「ザリガニの鳴くところ」:古典的だが現代的 #ザリガニの鳴くところ #デイジーエドガージョーンズ #デイヴィッドストラザーン
映画『ザリガニの鳴くところ』は、アメリカで大ベストセラーになったミステリー小説の映画化。法廷劇の要素もあります。なんかこういう真っ当なドラマが公開されるのって、コロナ禍以降久々な気がします。
地味といえば地味だけど、丁寧に作られた端正な映画でした。いろんな描写はオーソドックス。昔ながらのドラマ作りで、個性や主張は強くありません。むしろテレビドラマ的かも知れません。
でも、題材がとても現代的、社会的なのです。1950-60年代を舞台にしたこのミステリーの中に、DV(男性の暴力性)、偏見・差別、性暴力、女性の反撃といった今日に通じるテーマをいくつも入れ込んでいます。そこがあるので、「古めかしいだけ」に終わらぬ作品になっています。
主役の少女に抜擢され、その期待に応えたデイジー・エドガー=ジョーンズが良いです。この女優、これからきっと売れっ子になると思います。 そして、弁護士役のデイヴィッド・ストラザーン(かなり年取りましたね)が、ますます渋くカッコイイ老人になっているのです。助演賞ものですね。
(以降ネタバレあり) でも、この映画の最大の見どころはラスト。ラスト30秒で、それまでの2時間をひっくり返しちゃいました。まあ、実はその前から読めてしまうわけですが、それでもなかなか記憶に残るであろうラストとなりました。
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