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2023年3月22日 (水)

「白い夏」(1957年):何とも珍妙    #白い夏 #芦川いづみ #青山恭二 #神保町シアター

Dsc_12434_copy_1024x677 神保町シアターで開催中の特集上映『デビュー70周年記念 恋する女優 芦川いづみ』で、『白い夏』(1957年)を観ました。モノクロ・スタンダード。今の感覚で観ると、何とも変な映画でした。

原作は新田次郎ってところにびっくり。あの『八甲田山』の新田次郎が、こんな青春コメディみたいな作品を書いていたとは! でも、今「青春コメディ」と書きましたけど、そんな言葉では言い切れない要素がいろいろあります。確かに青山恭二と芦川いづみのプラトニックな恋愛に、情熱的な中原早苗(こういう役、多いですね)を絡ませて描いていくのですが、千葉県の漁師町・安房が舞台で、そこの人々がなんともはや…。

(以降ネタバレあり) よそ者の転入者を排除しようとするは、ヤクザな郵便配達員や新聞記者が嫌がらせや犯罪を重ねるは、おまけに猛アプローチをかけていた中原早苗は「いちばん大切なものをあげる」と言って迫ってくるは、郵便局長は半裸で仕事してるは…で、かなりのもんです。千葉県って昔から選挙違反の多さで有名だけど、そういう風土なんですかねえ。

まだ幼さの残る芦川いづみさんは、郵便局長の娘さん(トンビが鷹)。可憐です。そんな彼女が、暗く悩み続けるウジウジ男の青山恭二と思いを遂げることはなく、地元の犯罪者を暴き出した彼は結局安房を離れて行かざるを得ないという、何ともすっきりしないエンディング。よくこんな苦いモヤモヤラストの作品を作ったもんです。田舎のこわさ、閉鎖性を描いたってことなんでしょうか?

本心を言えなかった青山恭二が苦悩して、「好きだ!」と言ってから頭を抱えて床をゴロゴロする場面には笑っちゃいました。コントかよ!

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