« 今日の点取占い321    #点取占い #点取り占い | トップページ | 「あちらにいる鬼」:アクの強いけったいな人々    #あちらにいる鬼 #廣木隆一 #荒井晴彦 #広末涼子 »

2022年11月29日 (火)

「ある男」:静謐な不気味さと不安感    #ある男 #石川慶 #映画ある男

2_20221129140901 映画『ある男』は、『愚行録』『蜜蜂と遠雷』『Arc アーク』とハイアベレージな作品を連打する石川慶監督の第4作。キャッチコピーにもあるような、予告を見ただけで興味を抱いてしまう「謎」が中心にありますが、その謎解きにはそれほど重きを置いていません。

もっと別のこと=人間のアイデンティティだとか、ある個人をその人たらしめる本質は何なんだろうかといったことを描いている作品です。そういった哲学を家族とからめながら、エンタテインメントとして成立させています。

冒頭と最後に出て来るルネ・マグリットの絵画『複製禁止』が、テーマとも重なって非常に効いています。そしてこの作品自体に、あの絵と同じような「静謐な不気味さと不安感」が漂っているのです。考えてみれば、これまでの石川慶作品もみんな大なり小なり、この「静謐な不気味さと不安感」を湛えた映画だったような気がします。

妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝が三者三葉の好演。そして安藤サクラの義父である柄本明が「さすが」って感じの、ひどく意地の悪い怪演を見せておりました(まあこれぐらいはやれる人ですけどね)。日本版ハンニバル・レクターか?

(以降少々ネタバレあり) ただ、ひねりの効いたラストが今一つ成功していないような気も。こういう「ミイラ取りがミイラ」パターンってありますけど、その直前の妻のスマホの一件と共に、収束の仕方がうまくいかなかったように思えます。こういうのって、たぶん小説ならうまくいくんでしょうけど、映画だとね…。

|

« 今日の点取占い321    #点取占い #点取り占い | トップページ | 「あちらにいる鬼」:アクの強いけったいな人々    #あちらにいる鬼 #廣木隆一 #荒井晴彦 #広末涼子 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今日の点取占い321    #点取占い #点取り占い | トップページ | 「あちらにいる鬼」:アクの強いけったいな人々    #あちらにいる鬼 #廣木隆一 #荒井晴彦 #広末涼子 »