「ゲルハルト・リヒター展」@近美 #ゲルハルトリヒター展 #ゲルハルトリヒター #東京国立近代美術館
竹橋の東京国立近代美術館で、『ゲルハルト・リヒター展』(~10/2)を観ました。「生誕90年、画業60年。待望の個展」というコピーがついているのですが、東京の美術館でリヒターの個展が開かれるのは、初めてのことなのだそうです。
かくいう大江戸も、このアーティストのことは「御高名はかねがね…」って感じですが、その作品についてはあまり知りませんでした。日本ではそれほど広く紹介されていなかったこともありますし、小生が『美術手帳』などを毎号読んでいた1980年代後半~90年代半ばまでは(日本に入って来る情報としては)あまり活躍していなかった期間だったように思います。
それでも今回の展覧会にあたっては、各メディアが注目して「現代における絵画の最高峰」アーティストという扱いになっております。
日曜の午後に鑑賞したのですが、日時予約制と当日券の併用だったためか、そもそもそんなに多くの人が観たいと思わないためか、邪魔になるほどの人数は入っておりませんでした。いいのか悪いのか、入場料金の高さ(大人2,200円)も、観客数を抑制する一因となっているように思えます。
リヒターの印象が薄い原因として、そのスタイルが多様過ぎることがあるでしょう。ダリならこれ、ミロならこれ、リキテンスタインならこれ、バスキアならこれ、みたいな独自のスタイルで押し通すのではなく、絵画に写真の要素も採り入れたりしながら、「アブストラクト・ペインティング」シリーズだとか「グレイ・ペインティング」シリーズだとか「オイル・オン・フォト」シリーズだとか、いくつものシリーズを行き来しているから、「これぞリヒター」ってものが見えて来ない人なのです。完全な抽象画を描いたかと思えば、同時期に肖像画や具象絵画を描いたりもしていますからね。
『ストリップ』と称するカラフルな平行線の超横長作品はやはり美しかったですね。「ポール・スミスみたい」とも思いましたが、それでもこのサイズで壁面を占めていると、見とれちゃいました。
「アブストラクト・ペインティング」シリーズや「ビルケナウ」シリーズなどの写真がなぜかスマホから消失していたのが残念ですが(もうメモリーがいっぱいだからかなあ)、こうしてまとめてリヒターを観ることができて良かったです(全138点)。今後もなかなか無い機会でしょうね。 でもやっぱり捉えどころのないアーティストなのでありました。
展覧会場を出て、近美の常設展示(2F)にもリヒターの収蔵作3点が展示されておりました(これから鑑賞する方は、お忘れなく!)。
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