きを最大値にすることが正解なのです。
エルヴィス役のオースティン・バトラーは健闘しています。エルヴィス・プレスリーにはそんなに似ていないのですが、髪型とメイク、そして発声やアクションでかなり近づけてます。ステージアクションは見事にエルヴィスっぽいし、顔の骨格は細すぎるのですが横顔が似ていますね。 一番最後だけ、実際のエルヴィスの映像がちょこっと使われていました。
本作に厚みをもたらしたのは、何と言ってもパーカー大尉=トム・ハンクスの存在。見てくれも性格も実に憎々しいヴィランとして、トムが油ギッシュに演じ切ります。近くにいてもらいたくない人です。トム・ハンクス史上最悪の役柄なのではないでしょうか?
’70年代の雰囲気を出すためにスプリット・スクリーンを使ったり、'50~'70年代への時代の変化を服装や髪型などで完璧に見せていくあたりが、さすがです。金かかってます。そこでどす黒い伝説が語られていく本作。本編内ではしゃぎ切れなかった分の仕返し(?)として、バズ・ラーマンはエンドロールの左右両側を絢爛キラキラな図像で彩りました。わははと笑っちゃうゴージャス感であります。
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