「彼女の思い出/逆さまの森」J.D.サリンジャー #逆さまの森 #サリンジャー #倒錯の森 #彼女の思い出逆さまの森
この7月25日発行の『彼女の思い出/逆さまの森』(J.D.サリンジャー 金原瑞人訳/新潮社)を読了。1941~48年にかけて、サリンジャーが『Good Housekeeping』や『Cosmopolitan』などの雑誌に発表した作品を集めた短編集。アメリカ本国では、ずーっと出版されていないのに、なぜか日本では出版しているという謎の短編集です。ちょうど9篇を収録しているってことで、帯にも「9つの物語 ナイン・ストーリーズ」って書いてあります。
これ、昔は『倒錯の森』というタイトルでした。荒地出版社版(刈田元司・渥美昭夫訳)を大江戸も持ってます。“The Inverted Forest”が原題ですが、確かに「倒錯」だと言葉が強過ぎるので、今回のタイトルの方が妥当に思えます。
ごく短い作品から、109ページの中編『逆さまの森』まであります。サリンジャーらしい都会派センスは共通していますが、その一方で粗削りな部分も多いと言えるかも知れません。やはりサリンジャーが出版を許可した作品の方が洗練されていて、完成度が高いのです。でも、どの作品も面白い。やっぱりサリンジャーって、(自分でも言っているように)短編作家なのですね、基本的に。実際、長編は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』しか書いていませんし。その中にいろんな技巧(時にはトリック)を使ったりしているのです。
やはり白眉は『逆さまの森』。この展開と結末には唸ってしまいますね。人間って、そして人間を描く小説って、不思議で面白いものですねえ。小説って、すごいものですねえ。←淀川さんか?
結局、この(幻の)短編集のサリンジャーも、えらく魅力的なのでありました。
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