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2023年1月31日 (火)

「ヒトラーのための虐殺会議」:自分はこうならないと言い切れるか    #ヒトラーのための虐殺会議 #ヴァンぜー会議 #悪の凡庸さ

1-1_20230131211901 映画『ヒトラーのための虐殺会議』は、1942年に欧州のユダヤ人1,100万人の「最終的解決」を決めたヴァンぜー会議の議事録から映画化されたという問題作。正直、映画的にはそれほど優れたものではありませんでした。でも製作した意気と勇気は讃えられてしかるべきだと思います。特に「ドイツ人が自ら」というところ(なぜ日本はこうできないのか?)。

冒頭とラストを除くほぼ全編がある館の中、そのほとんどがある会議室の中という舞台劇のような作品。実際、『十二人の怒れる男』なんかを思い出してしまいましたよ。そして、会議や人間の普遍性と言うものに思いを巡らせざるを得ない映画です。

会議における人々の言動に、普通のサラリーマンや企業の会議を想起してしまいます。登場人物は多かれ少なかれ、あなたであり私であるのです。あの時代のあの状況に放り込まれたら、自分はこうならないと誰に言い切ることができるでしょうか? そこに切り込んだということで、製作した意義は大きいと思います。

でも映画としては、芸がない。まあ実際の会議の再現が目的なので、ドラマチックな誇張は避けているのでしょうけれど、それにしても葛藤も盛り上がりも逆転もクライマックスもなく、淡々と「シャンシャン会議」が、軽食・お茶(人によってはコニャック込みで)をはさみながら行われるのみです。それゆえの底知れぬ恐ろしさってことでしょうね。ハンナ・アーレント言うところの「悪の凡庸さ」ってやつですね。

これって、(たった)80年ほど前のことなんですよね。うーむ。

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2023年1月30日 (月)

「ノースマン 導かれし復讐者」:中世のあの感じは苦手    #ノースマン #ノースマン導かれし復習者 #ロバートエガース #アニャテイラージョイ

1_20230130222801 映画『ノースマン 導かれし復讐者』は、『ウィッチ』や『ライトハウス』のロバート・エガース監督作品。『ハムレット』のもとになったと言われる北欧神話をもとにした堂々たるエピックです。

大作になり、アクションたっぷりのエンタテインメントになっても、エガースらしさは健在。独特の美学に貫かれた映像は、カラーとモノクロを行きつ戻りつしながら、パワフルに独自世界を創り上げます。

ただ、大江戸は中世ものって好きではないのです。あの泥まみれで薄汚れた感じ、ほこりっぽく汗臭い感じが好きになれないのです。おまけに血生臭いし。本作も例外ではなく、観ていてうんざりしておりました。いろいろと痛そうですし、寒そうでもありましたし。

そして、めっちゃ重そうな剣による鈍重なバトル。うーん、好きではないですねー。(以降少々ネタバレあり) 終盤の最終決戦なんて、そういう対決をなぜか全裸で、火山の溶岩が流れてるような場所(『スター・ウォーズ』のエピソード3かーい?)で行います。こういうのに心躍る人もいるのでしょうが、大江戸はそうではないのです。新聞評では「こういう映画が観たかった」などと絶賛する声もありましたが、まあ人の趣味はいろいろですよね。

『ウィッチ』の縁で、アニャ・テイラー=ジョイが出演して、(監督との信頼の証なのか)すでにビッグネームになった彼女が背面ヌードを披露しています。そういうところ、やっぱり欧米の女優はえらいなあ。

途中、クリケットの原型みたいな球技の場面がありますが、すっごくヴァイオレントでワイルド! 顔を思いっきり棒でひっぱいたりするので、思わずマスク越しに「うわっ!」と声をあげてしまいましたよ。

スノーマンのファンが間違えて観に来ることは、・・・ないな。

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2023年1月29日 (日)

東急本店、あさって閉店    #東急本店 #渋谷東急本店 #東急本店閉店 

Dsc_12294_copy_957x576 渋谷の東急本店があさって31日で56年の歴史にピリオドを打って、閉店します。1967(昭和42)年の開店だそうです。隣接するBunkamuraは4月9日までやるそうですが、百貨店の方は今月いっぱい。

Dsc_12272_copy_576x866Dsc_12306_copy_1013x576 てなわけで、きのう土曜の夕方6時ごろ訪れてみました。店内はこの時間なのに、かなりの混みよう。長年この店の人口密度の低さに慣れている身としては、ちょっと驚いちゃいます。

昼間はもっと混んでいたんでしょうねえ。閉店するとなると混む・・・まあ、しょうがありませんね。

店内では閉店セールが繰り広げられておりました。といっても、1階に入っているラグジュアリーブランドがセールをするわけもなく…(以下自粛)。

Dsc_1232_copy_1024x576 エスカレーターも、売場も人が多くいて、レジには行列ができていました。

Dsc_12343_copy_1018x576 レストラン街はどの店もお客さんが待っている状態。地下の食品売場なんか、売れすぎてケース内に商品がほとんどないショップがいくつもありました。ジュンク堂や丸善も、レジに行列ができておりました。

 

Dsc_12353_copy_1024x548 屋上グリーンショップの植木や植物はもうなくて、がらーんとしておりました。ここ、夏場にはビアガーデンになったりしてたんですよね。

 

Dsc_12372_copy_1024x576 そんなに思い入れのある店ではなかったのですが、やはり一抹の寂しさはありますね。松濤界隈のお金持ちの皆さまは、これからどうするのでしょうか?

Dsc_12365_copy_888x576 今年は新宿のミラノ座跡地に、東急のタワーができて多くのエンタテインメント施設も入るのが話題。でも東急と言えばやはり渋谷…

Dsc_12383_copy_576x806 ここの跡地がホテルや住宅など36階建ての複合施設として生まれ変わるのは、2027年の予定だそうです。Dsc_12394_copy_576x701

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2023年1月28日 (土)

ベレーザ、皇后杯優勝!    #日テレベレーザ #ベレーザ #beleza #皇后杯決勝 #ベレーザ皇后杯優勝 #北村菜々美

Dsc_12282_copy_1024x698関東でやってくれてたらなあ…。 はい、大阪のヨドコウ桜スタジアムで開催された女子サッカー皇后杯の決勝をTV(録画)で観戦しました。本当はスタジアムに行きたかったところです。結果は4-0で日テレ東京ヴェルディベレーザがINAC神戸レオネッサに圧勝し、久々のタイトル獲得となりました。

この皇后杯で、ずっと2点ずつ決めている植木理子が今日も1点目、2点目を見事に決め、小林里歌子の3点目、藤野あおばの4点目で、神戸にはほとんどシュートさえ打たせませんでした。やはりこのフォワード3人衆が個人技で得点できるのが、ベレーザの強み。日本代表の3トップをこの3人にまかせてもいいぐらいですもん。

試合終了後に植木が泣いてましたけど、WEリーグカップの決勝で浦和を3-0でリードしながら、終盤の3失点で追いつかれて、結局PK戦で負けた(植木も1番手で外した)雪辱を果たしたことで、感極まったんでしょうね。

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今日の北村菜々美選手は、かなり守備的な比重が高かったのですが、きちんとその職責を果たしておりました。この皇后杯で神戸は守屋から成宮というホットラインで得点することが非常に多かったのですが、その危険なボールの出どころである守屋とマッチアップした北村は、マンツーマンに近い感じで彼女を封じ、決定的な仕事をさせませんでした。後半からは北村が5バックの左SBに下りて、そのコース取りの良さで有効なパスコースを消して、神戸の攻撃を無力化したり遅らせたりして、効いていました。4-0となった後のアディショナルタイムに1人で斬り込んで行って大外れのシュートを打ったのはご愛嬌。全体的にはいつも通り地味にタスクを遂行していた印象です。本当はもう少し自分が得点にからむことに色気を出してほしいんですけどね。むしろ藤野のゴールに誰よりも大喜びして抱きついておりました

北村さんにとっても、プロになって初のタイトルです! 竹本監督がインタビューで「今日は両ウイングバック、サイドバックが秀でた仕事をしてくれた」と語っておりましたが、確かに北村、西川、宮川(時々ウイングの位置に落ちてくる藤野も含めて)が素晴らしかったと思います、左右の高い位置で、神戸を崩しまくってました。それにこのスタジアム、北村さんにとっては前所属セレッソ大阪堺の本拠ですもんね。

久々の優勝ってことで、若手の多いベレーザの選手たちが自信をつけてくれればと思います。そして3月5日再開のWEリーグで、現在の4位からどんどん順位を上げてもらいたいものです。

 

 

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2023年1月27日 (金)

あっぱれなグリーン・ウォール    #緑の壁 #グリーンウォール 

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昨日の妙法寺に続きまして、その近所(杉並区ですね)で見つけたこのネタ。

住宅地の中、高い樹木が繁っておりますね、1月だというのに。電信柱の影がくっきりと映っております。

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でもこの家と樹木の関係、なんか気になります。木の方も、道路ギリギリって感じに広がってますよね。

 

Dsc_12203_copy_944x670 うわー。送電線ギリギリなんですね。送電性の方も太い安全カバーをかけてあります。見事に剪定して、平べったく繁らせたのですね。

よく見ると、3本の木をうまく連動させてのグリーン・ウォールなのでした。それにしても、凄いですね、この形状。

道路との関係といい、送電線との関係といい、区や東電と相当面倒な交渉を長年やってきたのでしょうねえ、たぶん。

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そして、住宅と樹木の間の空間が実に見事。絶妙にあいてます。枝や葉がシェイドとなって陽射しを遮りながら、窓のそばを風が吹き抜けるのです。

これはもう、ただただお見事なのでありました。

 

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2023年1月26日 (木)

お正月は妙法寺    #妙法寺 #堀之内妙法寺

Dsc_12183_copy_1024x670 杉並区堀之内の妙法寺。大江戸はこのお寺にジョギングがてら正月詣に行くことが多いのです。今年も先日走って、おまいりして来ました。

(過去ログでーす ↓ )

隠れた都内の名刹、妙法寺: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

恒例の妙法寺: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

妙法寺 / 恵比寿ガーデンプレイス: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

堀之内妙法寺にお参り   #堀之内妙法寺 #妙法寺 : 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

 

Dsc_12172_copy_1024x658ここは日蓮宗のお寺だそうですが、大江戸の家は曹洞宗でして…。でもそんなの気にならないんですねー。多くの日本人と同じように、ほとんど葬式のための宗教みたいなところがありますから。

Dsc_12152_copy_1024x657 ここはかなり由緒あるお寺でして、400年ほどの歴史があるのです。一番手前の仁王門の左右には金剛力士像が安置されていて、都指定の有形文化財になっていたりしますし、鉄門は国の重要文化財です。

で、メインの「祖師堂」(おまいりする所)の庇の当りを見ると、まあいろいろな装飾が施されておりまして、なかなか見ものです。

Dsc_12162_copy_1024x617 龍やら麒麟やら狛犬みたいのやらいろんな動物もいます。

Dsc_12142_copy_1024x638それがことごとくかっけーんですよねー。見事な細工です。双眼鏡や単眼鏡を持って、もっとじっくりご覧になるのもよろしかろうと思います。

Dsc_1213_copy_1024x576 昔と比べて、参道の(あげまんじゅうとかの門前っぽい)お店がほとんどなくなっちゃったのは残念なことです。

Dsc_1212_copy_1024x576 それでも、厄除けパワーもすごいお寺なのだそうで、よろしければどうぞ…って、小生が宣伝する義理はないんですけどね。

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2023年1月25日 (水)

「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」:芸がないが志がある    #シーセッド #シーセッドその名を暴け #キャリーマリガン #ハーヴェイワインスタイン

1_20230125141901 映画『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』は、#MeToo運動の発端となったハーヴェイ・ワインスタインの悪行告発をめぐる物語。ニューヨークタイムズの二人の女性記者が主人公なのですが、『大統領の陰謀』はワシントンポストの男性記者二人。なんかそこらへんにも時代の変化を感じるところです。両者の間には’77年と’22年という45年の差があるんですもんね。

この作品、当然ながら監督(マリア・シュラーダー)、脚本(レベッカ・レンキェヴィチ)」ともに女性です。主演のキャリー・マリガン、ゾーイ・カザン、そして実際の被害者であるアシュレイ・ジャッドらも含めて、「連帯」の意志が強く感じられます。

ただ映画自体としては、そんなに名作ではありません。映画としての語り方、映画としての見せ方が達者ではなく、普通というか真っ正直というかメリハリに欠けるというか、芸がないのです。ただ、まじめさが取り柄。真摯な志が感じられるので、最後まで憤りを感じたり感動したりしながら観ていられます。ただアメリカ伝統の正義の告発映画(近年でも『スポットライト』『ペンタゴン・ペーパーズ』『ダーク・ウォーターズ』などがあります)の名作に比べると、単調で弱いですよね。まじめだから許されるって感じです。

キャリー・マリガン、今37歳ですけど、すっかりオトナになりましたねえ。もっと老けて見えるショットもありました。あの手の顔は、子供顔のまま突然おばあちゃんっぽくなっちゃうタイプなんですよねえ。その予兆が見えておりました。でも、彼女は『プロミシング・ヤング・ウーマン』と本作とで、すっかり若さとカワイさからの脱皮に成功しました。息の長い女優になりそうです。 それと、いつも冷静で知的な(上司役の)パトリシア・クラークソンも良かったですね。

あ、あと日本の表記では「ハーヴェイ・ワインスタイン」ですが、映画では「ハーヴィー・ワインスティーン」と発音しておりました。

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2023年1月24日 (火)

日本アカデミー賞のノミネーション(優秀賞)    #日本アカデミー賞 #松本穂香 #のん #ハケンアニメ

毎年「バカバカしい」とか「茶番だ」とか思うのに、中継を見るとあまりのひどさに憤怒してしまうことも多いってのに、一応気にしてしまうのが日本アカデミー賞。今回のノミネーションが昨日発表されましたが、まあ、どうしてもいくつか言いたいことは出て来ちゃいますよね。

(優秀賞受賞作と受賞の方々はここにまとまってます↓)

日本アカデミー賞(2023年)優秀賞 受賞リスト一覧:第46回日本アカデミー賞|シネマトゥデイ (cinematoday.jp)

 

1.優秀賞とノミネートの違い

・・・本家アカデミー賞をはじめたいていの映画賞では、5作品とか5人とかをノミネートしてその中から受賞作(受賞者)を決めるのですが、日本アカデミー賞の場合、優秀賞が5作品とか7人とかあって、その中から「最優秀賞」が決まるってシステム。なので、最優秀賞に選ばれなくても「日本アカデミー優秀賞」の受賞作(受賞者)ではあるわけです。なんか厳しさがないというか、いかにも日本的な忖度を感じてしまいます。

2.ノミニ―(優秀賞)の多さ

・・・例えば今回の新人俳優賞は8名。助演女優賞も7人(清野菜名が2作でノミネートされているので、実は6人なのですが)。本家アカデミー賞はずっと5人を貫いております。ちなみに今回はやけにジャニーズ関係の受賞が多いので、ちょっと話題になっておりますね(その割には『ヘルドッグス』の岡田准一が選ばれてないってのは、どういうことなんだー! 大江戸の主演男優賞なのに)。

3.メジャー会社が優勢

・・・これは初期から何十年もそうなのですが、東宝、東映、松竹以外の配給作品は、かなり厳しいです。映画業界の賞なので、大きな映画会社に所属してたり関係してたりする人の数が多いので、インディペンデント系の作品は不利なのです。まあ、そうは言っても、’81年の『ツィゴイネルワイゼン』から昨年の『ドライブ・マイ・カー』まで、独立系の作品が受賞する場合も時々あるんですけどね。その昔は東映や松竹から噴飯ものの受賞作が出る時代もあったのですが、近年はあんまりとんでもない作品が選ばれることもなくなったので、それは一応評価したいと思います。

4.対象作品が1本なのは良いこと

・・・これは本家アカデミー賞などと同じです。例えば清野菜名が『キングダム2』と『ある男』で、それぞれ助演女優賞にノミネートされています。何が言いたいかというと、『キネマ旬報』賞では演技賞の対象がその年に公開された複数の作品になるのです。そんな「合わせ技」みたいな受賞ってどうなんでしょう? 少なくとも小生には抵抗があります。

5.でも笑っちゃいますよね

・・・大江戸ごひいきの松本穂香が、助演女優賞人のうちの一人にに選ばれたのは大変喜ばしいことですが、その作品が『“それ”がいる森』だってのにズッコケちゃいました。あんなトンデモ映画で受賞してもなー。今年公開の『恋のいばら』で受賞だったら納得がいくのですけどねえ。 もう一人ごひいきののんが『さかなのこ』で主演女優賞というのも嬉しいニュース。けれど、あの役って「主演男優賞」なんじゃね? 微妙ですね。それでも受賞式で民放の番組に出るのかと思うと、「偉大なる一歩」って気がします。これを突破口に、どんどん活躍の場が広がってくれるといいな。

そして今回は『ハケンアニメ!』が作品賞や演技賞などにしっかり入ってくれたのが嬉しかったです。アニメに偏り過ぎな今の東映にとって、とても重要な実写作品だと思うのです。

受賞式は3月10日だそうです。

 

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2023年1月23日 (月)

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」:偉大なるマエストロの業績    #映画モリコーネ #モリコーネ映画が恋した音楽家 #エンニオモリコーネ

1_20230123224001 映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』は、エンニオ・モリコーネの生涯と作品を網羅した157分の長編ドキュメンタリー。監督はモリコーネの代表作の一つ『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレで、彼は証言者の一人として出演もしています。

モリコーネを取り巻く人々の証言と、モリコーネ自身の語りと、映画作品のフッテージによって成り立っております。とにかく証言者が豪華。映画監督ではトルナトーレ、イーストウッド、タランティーノ、アルジェント、ベルトルッチ、映画音楽家ではハンス・ジマー、マイケル・ダナにジョン・ウィリアムズ、ミュージシャンではジョーン・バエズやブルース・スプリングスティーンといった人たちが、モリコーネとその業績を讃えます。ボス(ブルース)があんなにモリコーネのファンだとは知りませんでした。

マエストロ・モリコーネの卓越した業績がよくわかります。流行歌から室内楽などの純粋音楽まで、幅広く何でもできた人だったのですね。そして、マカロニ・ウェスタン(英語だとspaghetti western)諸作品から、『1900年』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ミッション』『アンタッチャブル』などなど名作の数々。それらの映画フッテージを観るだけで幸せな気分になります。

やっぱり『ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト)』って、映像も音楽も傑作ですよねー。あのラストに流れる『ジルのテーマ』の美しさ!を再確認できました。

それと、モリコーネさんは、ピアノとか楽器を使わないで、頭の中で作曲してそれをいきなり譜面に写し取るんですね。びっくりです。

長さが気にならないほど面白い作品でありました。でも冷静に考えると、モーリス・ジャールだってジョン・ウィリアムズだってジェリー・ゴールドスミスだって、同じように偉大だって気もしますけど…。 本作の原題は“Ennio”だけど、邦題は『モリコーネ』。ま、そういうもんなんですよね。

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2023年1月22日 (日)

「イチケイのカラス」:入間みちおの魅力    #イチケイのカラス #竹野内豊 #入間みちお #四宮秀俊

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映画『イチケイのカラス』は、フジテレビでのドラマ放映時から大好きでした。コメディーとシリアスの両立だとか、魅力的なキャラクターだとか、正義によって弱者が救われる物語だったり、とてもエンタテイニングで面白い作品でした。今回の映画は、それなりに満足しはしましたが、ちょっと不満もありましたね。まあ、それでも映画公開に合わせて先日放映されたスペシャル版よりは、ずっと面白かったのですけど…。

竹野内豊と黒木華の凸凹コンビの面白さは健在。竹野内さん演じる入間みちおの変人キャラクター、好きなんですよねー。あの「ふはっ」っていう笑い声も健在でした。また彼が法廷で見せるヒューマンな慈愛を感じさせる話しぶりもいいですよねー。竹野内さん、若い頃よりどんどん良くなっています。「堂々たる主役」にならない軽さが、彼ならではなのです。

今回は向井理、斎藤工、吉田羊、尾上菊之助、田中みな実といったビッグネームがゲスト出演しております。宮藤官九郎はあまりに特殊メイクなので、観ている時は「クドカンに似た誰か」だと思っておりました。 でも、入間の下についた柄本時生、西野七瀬コンビはどうにもショボい役で、妙にコミカル過ぎたし、バランスを崩していたと思うんですけどねえ。

(以下少々ネタバレあり) ところで、後半に物語が核心に近づくごとに妙にウェットになっていったのがよろしくないですね。黒木華が泣く場面なんか、あまりにも長過ぎました。そこらは「映画」ってことで、がんばっちゃたのかなあ。

一方で、「大きな絵」=素晴らしく美しい風景とか、人物を入れ込んだロングショット が、とても映画的でした。ワイドな絵作りの気持ち良さ。撮影監督は『ドライブ・マイ・カー』『マイスモールランド』『窓辺にて』などの四宮秀俊。さすがです。

 

 

 

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2023年1月21日 (土)

「キラーカブトガニ」:今年一の珍品    #キラーカブトガニ #トンデモ映画 #おバカ映画

1_20230121234301  映画『キラーカブトガニ』は、あのB・C級キワモノ映画でおなじみのエクストリーム(配給会社)が放ったトンデモ作品。いやー、好事家にとっては期待通りです。

とにかく展開は早いし、荒唐無稽だし、期待を裏切らないおバカ話だし、VFXは粗悪だし、かなりグロいし、見たこともない俳優たちはいかにも「安い」感じだし、でもそれらを気にせずに観れば面白いです。あなたの許容度が試される映画です。

原題は“Crabs!”。翻訳すれば『カニ!』ですね。(以降少々ネタバレあり) このカブトガニが、ひたすら狂暴でエイリアンみたいな奴らで…と思っていたら、実際に「第二形態」では二足歩行になっておりました。なんで? いや、たぶん「なんで?」と聞いてはいけないのでしょう。“Don't think. Feel.”の世界なのでありましょう。

(以降ますますネタバレあり) そして終盤には「第三形態」として、巨大化します。一方では手作り巨大ロボット(手作りできるわけないだろー!!)も出て来て、怪獣バトルや巨大ロボットものの世界になっていきます(そういえば第三形態は『エヴァンゲリオン』っぽい造形だったりしますね)。そしてそして、ラストカットは日本への深いオマージュです。 まあ、原発事故の放射能によって狂暴化、巨大化したってとこからして『ゴジラ』なわけですけどね。

Dsc_12242_copy_768x1118 『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』×おバカサメ映画+怪獣+巨大ロボットの世界with青春映画のニュアンスでした。今年一の珍品かも知れません。カブトガニの造形や動きなんか、ほぼ『さかなのこ』でしたもんねー。

入場者特典で、こんなポストカードをくれました。

 

 

 

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2023年1月20日 (金)

「おいしいごはんが食べられますように」(高瀬隼子):心温まりません    #おいしいごはんが食べられますように #高瀬隼子 #職場ホラー

Dsc_12194_copy_576x808 昨夏の芥川賞受賞作『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子/講談社)を読みました。最終ページのノンブルが152という中編です。かわいらしい表紙イラストのイメージとは違って、かなり毒性の高い小説です。「職場ホラー」なんて感想も目にしたことがありました。読み終わって、嫌な気分になること確実です。勘違いして買っちゃって後悔した人、いっぱいいそうですね。

主に職場を舞台にした人間関係の物語です。ただ、そこに「食」に対する変わった価値観だとか、毒気たっぷりの本音だとかが絡まって来て、絶対に心温まらない仕上がりになっているのです。

ある男性社員の食に対する、というか「おいしくごはんを食べること」に対する恨みや嫌悪感が、大江戸的には信じられないというか、非常に嫌な気持ちになるものでした。でも思いだしてみれば、小生も10代の頃などはそんなに食やおいしいものへの執着ってなかったですね。年を経るごとにどんどんおいしいものが好きになり、こだわりも出て来たように思います。でも、この作品内の彼は異常。正常の殻をかぶった異常なので、始末が悪いですね。なんであんなに屈折してしまったのか? ま、こんな人が出て来て、その濁り切った心の闇を見せてくれるのが文学ってものかも知れません。

今後、映画かTVの単発ドラマでの映像化ってのはあるのでしょうか? なんか観たいような観たくないような…、こわいですねー。

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2023年1月19日 (木)

セブンイレブンの蒸しケーキシリーズ    #お店で蒸したシリーズ #ほかふわたまご蒸しケーキ #中華風蒸しケーキマーラーカオ #3種の北海道チーズ蒸しケーキ

Dsc_11642_copy_653x600_20230119141201 昨年10月28日にも紹介したセブンイレブンの『お店で蒸した ほかふわたまご蒸しケーキ』。おさらいの意味で、もう一度載せておきます。

これ、中華まんの販売ケースで蒸して売るという画期的な発想によるシリーズの第一弾だったのです。確かに冬場以外は中華まんって、そんなに売れてませんもんね(大江戸は好きなのですが)。そこで、あの蒸し器を有効利用というアイディア。

名前の通り、ほかほかでふわふわでした。やや小ぶりで、淡い甘さ。ちなみに242kcal。地味においしいです。

 

Dsc_11913_copy_518x800 で、その翌月に続編というか姉妹品というか、入れ替わりで『お店で蒸した 中華風蒸しケーキ マーラーカオ』が販売されました。こっちは233kcal。

Dsc_11923_copy_705x620見た目では色が濃いところが差異ポイント。でもそれ以外は、ほとんど似ていて、小ぶりサイズも淡いお味も食感もほとんど同じ。あのマーラーカオ独自のコクや油っ気は感じられませんでした。目をつぶって食べたら、どっちがどっちかわからないんじゃないでしょうか? やはり地味においしいので。

 

Dsc_1217_copy_1365x768_20230119142801 そして第3弾として登場したのが、『お店で蒸した 3種の北海道チーズ蒸しケーキ』。169kcalと比較的カロリー抑え目。表面の焦げ模様の白抜き部分が北海道の出来損ないみたいにも見えるのですが、どうもこれは偶然にこんな形になったようです。

うん、まあチーズケーキのスフレタイプですよね。マゼランとかりくろーおじさんに近いタイプ。でもあったかいのが珍しくって、お値打ちです。先行した蒸しケーキに近い部分もありますけど、こっちの生地の方がきめ細かくしっとり詰まった感じです。まあ悪くはないけど、絶賛するほどでもないですね。

 

てなわけで、このシリーズは地味にまだもう少し続くのかも知れませんね。一応歓迎します。

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2023年1月18日 (水)

ソースか? ソースね。    #ソース味スナック #タコシン #キャベツ太郎 #ひとくちソースカツ #勝利のハム勝ツ

Dsc_12254_copy_587x794 ソース味のスナックっていかにもチープですけど、チープならではの良さがありますよね。好きだなあ、ソース。

まずは『タコシン』。勝新太郎がカツシンなので、こちらは「たこ八郎」の兄弟の「たこ新太郎」(そんなのいるのか?)でしょうか?  それともこの「シン」は『シン・ゴジラ』などの「シン」なのでしょうか?

Dsc_12264_copy_587x610大阪のアイデアパッケージという会社の製品。たこやきといっても球形じゃなくて、ご覧のような感じ。たこ焼きからひっぺがした皮ってイメージです。青のりとソースと紅ショウガで、まさにたこ焼き気分なのですが、肝心なタコはどこにも入ってませーん。パッケージには「超リアル パチモンたこやき」って書いてあるけど、「パチモン」ではあるけれど「超リアル」ではないですよねえ。ぬれ煎餅的な食感も、評価が分かれるところでしょう。

Dsc_12292_copy_933x587_20230118223701 で、衝撃的だったのが裏側の原材料表示。「タコ」は入ってないのに、「するめパウダー」って書いてあるやないかーい!! これじゃあ「イカシン」やないかーい!!

 

Dsc_12132_copy_768x868 続いてはロングセラー駄菓子の『キャベツ太郎』。あの「うまい棒」でおなじみ「やおきん」さんの商品です。これ何が「キャベツ」なんだかわからない味ですし(何が「太郎」だかわからない味でもあります)、何でカエルの警察官みたいなビジュアルなのかもわからないという謎の商品。

Dsc_12144_copy_1271x768 で、黄色っぽい割にお味はソース。裏側にも「ソース」って書いてあります。通信簿に関係なくおいしいそうです。 岡本太郎、縄文太郎、河野太郎、キャベツ太郎…まあ、そういった流れです(他に「蒲焼さん太郎」とかもありますよね)。

 

Dsc_12142_copy_450x711 三つ目は『ひとくちソースカツ』。共同食品工業の製品ですが、工業製品とは言えません。揚げ物好きにはたまらないパン粉とソースのビジュアルですね。

とは言え、体には良くなさそうですよねー。開けたとたんに油の酸化が進みそうだし(まあ、ポテチとかも同じことでしょうけど)、いかにもチープ。でも、ソースを堪能できます。オタフクソースを使用しているそうです。 こちらも豚肉とかではなく「魚肉製品」だってところが、それなりに衝撃的です。

 

Dsc_1136_copy_576x793 最後は「カツつながり」でこれ。『勝利のハム勝ツ』です。しゃれた輸入雑貨などを売っている渋谷のAWESOME STOREで買いました。これまた「ソースぬれせん」です。形状的にもタコシンに近いですしね。どこがハムやねん?ってぐらい、ハムを感じません。

パッケージの絵は金メダルをかじる人ですが、この形状はとてもメダルには見えませんよねえ。まあ、日本ハム・ファイターズのファンにとってはゲン担ぎの縁起物なのでありましょう。

 

てな感じで、ソース味のスナック菓子はチープ界の王者なのであります。ソース、ブラボー! でも、たまに食べるにとどめましょうね。

 

 

 

 

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2023年1月17日 (火)

カップのビャンビャン麺    #ビャンビャン麵 #カップ入りビャンビャン麵 #サンヨー食品ビャンビャン麵 #ビャンビャン麵風辛口麻辣湯麺

Dsc_12193_copy_780x768 サンヨー食品の『ビャンビャン麺風   辛口麻辣湯麺』、コンビニで見かけて即買い! どこまでが商品名だか判然としないパッケージのフタですが、サイトで確認してみたら「史上最大級幅広麺」って部分は、キャッチフレーズのようです。わかりにくっ!

昨年来何度もビャンビャン麺についてお伝えしてきた大江戸ですが( ↓ )、この「ビャン」というめちゃくちゃ画数の多い漢字を正しい書き順で書ける大江戸ですが、ついにカップ麺にまでなったかと感無量です。

ビャンビャン麵の漢字(画数最多)    #ビャンビャン麵 #最も画数が多い漢字 #ビャンの字が書けます #カルディのビャンビャン麵: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

冷凍食品のビャンビャン麺    #ビャンビャン麵 #冷凍食品のビャンビャン麵 #ビャンの字が書けます: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

笹塚のビャンビャン麵専門店    #ビャンビャン麵 #西安ビャンビャン麵 : 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

Dsc_12203_copy_862x768 いや、これ辛いっす。辛さにそんなに弱いわけじゃない大江戸でも、かなり厳し目に辛いっす。麻辣の「辣」の方、つまり唐辛子系の辛さ。液体スープを全量入れたらそうなったので、辛さに弱い方は量を調整されるといいでしょう。「麻」の方、つまり花椒(ホワジャオ)もそれなりに効いております。

Dsc_12214_copy_1009x768 ただ、この麺がねえ…。幅広といっても1㎝ぐらいだし、ぜんぜんコシのない薄い麵で。もうちょっとちゃんとした麺というか、せめて巾か厚さかどちらかでも本物に近づけていればなあ、ってところなのです。これに「ビャンビャン麺」と銘打っちゃうのは、なんか違いますよねえ。残念です。

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2023年1月16日 (月)

「キャバレー」:ボブ・フォッシーの味    #キャバレー #映画キャバレー #ボブフォッシー #ライザミネリ

Cabaret 映画『キャバレー』は1972年作品。もう半世紀もたっているわけです。大昔に一度映画館で観たことがあるのですが、「午前10時の映画祭」に登場してきたので、TOHOシネマズ新宿のスクリーンで再見した次第。「大人になってから」の方がよくわかる作品だよなあと思ったのです。

まあ、でも本質はさほど変わらず。良い点もそうでない点もある作品だし、小生にとってそんなに好きになれる作品でもありませんでした。このクセと暗さが嫌なんですよねえ。ただ、戦争の足音が忍び寄って来るあたりの描写は、今の日本(タモリ氏が「2023年は新しい戦前になるのでは」と言ったとか)を重ね合わせて不吉な気持ちになるものであり、そこが本作の値打ちであります。あとはLGBT的な値打ちもあるのかな。

キャバレーのステージで繰り広げられるソング&ダンスの数々は、まさにボブ・フォッシーの世界。まあ、これのために本作を観に来たわけですが、中規模人数での群舞というフォッシーらしさを堪能させてくれます。しかも通常のミュージカルの撮り方のように全身をカットを割らずに見せるのではなく、いろんなサイズのショットをいろんな角度から撮ったものをつないで見せていきます。自分のコレオグラフィーだから、その勘所、見せ所が隅々までわかっているので、こういうことをやっても極めて効果的なのですね。そしてステージ照明の光と影を活かした撮影も、フォッシー作品ならでは(『レニー・ブルース』にも『オール・ザット・ジャズ』にも共通してます)。

でもライザ・ミネリのというより、本作の主人公サリー・ボウルズの下品なアクの強さには辟易してしまうのです。ステージの出し物も猥雑だけど、ちゃんと品(ひん)があるんですね。でも、このサリーさんはねえ…(以下略)。 そういえば、『バリー・リンドン』でレディ・リンドンを演じる前のマリサ・ベレンソンが、柄に合った役で出ておりました。

 

 

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2023年1月15日 (日)

「そして僕は途方に暮れる」:映画史上最低級に情けないダメ人間    #そして僕は途方に暮れる #三浦大輔 #藤ヶ谷太輔 #鼻汁びよーん #大澤誉志幸

1_20230115214501 映画『そして僕は途方に暮れる』は、三浦大輔が藤ヶ谷太輔と組んだ舞台劇の映画化。前情報ほとんど無しで観てるので、いやー、驚きました。この主人公のあまりのダメ人間ぶりにぶっとびました。アイドルがこれでいいんですか、藤ヶ谷くん?

人との関係、状況がまずくなると、荷物をかついでとにかく逃げ出す。ある意味それは、自分を安全な所に置いておかねばという本能なのでしょうか? とにかくここまでクズでダメで情けない主人公って、日本映画史上でも初めてなのでは?と思ってしまうほどでした。恋人からも、友人からも、家族からも、イラっとされ、呆れられ、キレられ、馬鹿にされ、見放され…、そんな男が逃げて逃げて逃げ続けるロード・ムービー。主人公には辟易しましたが、映画としては面白かったです。

主人公が逃げる東京の夜や、帰り着く苫小牧の実家付近などの映像が、いかにも寒そうなんです。この場合、寒くないと辛さが伝わりませんからね。暖かいと、まあ何とかなっちゃいそうですから。寒さは体にも心にも堪えます。だから大江戸は、寒いのが嫌いなのかなあ…。

(以降少々ネタバレあり) 昨年『前科者』の森田剛に関して書いた、名演技に見える「鼻水びよーん」をやる人が増えている問題---本作の藤ヶ谷くんもやってます。森田剛のように延々とはやりませんでしたが、うーん、どうなんすかねえ?

エンドロールにかぶる大澤誉志幸の『そして僕は途方に暮れる』は、ご本人によるニュー・アレンジ・バージョンでしたが、やっぱり原曲の方がいいですよねえ。この映画にだって、ぜんぜん原曲でかまわないと思いますけど。残念。

 

 

 

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2023年1月14日 (土)

「嘘八百 なにわ夢の陣」:ますますゆるい3作目    #嘘八百なにわ夢の陣 #嘘八百3 #中村ゆり

1_20230114123401 映画『噓八百 なにわ夢の陣』は、「よく続いてますね」って感じのシリーズ第3作。大江戸は1作目で「もういいや」って感じというか、そもそも2作目、3作目が作られるとは思っておりませんでした。ところが、2作目は主題歌がクレイジーケンバンド(『門松』)。今回は中村ゆりが出演ってことで、観てしまいました。なかなか痛い所を突いてきますね。

で、いつも通りというか、ひどくつまらなくはないけれど、そう面白くもないというゆるさ。なのに、この話に2時間2分もいりますか? もう、骨董とか贋作とか美術館とかの件りになると、コメディーだからまあ許せるけれど…って感じの噴飯ものの描写。今回はその嘘くささが更に広がったように思えました。

あと、贋作の茶碗づくりと絵画の創作を並行して描いた4分割などのスプリット・スクリーンですが、こんなにその効果を発揮しないスプリット・スクリーンってのも初めて見ました。編集の勘所がよろしくないのかなあ。不思議です。

ボブカットにした中村ゆりさんは、うーん、全体的にあまり魅力的ではなかったなあ。キャラクターに合わせて気の強そうな顔とか怒った顔とかしていると、彼女の良さが出ないなあと思った次第。「薄幸顔」なので、終盤に少し弱みを見せたり悲しげになったりした顔の方が明らかに良いのです。難しいですね。

坂田利夫師匠、まだ生きてるようですが、病気か何かで出演不可能なんですかね。二代目「よっちゃん」を酒井敏也が務めておりました。まあ、確かに「さか」と「とし」は一緒ですけど…(そこ狙いのキャスティングなんでしょうか?)。

(以降ネタバレあり) エンドロール終了後に、次回作(台湾篇)が示唆されておりました。まだやるんかいっ?!

 

 

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2023年1月13日 (金)

「アニメージュとジブリ展」@松屋銀座    #アニメージュとジブリ展 #松屋銀座 #鈴木敏夫 #宮崎駿

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松屋銀座で開催中の『アニメージュとジブリ展』(~1/23)を観ました。想像以上の内容充実と面白さで、適当に飛ばしながら観ていたのに1時間まるまる楽しんでしまいました。これ、2021年4月に松屋銀座で開幕したものの、緊急事態宣言の発令によりわずか10日間で閉幕となった展覧会の捲土重来なのだそうです。

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タイトルからはビジュアルや動画やキャラクターの展覧会かなと思っていたのですが、実態はほとんど鈴木敏夫さん(アニメージュ編集長からジブリのプロデューサーなど)の仕事人生を巡る展覧会で、「(出版業界の)仕事と時代」の切り口がとても面白かったのです。いや、これは斬新ですし、大人ウケします(反対に、響かない人や期待はずれに感じる人も多いのかも)。確かに(平日夕方の)客の入りは、少ない感じに見えました。でも、「人が一所懸命働くことで、文化や世の中が変わっていった」ことをわからせる好企画だと思いますけどねー。けっこう「読ませる」展覧会でもあります。

Dsc_12142_copy_768x1269 入口にはいきなりインパクト抜群の巨大(実物大?)ネコバスなのですが、それよりも周囲の『アニメージュ』の表紙が物語るような展覧会です。※会場内は原則撮影不可ですが、撮影可能な展示品がいくつもありました。

Dsc_12152_copy_1252x768 鈴木敏夫さんの先輩である尾形英夫さんが、公私混同で(息子を喜ばせるために)始めた雑誌が『アニメージュ』だったとか何とか、知ってる人は知っているのでしょうが、小生などは「へー」と思うことの連続でした。鈴木さんが編集部用に用意した手書きの「校正マニュアル」なんか、「なるほどなるほど」でしたねえ。そういう世界の端っこをちょっとかじったことのある大江戸などは、とても興味深く拝見しました。

Dsc_12172_copy_909x7681980年代のイケイケ時代の雑誌屋さんたちの編集部の雰囲気がよくわかりましたし。校了前の深夜1時の編集部に60人からの人がたむろして徹夜で雑誌を作っていた、その(「働き方改革」の「は」の字もない時代の)熱気が、ある意味「楽しそう」でした。’80年代の職場や部屋の再現、ガジェットなどもあり・・・

『ガンダム』とか『マクロス』とかもあり・・・

Dsc_12184_copy_768x1269 そして『アニメージュ』は、いや鈴木敏夫は宮崎駿と出会ってしまうのです。『未来少年コナン』のパネル展示で、当時の宮崎駿さんが歯をむき出して笑っている写真が、コナンそっくり! ああ、宮崎作品でよく見かけるあの表情は、宮さん自身だったのですね。

そこから『アニメージュ』は、映画『風の谷のナウシカ』を製作することになるのです。このナウシカ・パートはかなりの分量がありました。崩れゆく巨神兵だとか瘴気用のマスクをつけたナウシカとかの造形物も展示されておりました。映画館の看板絵までありました。安田成美の『ナウシカ』イメージソングも流れてたしね。

Dsc_12202_copy_1365x768 そこからスタジオジブリへ、『ラピュタ』へ、そして『トトロ』へとつながっていくのです。

Dsc_12225_copy_768x1131 最後のコーナーには、壁面にずらりと『アニメージュ』やジブリ映画ポスターが展示されております。

Dsc_1223_copy_1365x768 あ、あと昨秋愛知県にオープンした「ジブリパーク」を鈴木敏夫と宮崎駿(と宮崎五朗)が訪ねた時の写真もありました。宮さんもですけど、鈴木さん、ちょっと見なかったら随分おじいちゃんになっちゃいましたねー。

Dsc_12252_copy_768x1365 物販コーナーの充実も、なかなかでした。 そして松屋銀座の中央ホールの吹き抜け空間には、藍染めの布に、ジブリ作品の名場面が白抜きされているのでしたー。Dsc_12264_copy_768x1365

 

 

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2023年1月12日 (木)

2022邦画トップテン    #2022日本映画トップテン #2022邦画ベストテン #愛なのに #ハケンアニメ

1_20230112230801 大江戸時夫の2022映画トップテン。昨日の洋画篇に続いて、邦画篇です。(  )内は監督名。

1.愛なのに(城定秀夫)  2.ハケンアニメ!(吉野耕平)  3.窓辺にて(今泉力哉)  4.神は見返りを求める(吉田恵輔)  5.流浪の月(李相日)  6.すずめの戸締まり(新海誠)  7.シン・ウルトラマン(樋口真嗣)  8.恋は光(小林啓一)  9.THE FIRST SLAM DUNK(井上雄彦)  10.メタモルフォーゼの縁側(狩山俊輔)  次点.さがす(片山慎三)

<その他の記憶すべき作品>  麻希のいる世界  ちょっと思い出しただけ  やがて 海へと 届く  マイスモールランド  PLAN75  ヘルドッグス  SABAKAN サバカン  手  線は、僕を描く  猫は逃げた  夜を走る  この子は邪悪  の方へ、流れる  ケイコ 目を澄ませて  かがみの孤城        ある男 

監督賞:城定秀夫(愛なのに)  脚本賞:今泉力哉(愛なのに)  撮影賞:大内泰(やがて 海へと 届く)  VFX賞:シン・ウルトラマン  主演女優賞:倍賞千恵子(PLAN75)、吉岡里帆(ハケンアニメ!)  主演男優賞:ムロツヨシ(神は見返りを求める)、岡田准一(ヘルドッグス)  助演女優賞:森田望智(さがす)  助演男優賞:酒向芳(ヘルドッグス)  新人賞:嵐莉菜(マイスモールランド)

広告コピー賞:見返りを求める男と恩を仇で返す女の心温まりづらいラブストーリー (神は見返りを求める)

歌唱賞:池田エライザがフルコーラス歌った『Misty』(真夜中乙女戦争)

ドイヒー賞:ブラックナイトパレード        おそ松さん  “それ”がいる森  百合の雨音  天間荘の三姉妹

 

不作の外国映画に較べて、日本映画はすっごく頑張っています! 圧倒的な1位作品こそなかったものの、いつもならテンに入るレベルの秀作が20本以上あって、本当に選ぶのが大変でした。

1位の『愛なのに』は今泉力哉の脚本が見事で、笑って感心して感動。クライマックスの「愛を否定するな!」には、打たれましたね。 2位の『ハケンアニメ!』は、メジャーの東映が今、実写でこの作品を作ったことの意義を大いに湛えたい、お仕事映画の傑作です。 吉野耕平や狩山俊輔といった新鋭には、今後への期待しかありません。

主演女優賞は倍賞、吉岡の他に、岸井ゆきの(神は見返りを求める)、田中裕子(千夜、一夜)にもあげたかったです。同様に、助演女優賞は広末涼子(あちらにいる鬼)、白鳥玉季(流浪の月)、助演男優賞は三浦友和(線は、僕を描く)、新人賞は日高麻鈴(麻希のいる世界)が獲ってもおかしくないと思っています。

名前を挙げた作品の中で、女性監督は川和田恵真(マイスモールランド)と早川千絵(PLAN75)だけ。数年前よりむしろ後退してしまった感があるのは、なぜなのでしょうか?

 

(洋画篇はこちら ↓ )

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/post-fa735e.html

 

 

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2023年1月11日 (水)

2022洋画トップテン    #2022年外国映画トップテン #2022年洋画ベストテン #ベルファスト

Belfast-1 はい、近年だんだん発表日が早まっている大江戸時夫の年間映画トップテン。まずは外国映画篇から発表します。(  )内は監督名。

1.ベルファスト(ケネス・ブラナー)  2.あなたの顔の前に(ホン・サンス)  3.パラレル・マザーズ(ペドロ・アルモドバル)  4.ザ・ビートルズ GET BACK ルーフトップ・コンサート(ピーター・ジャクソン)  5.ナイトメア・アリー(ギレルモ・デル・トロ)  6.クライ・マッチョ(クリント・イーストウッド)  7.あのこと(オードレイ・ディヴァン)  8.ハウス・オブ・グッチ(リドリー・スコット)  9.スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(ジョン・ワッツ)  10.ザ・バットマン(マット・リーヴス)  次点.エルヴィス(バズ・ラーマン)

<その他の記憶すべき作品>  ロックン・ロール・サーカス  ハッチング  ニトラム  リコリス・ピザ  ワン・セカンド 永遠の24フレーム  ボイリング・ポイント 沸騰  アムステルダム  TITANE チタン  MEMORIA メモリア  ドント・ウォーリー・ダーリン  ザ・メニュー

監督賞:ケネス・ブラナー(ベルファスト)  脚本賞:同左  撮影賞:ハリス・ザンバーラウコス(ベルファスト)  美術賞:タマラ・デヴェレル(ナイトメア・アリー)  主演女優賞:ペネロペ・クルス(パラレル・マザーズ)  主演男優賞:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(ニトラム)  助演女優賞:ジュディ・デンチ(ベルファスト)  助演男優賞:エウヘニオ・デルベス(コーダ あいのうた)  新人賞:ジュード・ヒル(ベルファスト)

ドイヒー賞:ゴーストバスターズ アフターライフ        オートクチュール  Zola ゾラ

 

コロナ禍下で製作本数が減少している影響という以上に、外国映画の不作は頭を抱えるほど。1位にふさわしい作品がないばかりか、10本選ぶのに苦労するありさま。豊作の年なら、今年の3位ぐらいまでしかテン入りしないでしょう。2023年には盛り返してくれますように! アメリカ映画が4位までに入らなかったのもそういう理由なのでしょうが、そうは言っても5位以降は『あのこと』以外は全てアメリカ映画でした。

そんな中で、『ベルファスト』は見事な個人映画。ケネス・ブラナー監督がこんなに良い仕事をしたことは、これまでありませんでした。モノクロ撮影(+冒頭の美しいカラー!)の素晴らしさ。下町人情と役者の味。コメディと「しみじみ」と感銘の鼎立。「こういうのが映画ってもんだ」と感じました。

ホン・サンスもアルモドバルもますます凄い映画作家、いわば「名匠」になってきています。 主演女優賞は、イ・ヘヨン(あなたの顔の前に)も良かったのですが、ペネロペ・クルス(パラレル・マザーズ)の繊細な好演は彼女のベスト。 ジュディ・デンチ(ベルファスト)はラストのアップ。深く刻まれたシワまでもが、演技をしておりました。 エウヘニオ・デルベス(コーダ あいのうた)は、メガネとヒゲの音楽の先生役。個性も存在感もあり、今後売れるのではないでしょうか。

『戦争と女の顔』の評判が良いようですが、年末から年始に上映している関東の劇場がなくて、未見のままなのが唯一の心残りです。以前なら渋谷と吉祥寺のアップリンクで、有力作品の見逃し上映をやってくれていたんですけどねえ。

(邦画篇はこちら ↓ )

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/post-939905.html

 

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2023年1月10日 (火)

「かがみの孤城」:誠実さと驚きの感動    #かがみの孤城 #辻村深月 #原恵一

1-1_20230108225601 映画『かがみの孤城』は、2018年本屋大賞を受賞した辻村深月の小説をアニメーションにした作品。まじめな、良い作品です。

 いじめ問題に真摯に取り組んだアニメということで、『聲の形』を思い出したりもしました(そういえば、どちらも松竹配給作品です)。安直な解決は用意してないけれど、この作品を観た一人一人が考えたり勇気を持ってくれたらいいなと思います。

(以降少々ネタバレあり) ファンタジーとしてなかなかの出来と思っていましたが、ラスト10分かそこらで大変な大技を使ってきたので、不意を突かれて涙腺に来ました。「時間SF」としての感動で、大いに心揺さぶられました。いやー、あの人に助けてもらったあの人が、将来あの人を助けることになっていくとは!

絵の魅力は正直今一つというか、ごく普通なのですが、誠実で「観て良かった」と思える映画です。原恵一監督って、2018年に紫綬褒章を受章していたんですってね。びっくり。

北村匠海、麻生久美子、芦田愛菜、宮崎あおい、板垣李光人…と、やたら豪華俳優が揃った吹き替え陣にも驚きました(観てる間は、麻生さんしか気づかなかったけど)。

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2023年1月 9日 (月)

日テレ ベレーザ、マイナビ仙台とドロー    #ベレーザ #beleza #WEリーグ #ベレーザ対マイナビ #北村菜々美

Dsc_12177_copy_601x833 2023年の初サッカー観戦は本日のWEリーグ、日テレ 東京ヴェルディ ベレーザ 対 マイナビ仙台レディース。味の素フィールド西が丘は、快晴&ぽかぽか暖かい観戦日和でした。いや、バックスタンドは日が当たるので、むしろ暑いぐらいでした。売り子さんからビールを買ってしまいましたし。ここの売り子さんは人数少ないけど、階段上下動を感心するぐらい繰り返して、皆さんとても感じが良いのです。

Dsc00370 そして、太陽がまぶしかった! この時間帯(14時キックオフ)のバックスタンドはここにしてもレモンガススタジアムにしても西日がえらくまぶしいことを忘れて、つば付きキャップとサングラスを忘れて来ちゃいましたー。

Dsc_12173_copy_1024x601 それはさておき試合の方は、新たな年の初戦を白星でとはいかなかったベレーザ。終始攻めまくりながら、0-0のドローで終わりました。前半にPKもらったのに、小林里歌子が止められちゃいましたからねー(これに限らず、仙台のGK松本が当たっていました)。

Dsc00368 ベレーザのシュートは「よくもまあ」というぐらい、何本も何本もGKやクロスバーやポストに阻まれました。終盤にはマイナビ仙台がドロー狙いで、ベタ引きの守りに徹して来たので、そこを打ち破るのは困難でした。

Dsc00364 左サイドバックでフル出場した宇津木瑠美は、攻守に存在感を見せつけ、さすがでした。今日はむしろ前線の選手がパッとしませんでしたね。マイナビに人数をかけてしっかり守られちゃいました。

今日の北村菜々美は、左のサイドハーフで72分までプレイ。昨秋以来のくねくねパーマから、以前のキノコ頭になっておりました。最近は一人オレンジ色のシューズなので、どこにいてもすぐわかります。前半は強度の高い守備でボールを奪取したり、これまでよりアグレッシブなプレイが出ていて、よしよしと思った次第。何しろワールドカップ・イヤーですから、最初から飛ばしていかないと。

Dsc00376 でも相変わらず遠慮がちなので、コーナーキック時に1人で自陣に降りて守りを担当したり(後半は指示があったのか、ほとんど前の方にいましたが)、シュートを打っていいのにと思うところでパスを選択したりしておりました。前線の選手なんだから、もっとガンガン行ってほしいですねえ。

Dsc00391 それでも時折、精度の高い見事なパスを刺し込んでおりました。あれには、しびれます。でも、後半徐々にミスが増え、プレイも消極的になっていって残念でした。失敗を避けるようなバックパスが多いので、基本うまいんだから「失敗してもいいからもっとトライしなさい」と教えてあげる指導者がいてくれるといいんですけどねえ。(代表定着のためにも)あと一皮むけてほしいのです。

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ハーフタイムに高校チアリーディング部のショーがありました。かなり飛んでおりまして、びっくり。

 

 

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2023年1月 8日 (日)

「非常宣言」:パワフルな娯楽性に脱帽    #非常宣言 #韓国映画 #航空パニック映画 #バイオテロ #イビョンホン #ソンガンホ

1_20230108212301 韓国映画『非常宣言』は、’70年代「パニック映画」のような、スーパー・エンタテインメント。いやー、凄い。面白い。日本映画はおろか、ハリウッドにも勝ってますよ、このパワフルな娯楽性と絵作り。おなか一杯の2時間21分です。

観ていて、『カサンドラ・クロス』、『エアポート』シリーズ、『新幹線大爆破』、『ダイ・ハード2』、『新感染』などを想起するのですが、てんこ盛りのアイディアやサスペンスや泣かせにおいて、それらを凌駕しております(でも『ダイ・ハード2』には負けるかなあ)。でも今のVFX技術があれば、日本でも作れる作品だと思います。それがそういかないところに、現在の韓国映画と日本映画の差を感じないわけにはいきません。残念ながら、この差は小さくありませんねえ。

こういう作品には、(『エアポート』シリーズのジョージ・ケネディ的に)頼れる兄貴=マ・ドンソクにも出ていただきたかった気がします。でも、イ・ビョンホン×ソン・ガンホという二大スターの競演(といっても、最後にしか顔合わせをしないのですが)があります。イ・ビョンホン、ちょっと遠藤憲一に似て来たんじゃないでしょうか。

中盤で飛行機がコントロールを失う場面の描写はなかなかスゴイです。迫力と斬新さとサスペンス。 そして終盤は結構感動させます。泣かせます。そういったエモーショナルな感覚が、いかにも韓国映画です。「通俗性の強さ」でぐいぐい押して行きます。でも、悪くありません。

それはそうとこの映画、いくら面白くっても飛行機の機内用にはできませんねえ。

『RRR』といい本作といい、アジアの娯楽映画、キてますねえ。日本のメジャー会社の方々にも、高い志を持って挑戦していただきたいと切に願います。

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2023年1月 7日 (土)

「恋のいばら」(舞台挨拶付き上映)    #恋のいばら #松本穂香 #玉城ティナ #城定秀夫 #シネクイント

1_20230107230101 映画『恋のいばら』の公開記念舞台挨拶付き上映に当選したので、TOHOシネマズ日比谷のスクリーン12、つまり旧日比谷スカラ座の大きなスクリーンに行って来ました。まあ、最後列ではありましたが、そしてマスコミ以外には一切撮影が許されなかったのが残念でしたが、久々に(『みをつくし料理帖』以来かな)「ナマ松本穂香」を拝むことができました。報道されたように、壇上で東京大神宮のおみくじをひいて、そのインパクトの強いお言葉に、彼女も我々も大笑いしちゃいました。 ついでにナマ玉城ティナも拝むことができました(さらについでに、渡邊圭祐や城定秀夫監督まで)。

で、映画自体はなかなか良かったですよ。ほとんど知られていない2004年の台湾映画『ビヨンド・アワ・ケン』(大江戸も知りませんでした)のリメイクだそうですが、かなりアダプテーションを行っているようです。城定監督が娯楽職人としての腕の冴えを見せてくれます。

Dsc_12102_copy_768x1342 劇中の映画館場面(コメディー&サスペンス演出が傑作)は、渋谷のシネクイントのスクリーン1ですね(この作品はそこでも公開されているのです!)。そういえば昨年末に行った際、本作でも印象的に使われているエレベーターの扉が『恋のいばら』になってましたもん。ちなみに、エレベーター内部のシーンは別ビルの映像ですね。

で、それよりも何よりも(昨年の『“それ”がいる森』では消化不良だった)松本さんが、メガネで、ぼーっとしていて、良いのです! あたかも『ひよっこ』の澄子が少し成長して現代に現れたかのようですね。こういうのが「マツモトならでは」の領域だと思います。 彼女と玉城ティナとの対照的なコンビネーションや、そのバディっぷりが素晴らしいですね。玉城さんは『Diner ダイナー』の時のあの完璧な美しさからはちょっと変わってきたようですが、その演技が気になる女優さんであります。

(以降少々ネタバレあり) 終盤にあっと驚くどんでん返しがありまして、その時点でそれまでを思い出すと、いろんなことが腑に落ちるのです。ずっと「この設定、なんだか弱いんじゃない?」と思っていたことも、「あ、そういうわけだったんだ」と納得できちゃいます。再見すると、更にいろいろ発見があるんでしょうね。

どうでもいいけど、終盤のあの場面、スイスじゃなくてオランダにしか見えないんですけど…(風車にチューリップだなんて)。

 

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2023年1月 6日 (金)

新年も、変わった自販機    #変わり種自販機 #オモシロ自販機 #変な自販機 #おにぎり自販機 #焼き鳥自販機 #ベルばら自販機 #生ホイップは飲み物

Dsc_12213_copy_768x1321 昨年もいろいろ紹介して来ました変な自販機シリーズ。今年もやらせていただきます!

 

まずは、この「おにぎり自販機」。しばらく前に撮ったので、どこにあったのか忘れてしまいましたー(笑)

Dsc_12224_copy_768x1005 おにぎりのみならず、海苔、丸もち、お米、うどん…と、いろんな物を売ってますねー。共通点があるとすれば海苔以外は白い物、海苔以外はでんぷん系ってことでしょうか?

おにぎりがちゃんと完売するのか? フードロスや食中毒の問題は大丈夫なのか?ってあたりが、ちょっと気になります。

 

 

Dsc_12133_copy_768x1353 続きましては、自販機の名所・東京メトロ有楽町駅にあったこれ。

Dsc_12152_copy_1151x768 焼き鳥自販機~、って何?

Dsc_12142_copy_1214x768 確かに「焼き鳥4本セット ¥1,200」とか「鳥鍋 ¥1,150」とか「きじ焼き ¥840」とかが並んでおります。

なんと「うなぎのかば焼き ¥2,700」や「お新香 ¥480」までありました。つわものですねー。

ちなみに、日本橋茅場町の「鳥徳」というお店の期間限定企画のようでした。

この自販機とビール、日本酒の自販機が並んでおいてあったら最強ですね。

 

Dsc_12124_copy_768x1223 そして、銀座の東急ハンズのフロア内にあったこれ。『ベルサイユのばら』のハンカチbyアナ・スイの自販機です!

Dsc_12137_copy_768x1123 隣の什器に置かれた見本をここで買えるって寸法です。売場ならレジがあるのに、なんで自販機?とも思いましたが、なるほど、これがあった方が楽しくスピーディーに&気兼ねなく買えるんで、売上もアップするってことなんでしょうね。

 

Dsc_1198_copy_768x1365 最後にご紹介するのは、新宿アルタの地下にあったこいつ。黒くてカッコイイのですが…

Dsc_1199_copy_768x1365 サイドを見ると、おお、謎の少女キャラが!

「NAMANOMI」って書いてありますね。生飲み?

どうやら、生ホイップクリームをドリンクのように飲む、その缶入りなのでした。でも冷凍品。その場では飲めませんー。

よく読むと、「生ホイップは飲み物 ゲルバナ味」とか「生ホイップは飲み物 神奈川県鎌倉・大仏味」とかチーズ味、コーヒー味も含めていろいろ売ってます。お値段はみんな1,000Dsc_1200_copy_768x1365_20230106224001 円。

うーん、謎が多過ぎるし、やけに高いけど、気になるなあ。誰かくれないかなあ。

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2023年1月 5日 (木)

「傲慢と善良」辻村深月    #傲慢と善良 #辻村深月 #究極の結婚小説 

Dsc_12125_copy_768x1038 辻村深月の小説『傲慢と善良』(朝日文庫)を読み終えました。2019年の刊行で、昨秋文庫化されたものです。この表紙の絵、妙に惹かれる神秘性がありますよね。 いやー、面白かったです。

(以降少々ネタバレあり) 序盤からしばらくの間は犯罪がらみのミステリー小説だと思って、読み進むのです。ところが中盤以降、読者は思いがけない方向に運ばれて行きます。そしてだんだん、「これいったいどういう所に着地するんだろう?」と思って、ページを繰る手が止まらなくなる。そんな小説です。そして最終的には、思いがけない所、でも素晴らしい場所に連れて行ってくれました。

そのタイトルが示す通り、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』(作中の会話にも登場します)につながるものがあるのです。18世紀末から19世紀初頭のイギリスの田舎を舞台にした「究極の結婚小説」と言われているのですが、それに倣えば本作は、現代日本を舞台にした「究極の結婚小説」たり得ているのです。そこにあぶり出された今の日本の(地方のムラ社会や家族や世間体や見栄やマウンティングなどなどの)病理が、見事な社会批評とも人間界の真実ともなっていて、いろいろと考えさせられました。自分と言うものがなくても、流され続けても生きていける、そんな時代ゆえの「生きづらさ」にメスを入れた見事なエンタテインメントだと思います。観察眼や事象の分析、そして心理表現が卓越しておりますね。

最終盤などはかなり感動させられました。大江戸なんか電車の中で立ちながら読んでいて、目に涙がたまっていき、泣いてました。「なんだこの人は?」状態ですね。

これ、映像作品になるなあと思いながら読んでました。NHKの5-6話連続のドラマあたりが一番適しているように思えますが、映画でもなんとかなると思います。

辻村深月の小説は初めて読んだのですが、昨年の秀作映画『ハケンアニメ!』の原作者ってことで、読む前から一目置いておりました。読んでからは、もちろんもっと尊敬して、他の小説も読みたいと思った次第なのです。

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2023年1月 4日 (水)

「ブラックナイトパレード」:ドイヒー&サイテー    #ブラックナイトパレード #福田雄一 #中川大志 #ドイヒー映画 #サイテー映画

1_20230103232101 映画『ブラックナイトパレード』は、大江戸が観た2022年公開作のワーストかも知れません。はい、監督は福田雄一です。もうこの人は映画やめて、テレビに専念してほしいと強く思います。

いつも通りに、悪ふざけの寒いギャグに満ちています。ぜんぜん笑えないんですよねー。それどころか時として不快です。佐藤二朗の芝居もいつも通り不快ですし。

(以降少々ネタバレあり) 中盤以降出て来るネズミのやつらも、あの雑な造形って何なんですかね? 雑さが面白さになっているわけでもないし。 物語はもう行き当たりばったりで、回収されないネタも多いし、もうサイテー(一応原作があるわけですが、いずれにしてもドイヒー過ぎます)。カンベンしてほしいです。

それにしても玉木宏もムロツヨシも全く顔が写らない役なんですよ。役者としてそれっていいんですかね? あ、でも『鎌倉殿の13人』で好感度が大いに上がったのに、こんな役を引き受けてしまった中川大志の方がかわいそうかな。好感度爆下がり必至な、性格悪くてIQ低そうな歯抜けチャラ男の役。サイテーです。いくらNHK『LIFE!』などで振り切ったコント演技のできる中川とはいえ、よくこんな仕事受けましたね。

ラストももう一工夫、一ひねりしないと、弱すぎるでしょ。いやー、久々にこれだけドイヒーな作品に出会いました。てか、そもそもこのネタなら12月アタマぐらいから公開しなきゃダメじゃん。なんで12/23なんていうクリスマス直前公開なの?? 正月に観たので、いかにも季節外れでありました。

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2023年1月 3日 (火)

「THE FIRST SLAM DUNK」:スポーツの躍動感と興奮!    #THEFIRSTSLAMDUNK #映画スラムダンク #スラダン #井上雄彦 #タプタプタプタプ

1_20230102230901 映画『THE FIRST SLAM DUNK』はしばらく観ようかどうしようかと迷っていました。だって、小生は『SLAM DUNK』に縁のない人生を送って来たもので。バスケットボールの物語だってこと、主人公が桜木花道だってこと、「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」っていう名言があることぐらいしか知りませんでしたので。でも観て正解でした。予備知識無しがさしたる障壁とはならずに、十分楽しめて感動できました。一本の独立した作品として、高く評価できるものとなっていました。

そもそもこの絵のタッチが、アニメーションとしては特殊です。井上雄彦のあの画力を活かして、そこに実写映像的な背景の3Dもミックスさせて、抒情もバスケットボールのスピードと躍動感も見事に表現しています。原作・脚本・監督=井上雄彦ってことで、いろんなコントロールがしっかりとできたのでしょう。純粋に「うまい」と思いました。

これまでアニメでも実写でも、これだけスポーツの躍動感と興奮を表現できた作品は日本でも世界においてもあったでしょうか? 大江戸はちょっと思い浮かびません。それほど、絵の力と編集でパワフルかつスピーディーにバスケの試合を描いていきます。

ほぼ全編を一つの試合が貫き、そこに回想場面が挿入されることでその試合に至る流れが理解できるという構成なのですが、これには当然賛否両論あるでしょうね。どうしても試合の流れがブツ切れになってしまうわけですから。確かにかなり最後の方までこの手法でやってるので、高まった興奮が寸断されてしまう気はしました。ただ、どうしようもなく邪魔だったわけでもありません。ギリギリ「アリ」の領域かと…。しっかりクライマックスは興奮&感動できましたしね。Dsc_12153_copy_450x629

入場者プレゼントで、こんなシールをもらいました。「タプタプタプタプ」です! 何に使うんだー。

 

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2023年1月 2日 (月)

「silent」を見終えて    #silent #サイレント #川口春奈 #夏帆 #世田谷代田

Dsc_12143_copy_1024x555 フジテレビで年末5日間にかけて再放送していた『silent』を録画しながら、全11話見終えました。とっても純度の高いラブストーリーでした。

見ていて気恥ずかしくなるほどの純愛物語。主人公たちの恋愛模様を丁寧に描く割には、仕事とかの描写はおざなり。キミたち、恋愛以外にすることはないのか?って感じですが、まあそういう作品ですから。

「みんないい人」ってあたりは大江戸の好みですけど、そのあたりや話の発展性のなさにマイナス点をつける人はいると思います。なにしろ第2話ぐらいまでに基本的にはすべて語っていて、あとは同じような悩みや葛藤を何度も繰り返すだけ。極めて繊細かつ現代的でリアルなダイアローグがうまいなあと感じる脚本ですが、このプロットや展開の弱さは…。11話分を書く「体力」が足りていないように思えました。残念ながら終盤の10話、11話には息切れしちゃった感じがありましたね。

また、現代に高純度メロドラマを成立させるための「障害物」として病気(聴覚障害)を使っていることを、良しとしない人もいることでしょう。いろいろと配慮はしておりましたが…。でも初の連ドラをオリジナル脚本でこれだけの話題作に仕立て上げた新進の生方美久さんには、今後も期待せざるを得ません。まだ20代の彼女、これからどんどん売れていくことでしょうねえ。

紬(川口春奈)と想(目黒蓮)が主役ではありますが(二人にとって代表作となりました)、当然周りの人たちも丁寧に描かれています。湊斗(鈴鹿央士)くんの「主成分=やさしさ」ないい人っぷりには泣けちゃいますが、一方で「なんなんだこいつ?」感も残ります。ほとんど聖人ではありませんか?  そして奈々(夏帆)の存在が、作品の単調さを救いました。このキャラクターと夏帆の演技によって、作品の厚みが増しています。彼女に川口、目黒、風間俊介らも」加えて、みんなよく手話を覚えましたねえ。小生も見ていて、いくつかの言葉は覚えちゃいましたよ。

Dsc_12133_copy_1024x587 ロケ地として大いに話題となった世田谷代田駅から下北沢界隈は大江戸もよく知ったエリアなのですが、小田急線地下化に伴う線路跡地の再開発プロジェクトにより、実にキレイに整備されました。駅近辺のそこかしこ(東北沢あたりまで、結構広範囲)が実に美しく撮られております。この作品、とにかく撮影が美しくて、光に浮かぶ細かいチリまで見事に撮影されていますし、カラーリングも心地よく設計されておりました。衣装の色も、紬、奈々ともにブルーをメインカラーにしていてステキです。

100点満点の作品ではなかったけど、とても「清いもの」を見せていただきました。ドラマ史の中に残っていく、静かで繊細な佳作でした。こんなに文字を読ませるドラマってのも、なかなかありませんしね。そういえば、映画『ドライブ・マイ・カー』『LOVE LIFE』『ケイコ 目を澄ませて』といい本作といい、なぜか手話がブームの様相を呈しておりますねえ。

本日も世田谷代田駅前には、「聖地巡礼」の方々が大勢いらっしゃいました(あのベンチで記念撮影とかね)。

 

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2023年1月 1日 (日)

佐野元春と紅白歌合戦    #佐野元春 #紅白歌合戦 #時代遅れのロックンロールバンド 

あけましておめでとうございます。今年も『東京温度』をよろしくお願いします。

昨夜の『紅白歌合戦』に佐野元春が出ました。もう、大江戸にとっては加山雄三よりもユーミンよりも安全地帯よりもずっと最大のニュースです。「きつねダンス」よりもかなり大きな(?)ニュースです。

あ、でもThe Last Rockstars(YOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVI)はかなりカッコ良かったですけどね。

てなわけで、昨夏に同級生バンド・プロジェクトとして話題を呼んだ「桑田佳祐feat.佐野元春、世良公則、Char、野口五郎」による『時代遅れのRock'n'Roll Band』が紅白のトリ前を飾ったのです。MV同様、皆さん余裕の演奏、余裕の歌唱で、味わい深いオールド・ロックを聴かせてくれました。その前に他の4人が加山雄三の『夜空の星』を弾き語ってコント風に盛り上がってたのには参加しなかったのが、いかにも佐野さんらしかったですね。 ナイアガラ・トライアングルvol.2の『A面で恋をして』もそうでしたが、他の人と合同で歌う曲でも、佐野さんはあの独自の声と歌唱法で持ってっちゃいますから。さすがです。

佐野元春が紅白に出るなんて、意外といえば意外ですが、でも彼はもともと若い頃から「ヒット曲が欲しい」と言っていた人ですから、抵抗はなかったんじゃないかと思います。何しろ昨年は芸術選奨文部科学大臣賞をもらってましたからね(もっとも’21年のライブでは「国はあてにならない!」とか叫んでましたけど)。まあ66歳なんで髪は真っ白になってますけど、若々しく見えました。

そのほかに紅白で思ったこと・・・

・橋本環奈は司会としてまったく危なげなかったですね。妙にわざとらしい大泉洋よりも適任だと思います。

・(水森かおりのパート)「桜衣装」→「櫻井翔」には感心しました。

・むしろ「きつねダンス」を単体で楽しみたかった。

・ヒゲダン(Official髭男dism)にヒゲはやしてる人が1人もいないのは不当表示!

・Saucy Dogは「サウシードッグ」と本人たちが読んでいるわけですが、英語的には「ソーシー」(ソース(sauce)の形容詞ですから)なので、なんか許せないというか、困ったもんです。

・そんな勝手に発音変えていいんなら、King Gnuなんて「キングぐにゅ」です。

・Vaundyって、中学時代のあだ名の「バウンディ」(Boundy…バウンドボールから取った)のBをインパクトのあるVにしたそうですが、いやいや、意味のある英単語を勝手に文字変えちゃいかんだろ。

・MISIAは「紅白ウサ合戦」でした。

・真の流行語大賞はどう考えても「ブラボー!」なのに、それを拾えないタイミングで早々と発表しちゃうユーキャン…。

 

それにしても、サッカー天皇杯決勝のない元日は、物足りないなー(昨年と今年は変則開催のカタールW杯の影響で、早めに決勝を行いました)。

 

 

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