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2023年5月28日 (日)

「波紋」:日常の裏のブラックコメディー    #波紋 #荻上直子 #筒井真理子 #ブラックコメディー

1-1_20230527234201 映画『波紋』は、優等生的イメージの強い荻上直子監督が作ったブラックコメディー。これだけ毒気がストレートに出ている荻上作品は、これまでになかったのではないでしょうか。現代社会のちょっとした歪みを描きながら、何でもない日常の裏側に潜んだ危機や毒をあぶり出していきます。

縁命水、水晶玉、枯山水、プール、雨など「水」のイメージがあふれるのですが、爽やかさや浄化のシンボルであるはずの水が、なぜか不安や不穏さを感じさせます。タイトル、『波紋』ではなくて『水紋』でも良かったような…。実際に「水紋の異世界」のイメージ映像が何度か登場します。モノクロのシュールな世界。ただ、この部分は成功しているとは言い難かったですねえ。

そしてラストはぶっとんだ割には、「いかにも作った」感じがしちゃって、その表すところもはっきりしなくて、成功していないように思えました。

これはやはり筒井真理子さんのぶっ壊れ方を見る映画なんじゃないでしょうか。筒井さん、映画に出るたびにほとんど毎回ぶっ壊れているような気さえしてきます。でもフィルモグラフィーを見てみると、近年では『よこがお』(2019年/深田晃司監督)ぐらいかも知れません。それなのに、そんな印象を与えてくれちゃう女優さんです。本作でも彼女の行動を見てると、思わず笑っちゃいます。「コメディー寄りのブラックコメディー」と言っていいのかと思えます。

ほかのキャストもやたらと名脇役揃い。光石研、磯村勇斗、木野花、柄本明、江口のりこ、平岩紙、安藤玉惠、キムラ緑子…。でも本当に聴覚障害者だという津田絵理奈さんの声や演技が、非常に印象に残りました。

 

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