「映画を早送りで観る人たち」を今ごろ読む #映画を早送りで観る人たち #稲田豊史 #タイパ #映画館原理主義者 #文化を殺すな
1年ほど前に発行され、けっこう話題になっていた『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ―ーコンテンツ消費の現在形』(稲田豊史・光文社新書)をようやく読みました。興味はあったのですが、ここまで遅くなったのには理由があって・・・なんか、読むといやな気分になりそうな気がしたからなのです。
で、やっぱりけっこう心が波立ちました。ざわざわ来るものがありました。早送り、倍速視聴、飛ばし見、ファスト映画、事前のネタバレチェックなどなど近年顕著な現象面から始まり、流行語にもなった「タイパ(タイム・パフォーマンス)」という考え方、失敗したくない気持ちの強さ、セリフで全部説明しないとわからない人たち、評論が読まれない時代、SNSの影響力、共感強制力などなど、すべての指摘が興味深く納得性の高いものですが、それだけに無力感、敗北感が強いというか、遺憾を通り越して絶望的な気持ちになったのでした。
ダメだこりゃ、です。快適さ、楽さばかりを追い求めて、日本人が、人類が、知性と教養を捨てて、白痴化が加速していきます。「学ぶ」心がなくて、文化が死んでいきます。読み進めていくと、これは時代がそうさせているのであって、しょうがないことだってのも理解できます。小生だって、今十代、二十代を送っていたら、当たり前のようにそうなっていたでしょう。でも、現在の常識が当たり前ではない、少なくとも当たり前とは思っていない人たちがいることはわかってほしいなあ。自分と意見を異にする人の考えを尊重し、なぜそうなのかを想像力をフル回転させて考えてほしいと思うのです。
著者による「おわりに」の最後の言葉で、救われます。そう、やっぱり映画を早送りで観るのは、おかしなことなんです。作品や作った人への冒涜という前に、自分自分自身が損をし、自分を貶める行為であるとさえ思います。早送りどころか、配信で映画を観る行為すら認めたくない「映画館原理主義者」の大江戸としては、深くそう思うのであります。人類の文化を殺すな!と。
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