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2022年8月28日 (日)

「激怒」:暴力を肯定してしまう映画    #激怒 #映画激怒 #川瀬陽太 #高橋ヨシキ

3_20220828223101映画『激怒』は、名バイプレイヤー川瀬陽太がプロデューサー(のうちの一人)も兼ねたジャンル映画。高橋ヨシキ監督の長編デビュー作でもあります。まあ、完成度は低いんです。演出力も物足りません。でも、作品づくりへの情熱が感じられるってのは、なかなか素晴らしいことです。

全編を禍々(まがまが)しい不穏なムードが覆っています。何とも居心地が悪い世界です。そういう意味ではSF、それもディストピアものです。雰囲気的に近いのは、『華氏451』や『1984』あたりでしょうか。

入江悠の『ビジランテ』のような自警団ものです。「安心 安全 富士見町」云々という町内放送が何度も流れて、我々観客もだんだん不快で不気味でたまらなくなってきます。「一方的で身勝手な正義」の恐ろしさを強烈に突きつけて来るのです。

主人公の川瀬陽太自身、あまり人相が良いとは言えないでしょうが、悪役連中がひどく不快なツラの奴らばかりです。中でも警察署長役の小林竜樹には「不快な顔チャンピオン」の称号を与えたいぐらいです。彼ばかりではなく、森羅万象や奥野瑛太らのキャスティングにより、川瀬が「いい人」「ヒーロー」に見えて来るって寸法です。

(以降ネタバレあり) ただ、クライマックスの「タガのはずれ方」が物足りなかったですね。もっと狂気レベル最大限にまで振り切ってもらいたかったところです。伝説になるぐらいにまで。そして張り切り過ぎたのか、本作の川瀬の演技はどうもイマイチなのでした。

いろいろとちぐはぐです。でも観る方としては、完全に主人公の暴力に加担する心境になっているはずです。そこに関しては、作り手たちの狙い通りになったのではないでしょうか。 ついでながら、中原昌也の’60年代B級SFみたいな音楽が相当ヘンテコなのでありました。

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