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2023年6月17日 (土)

「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」(1975年):傑作ですが…    #ジャンヌディエルマン #シャンタルアケルマン #映画史上第一位 

Jeannnedielman

映画『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(1975年)は、昨年初めて日本公開されたシャンタル・アケルマン監督作品。これ、2022年にイギリスの権威ある映画雑誌『サイト&サウンド』が10年に一度行う企画「映画史上のトップテン」で第1位に選ばれた作品ってことで、話題になったんですよね。だって、その時点で日本公開されてないし、アケルマンのこともこの作品もほぼ誰も知らないし。それが『市民ケーン』や『めまい』や『東京物語』や『2001年宇宙の旅』を抑えての第1位ってことで、大江戸も「???」となったわけであります。今回、アップリンク吉祥寺での「シャンタル・アケルマン映画祭2023」の1本として、ようやく鑑賞することができました。

この映画、200分もあります。しかし長く感じません。永遠に観続けられる感じでした。ベルギーのブリュッセルに住む女性(十代の息子と二人暮らし)の3日間を淡々と描写する作品です。その描写にとにかく驚くのですが、生活や家事を固定カメラの長回しで延々と撮っていきます。体を洗いながらバスタブも洗うのも、シンクで食器を洗うのも、ナイフでじゃがいもの皮をむくのも、豆を挽いてコーヒーをいれるのも、椅子に座ってぼーっとしてるのも、全部延々と長回しで全容を見せていきます。この映画、タイムカプセルに入れておくべきでしょうね。20世紀の後半に、人々はこんな感じで生活を送っていたということの貴重にして詳細な記録になっております。そして、人間の普通の日々の営みって、こんなに面白いんだという発見もあります。

(以降ネタバレあり) こういう淡々とした感じで最後まで何も起こらず終わるのかと思いきや…、いや、実は想像できちゃいました。これで、最後に3時間をひっくり返すようなことがガツンと起きそうだと。で、その通りでした。まあしかし、その描写やその後の描写にしても、それまでと同様に「淡々」であることに変わりはなく、作品にきっちりラストがついたって感じなのでした。

いずれにしても唯一無二の個性を持った傑作です。でも、それが映画史上の第1位かというと、うーん、それはどうでしょうねえ? いや、それはさすがに褒めすぎってもんでしょう。女性監督が女性を描いた作品ってことで、時代性にマッチした部分はあるし、再発見的なブームになっているのでしょうけれど、もっと冷静になってきちんと映画史を見渡していただきたいものです。

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