「怪物」:他者を理解することの難しさ #怪物 #映画怪物 #是枝裕和 #坂元裕二 #坂本龍一 #黒川想矢 #柊木陽太
映画『怪物』は、期待を裏切らない高レベルの作品。是枝裕和監督が初めて自作シナリオ以外で撮ったそうですが、その坂元裕二脚本は見事カンヌの脚本賞に輝きました。確かにこの『羅生門』形式のオリジナルシナリオの力は大きいと思います(読まずに推測しているだけですが)。
学校でのいじめ、モンスターペアレンツ、事なかれ主義、差別、一方的な報道、無根拠な噂の拡散、児童虐待などなど、現代の世界が抱えている問題が詰め込まれています。それはすべて、他者を理解することの難しさに収斂していくように思えます。少なくともこの映画では。だから安藤サクラの母親の視点から見た物語と、永山瑛太の学校教員から見た物語と、子供たちから見た物語はまったく違う見え方になっているのです。
そうです。世の中にはいろんな人がいるし、いろんな人がいるから他者を理解することは難しいし、ともすれば他者はこわいものなのです。でもそこで止まってしまうことで、争いが起き、憎しみが蔓延していきます。戦争の時代だからこそ、なおさら迫って来ますね。わからない他者を理解しようと努めること、他者の視座からも見てみようと努めること。みんなが少しずつでもそれを考えたら、世の中はもっと平和になるんでしょうけどねえ。世界に訴えかけるもののある作品でした。
二人の男の子(黒川想矢、柊木陽太)が実に見事です。是枝作品の子供たちは、やっぱり素晴らしいんですよ。嘘のない表情を見せてくれるというか…。特に小柄な方の柊木くんは、これから人気が出るだろうなあ。
坂本龍一によるピアノ音楽も、「聖なる映画」といった雰囲気を作り出していました(東京テアトルの劇場CMの音楽にちょっと似てたけど)。エンドクレジットには「坂本龍一さんのご冥福をお祈りします。」と出て来ました。
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