「Winny」:正義と告発の社会派裁判劇 #Winny #映画ウィニー #東出昌大 #吹越満
映画『Winny』は、なかなか骨のある社会派エンタテインメント。私は全く覚えていないのですが、実話の映画化です。Winnyという名のファイル共有プログラムを巡る事件と裁判がメイン。そこに県警ぐるみの裏金作りの内部告発が絡んできます。
不当逮捕、冤罪、組織防衛という名の犯罪加担、「仲間を守る」という美名のもとの悪事、権力べったりの報道機関、新しいものやわからないものを忌避する心・・・さまざまな問題を突きつけてくる作品です。しかし重苦しくはなく、時折ユーモアも交えながら、テンポ良くさばいています。アメリカ映画がお得意な、正義と告発のドラマ(裁判劇)です。
役者たちがことごとく素晴らしく、東出昌大なんて彼のベストなのでは? 世間知らずで、極度に偏った天才である主人公を、憎めないキャラクターとして適切に演じています。三浦貴大も、吉岡秀隆もいつもより格段に素敵ですし、吉田羊なんてワンシーンなのにしっかりと泣かせてくれちゃいました。でもキレ者弁護士役の吹越満が、助演賞ものの魅力。知性と経験の醸す大人の魅力と枯れた味わいを、しっかり放っておりました。
『新聞記者』などのスターサンズだけではなく、別の角度からこういう作品が生まれたってことは、もっともっと評価して、応援してあげたくなります。日本で、この題材で、よく頑張りました。松本優作監督も、変な自己主張のない手堅さで、しっかりとまとめ上げました。
ただ法律事務所の紅一点を演じた木竜麻生が、あまりに「物知らず」に設定されていて、「女はバカ」みたいな描き方になっているのでは?って気がしました。法律事務所に勤めているのに「幇助」って言葉も知らないなんて、ありえなくないですか?(まあ、オーウェルの『1984』を知らないのは、しょうがないかも知れませんけど) 観客に説明するための道具として使っているのなら、ちょっと現代には合わないし、方法が上等ではないですね。
まだ公開から1週間なのに、上映館や回数が減っているようで、遺憾です。もっともっと多くの人に観てもらいたい作品です。
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