「雨にぬれた舗道」(1969年):意表を突く怪作 #雨にぬれた舗道 #ロバートアルトマン
角川シネマ有楽町の「ロバート・アルトマン傑作選」で、『雨にぬれた舗道』(1969年)を観ました。いやー、先日同特集で観た『イメージズ』もかなりな作品でしたが、こちらもかなりの怪作です。この2作に『三人の女』を合わせて、アルトマンが「女性とパーソナリティ障害の関係を探求したスリラー/ホラー/幻想映画的三部作」とチラシに書いてありましたが、まあ、そう言えなくもないでしょう。
ほぼノー情報で観たので、最初はこの邦題から察するに「ロマンチックなラブストーリーか何か」だと思っておりました。ふたを開けてしばらくたってもどういう方向性の映画なのかが読めず、むしろ眠気を誘うほど退屈な感じでした。ところが意表を突くことに、中盤になってもなんだかよくわからない展開が続き、終盤になってようやく「あ、こういう方向性だったのね」とわかります。変なの。完全にそのベールを脱ぐのは、ラスト5分ぐらいのことです。そこまで来てようやく「あ、こういう映画だったわけね」とわかります。すごい構成ですね、良くも悪くも。
『イメージズ』もパブミラーとか鏡とかがやけに出てくる映画でしたが、本作もそれにも増して鏡だらけでした。鏡の像って、やはりこういう精神病的なテーマには適しているんでしょうね。あ、あとあの時代らしい急激ズームの多用も共通してますね。
それにしても、この詐欺のような邦題って何なんすかね? 間違えてデートで入ったりしたら、悲劇でしょうね。そもそも雨にぬれていたのは「舗道」じゃなくて、公園だったし。
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