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2023年3月23日 (木)

「妖怪の孫」:暗澹と納得と    #妖怪の孫 #安倍晋三の映画 #パンケーキを毒見する

1_20230324000101 映画『妖怪の孫』は、タイトルだけ聞くと絶対想像できないんですけど、安倍晋三元総理のあれこれを巡るドキュメンタリー。「昭和の妖怪」と言われた岸信介の孫が安倍さんだったよなと思い至ると、合点が行くタイトルです。

あのスターサンズの作品で、『パンケーキを毒見する』の監督(内山雄人)・スタッフによるもので、もともとは今はなき川村光庸さんの企画だと聞けば、納得ですね。スタッフたちもいよいよ「本丸」に攻め込む覚悟で作ったようです。

そして『パンケーキ』よりも面白く、ためになり、暗澹たる気分になった作品でもあります。現在の日本の悪い面、ダメなことの多くが、どこらへんに端を発しているかが何となくわかるからです。あまり報じられない事実や初めて公に語られたであろうことなども多く、特にメディアと官僚の「本来の役割を忘れた保身」には暗然としてしまいます。

ニューヨークタイムズの東京支局長さんが日本のメディアの権力へのおもねりや癒着を「世界的には考えられないこと」と指摘すれば、憲法学者の教授は安倍さんや自民党が「そもそも憲法の根本をわかっていない」ことを明言します。統一教会と関係のあった議員だとか日本会議に所属している議員が内閣に占める割合を示されると、愕然としてしまいます。そして、イメージ操作で「やった感」を作るという要領の良さがこの人の本質なのだと示された時には、ぼんやりしていた絵に急にピントが合ったかのようでした。なるほどねえ。

そういった意味で、本当に多くの人に観てもらいたい作品です。地上波で放映します!なんていう勇気あるテレビ局は・・・いるわけないですよね。

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