「アシスタント」:静かな怒り #アシスタント #映画アシスタント #キティグリーン #MeToo
映画『アシスタント』は、#MeToo運動に連なる問題提起映画。アメリカで#MeToo運動に火がついたのが2017年、本作のアメリカ公開は2019年、そして今2023年の日本公開。
勇気ある映画、使命感に燃えた映画です。そして静謐な映画です。ただ静けさの中に、沸々とした怒りが感じられます。主人公は映画会社の新人アシスタントなのですが、その長時間オフィスワークに降りかかってくる理不尽さやハラスメントの雨あられ。それを静かに淡々と、日常の積み重ねとして描きます。その語り口が見事です。
まさに、あのハーヴェイ・ワインスタインがモデルなのでしょう。姿を見せない「会長」の圧力が、会社のみんなを呪縛としてがんじがらめにしています。いわば組織ぐるみで「凡庸な悪」が行われている日常なのです。そこで生き残るためには自分も「そっちの人間」にならざるを得ないという息苦しさ。勇気を持った行動が静かに打ち砕かれる様子など、観ているのがなかなか辛い作品でした。
ドキュメンタリー出身のキティ・グリーン監督(脚本も)の静かな怒りが、音のない静かな画面に緊張感を持続させます。その個性や演出法が、少なくとも本作にはピタリとはまりました。それにしてもキティ・グリーンって、…「緑にゃんこ」ですよ。変な名前。
ジュリア・ガーナー演じる主人公が、常に同じダスティ・ピンクのハイネックセーターなのです。同じのたくさん持ってるんですかね? スティーヴ・ジョブズ?
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