「知と愛の出発」(1958年):男たちがドイヒーな時代 #知と愛の出発 #芦川いづみ #薄幸な芦川いづみ #神保町シアター
神保町シアターの芦川いづみ特集で、『知と愛の出発』(1958年/カラー・ワイド)<カラー復元版>を鑑賞。このタイトル、なかなかですね。もともとコニカのコニカラーという方式で公開されたのですが、その後退色したのでありましょう、「長らくモノクロマスターでしか」観られなかったようです。それが最新技術でカラー作品として甦りDVDとして発売されたのですが、今回の特集でめでたく劇場公開となったわけです。
でもカラー再現がちょっと微妙(きっと精一杯努力したのでしょうけれど)。芦川さんのセーラー服の紫色のトーンが場面によって違ったりして、どの程度の色なのかが判然としませんでしたし。それでも芦川さんのセーラー服姿はそんなに多くないので、貴重かつ眼福です。
現代の視点で観てると、人物の行動が「??」なところが多いですね。なんでそうなっちゃうの?と…。まあ、65年も前の映画だからしょうがないことですけど、それだけでもないような…。それにしても、封建的で女性の地位が低くて、辛苦をなめさせられた時代であります。その上、新聞記者たちが一方の側からの話だけで裏も取らずに記事を書いちゃう無茶苦茶さ。しかも、顔写真入りで「誰々が犯された」とか書いてあるんですから、信じられません。人権も配慮もあったもんじゃありません。
とにかく男がみんなドイヒー。恋人も、父親も、恋人の父親も、もちろんチンピラどもも、みんなそれぞれ男ってことにあぐらかいててダメなんです。中でも一番ひどかったのは、今回の特集で観た『風のある道』でもイヤーな感じの悪役だった小高雄二。本作でも「濃い」色悪で、超ムカつきます。
芦川さんは、またも薄幸な役柄で、いろんな不運や理不尽が次々と襲ってきます。 すごく感情移入できちゃって、観ていて憤ったり悲しくなったりしました(でも、かわいかったなあ)。(以降ややネタバレあり) だからラストは無理矢理にでも悲惨な結末にならなかったことが救いです。笑っちゃうぐらい青春なのでした。
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