「未来惑星ザルドス」:世紀の哲学的怪作 #未来惑星ザルドス #ショーン・コネリー #シネマート新宿
映画『未来惑星ザルドス』(1974年)が4Kデジタルリマスター版で再公開されております。小生がこれを観るのは初めて。いやー、創造の斜め上を行く怪作でした。
とにかくビジュアルが卓越してますよね。低空飛行でふわふわしている巨大な石頭。これを観るだけで、眼福です。ショーン・コネリーが入る部屋にマグリットの巨大な岩が宙に浮かぶ絵が掛けられたりしていて、なんかベタだなーとは思いましたが、でもいいです。
小生が鑑賞したのはシネマート新宿ですが、いろいろと愛溢れる手作り工作アイテムが展示?されていました。 石頭だとか、胸毛赤フン&おさげ髪男(ほとんど変態ですね)=ショーン・コネリーの顔ハメパネル(くりぬいた顔が後ろの壁面に貼ってあるのがナイス)だとか…。ピンボケ写真でごめんなさい、の右下にちょこっと見えるのは、鏡面張りにしたピラミッドです。みんな映画に登場するものです。
劇場にはこの赤フン=コネリー・バージョンのポスターも貼ってあってびっくり。新宿三丁目にあるこの劇場の裏手=二丁目方面の需要があるのでしょうか?
冒頭に出て来る「ZARDOZ」というタイトルロゴが、いかにも’70年代ハードロックバンドのロゴなのに笑っちゃいます。“WIZARD OF OZ”から取った名称だというのは、映画の中でも種明かしされます。でも『オズの魔法使い』というよりは、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』なんじゃないの? って気もしますが…。
映画自体もツッコミ所満載ではありますが、非常に哲学的なSFでした。まあ、SFってもの自体が「哲学するための道具」ってところがありますからね。人間の生と死、いのちのつながりってことについて、ガチな考察を行っています。(以降少々ネタバレあり) それが最高に色濃く出ているラストシーンは、ギャグなのか大真面目なのか??って感じにぶっとんでます。スゴイぞ、ジョン・ブアマン。世紀の怪作と呼ぶにふさわしいとの意を強くしました。
ベートーヴェンの第7の第2楽章が実に似合っておりましたが、この曲はギャスパー・ノエの『アレックス』でも印象的に使われておりましたね。
それにしても、シネマート新宿の男子トイレってば! 入口の壁面にチャック・コナーズ(『マッド・ボンバー』)の顔って! まったくどうかしてるぜ。
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