「アメリカから来た少女」:反抗期と白馬 #アメリカから来た少女 #ロアンフォンイー #カリーナラム
映画『アメリカから来た少女』は、台湾のロアン・フォンイー監督の自伝的デビュー作。2003年の台湾が舞台ってことで、13歳の長女が’90年生まれの監督にあたるわけですね。
で、この辛気臭い顔の少女がまさに「反抗期」。がんで死に向かっていく母に当たる当たる。自分が気に入っていたアメリカから台湾に移り住まなきゃならなくなって、学校でもうまくいかないので、当たる当たる。ここらのあれこれを見せられて、どんどん嫌な気持ちが募っていきます。幼い妹さんの方が、よっぽどえらいじゃん。大人じゃん。大江戸は単純に彼女の言行が腹立たしかったです。
というわけで、お母さんに肩入れして観ておりました。この母親役=カリーナ・ラムの素晴らしいこと! 自分に時間がないことを知り、肉体的苦痛も抱えた中で、娘のことを思いながらどうしても衝突してしまう哀しさを見事に表現しておりました。いい表情見せてました。
やはり白眉となるのは終盤の「白馬」の場面でしょう。あの馬の「神の沈黙」。そして馬の目のクロースアップの凄み。あたかも「世の中そんな甘いもんじゃないぞ」と言っているかのような目でした。
SARSの猛威が時代背景になっているのですが、当然ながら今のコロナ時代にリンクしてきますね。そこらも含めて、国や時代を超えた普遍性を持った作品となっています。最良ではないけれど、味わい深い佳作ではありました。「21世紀になって、まだムチで手のひらを打つ体罰があったんだー」と知って、驚きましたけどね。
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