「変な家」:キャッチーだけど… #変な家 #雨穴
2021年夏に発行されて、以降昨年あたりに新聞広告などで気になっていた雨穴(うけつ)の小説『変な家』(飛鳥新社)を、ようやく読みました。何しろ40万部突破で映画化決定と、帯にも書いてあるぐらいですからね。それに、なんか気になるじゃないですか。第一印象は、かなりキャッチーです。
でもねえ、…ダメでした。有り体に言って、無理矢理すぎてバカみたいです。うーん、なんか中学生が書いたみたいというか、プロットからも文章からも知性が感じられませんね。
そもそもこれ小説なの?って感じで、会話部分はすべてシナリオのような会話体になっているのです。「筆者 ○○○○○・・・ 栗原×××××・・・」みたいな感じで。会話文を小説の表現に仕立てる文章力がなかったのかも知れません。潔い割り切りと言えましょうか…。それ以外の文章にも、小説としての味とかコクとかは一切ありません。説明するだけみたいな文章なのです。
(以降少々ネタバレあり) 発想自体は面白いし、キャッチーなのです。最初の数ページでぐぐっと引き込むところなんかは見事なもんです。でもその後の展開とか結末とかが、「え?そんな方向に行っちゃうんですかい?」「横溝正史ですかい?」って感じに、バカバカしくもおどろおどろしくて古めかしいのです。終盤はかなりあきれながら読んでおりました。
取り柄はポンポンとあっという間に読めちゃうことでしょうか。無駄な時間をたくさん使わずに済むことは確かです。
これの映画化ねえ…。だいたいどんな感じか見えるようですね。作る人も、観る人も、お疲れさまです、と今から言っておきます(大江戸は、こわいもの見たさで観てしまうかも知れませんです)。
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