「君たちはどう生きるか」:露出ほぼゼロ、謎多き公開 #君たちはどう生きるか #宮崎駿 #鈴木敏夫 #鳥を見た
映画『君たちはどう生きるか』は、引退を撤回した宮崎駿10年ぶりの監督作品(原案・脚本も)。この14日に公開されたわけですが、何しろこの鳥ポスターが劇場に貼られているのみで、一切広告宣伝はなしという異例も異例の状態で初日を迎えたのです。いつものジブリ作品のように、コンビニとのタイアップだとかTV局や新聞社と組んだ露出とかもありませんし、映画館のチラシや予告編、そして公式サイトすらないという徹底ぶり。公開スクリーン数も宮崎作品の初日にしては抑えめで、それもそんなに熟れていたわけではないそうで…。鈴木敏夫プロデューサーによれば、スクリーン数は徐々に増やしていくそうですけれど大丈夫なのでしょうか?・・・とはいえ、小生が観た新宿ピカデリー(祝日午後の回)は満席でしたが…。
いや、前半はかなり地味です。戦時中だし、家の中を中心に地味な展開が続くし、子供向けではないし、キャッチ―な見せ場はないし。これだから、鈴木プロデューサーとしては、すべてを隠しておいた方が得策と思ったのではないかと思いました。少なくとも、いつものような売り方をしていたら、絶対これまでのような数字には到達しないと関係者の誰もが思ったことでしょう。
後半にはファンタジーな冒険が展開して、ビジュアル的にも「ああ、ジブリだ。宮崎駿だ」となるのですが、その部分も話が分かりにくくて、キャッチ―とは言い難いものがあります。 (以降ネタバレあり) その上、結末も「いつ決着したの?」って感じですし、ラストに至ってはあまりにあっけなくて「え???」でした。作中にも登場する吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』と作品との関わりや、なぜこのタイトルなのかも「??」ですしね。
宮崎駿さんの集大成的に、伝えたいメッセージをあれこれと盛り込んだ感がありましたが、伝わったのかなあ?(少なくとも息子の宮崎吾朗さんには伝わったのでしょうけれど…) まあ小生をはじめ一定数の人たちは、宮崎駿の新作長編アニメーションを拝めただけで僥倖だと思えるのですけどね。それにしても鳥だらけでした。鳥を見た。
こういうオールド・スタイルの作品を作って、単純な娯楽作品ではないのに、それでもかなり多くのお客さんがやって来るってのは、宮崎駿にしかできないことです。今後どういう興行成績になるのかが気になりますね。広告宣伝費がゼロなので、売り上げは減っても収益では良い結果が出るのかも知れません。そのあたりも知りたいところです(ネット上の拡散や、報道など、他人のふんどしだけで相撲が取れるかどうかってところ)。
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