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2023年9月30日 (土)

「沈黙の艦隊」:いろいろと残念    #沈黙の艦隊 #大沢たかお #吉野耕平 

1_20230930232001 映画『沈黙の艦隊』は、あの原作マンガの(今頃になっての)映画化。でも、いろいろとキナ臭い時代なので、ある意味タイムリーな企画かも知れません。大江戸は途中まで読んでやめちゃったので、結末は知りません。

海江田ってこんな人だっけ? 大沢たかお、けっこう王騎将軍が残ってるんじゃね? といった疑問はありますが、まあ大沢さん本人がプロデューサーも兼ねて、映画化のキー・パーソンになっているそうですから。

で、113分という上映時間も含めて、スケールが大きいんだかそうでもないんだか、面白いんだかそうでもないんだか、よくわからない作品に仕上がりました。昨年の『ハケンアニメ!』で見事な技量を見せてくれた吉野耕平が監督なだけに、なんか残念な気がします。ドラマ部が盛り上がらず、けっこう淡々としていますし、すごいアクションや大きな見せ場もないんですよねー。

(以降ネタバレあり) だから、「え?ここで終わるんですかい?!」ってラストには驚いたりガッカリしたりしました。続編ができるのかもしれませんが、いくらなんでもねえ…。『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』の終わらせ方の爪の垢でも煎じて飲んでいただきたい気がします。いくら原作マンガの一部分を描いたからって、一本の独立した映画なんですから。わくわくできずに、当惑するなあ。

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2023年9月29日 (金)

ラグビーW杯、ここまでの日本    #ラグビーワールドカップ #ラグビー日本代表 #ブレイブブロッサムズ #エビのお寿司 

Dsc_0142_copy_600x855 ラグビー・ワールドカップ2023フランス大会、これまで日本代表の3試合を見て来ましたが(早朝の試合は録画して見てます)、チリには大勝、イングランドには力負け、サモアには(完勝と思いきや)ひやひや勝利の2勝1敗。ボーナスポイント(4トライ以上)をチリ戦で取って、現在勝ち点9のグループ2位。まあ、順当な予想通りの流れですよね。

サモア戦では49分時点で3トライを取りながら、残り30分以上で4トライ目が取れなかったのは痛かったですが、後半の展開を思えばとにかく勝ったことが大事。それを良い反省材料として、アルゼンチン戦に向かってくれることでしょう。

それにしても後半終了までの20数分もの間、サモアは14人だったというのに、日本はむしろ追い込まれていったというのが残念ではありました。

試合以外の部分では、相変わらず遠目から日本のユニフォームを(背中から)見ると、お寿司のエビです。これは前回大会のときに、TVで石原良純が言っていたのですが(彼も誰かから聞いたんだっけ)、一度それを知るともうエビにしか見えなくなります。おそろしい魔法です。

今大会は試合の間隔が長いですよねー。週に二日ぐらい、どこの試合もない日があるので、今日の日本の試合も中10日、次戦までも中8日ですもん。まあ選手ファーストであり、良いコンディションの選手による良い試合が見られるってことなんでしょうけど、自国から見に行ってるようなラグビーファンは、自国の2試合(以上)を見ることの難度が上がりますよねー。

でも今大会の日本、スカウティングと相手に合わせた戦術と言う意味ではうまくいってると思うんです。格上アルゼンチン(現在日本=13位、アルゼンチン=9位)相手の運命の次戦でも、きっとやってくれることでしょう!

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2023年9月27日 (水)

特別展「首都東京の復興ものがたり」    #首都東京の復興ものがたり #関東大震災100年 #日比谷図書文化館 

Dsc_0125_copy_1024x668 日比谷公園のはずれにある千代田区立日比谷図書文化館で特別展『首都東京の復興ものがたり ー未来へ繋ぐ100年の記憶ー』(~11/26・入場無料)を観ました。

Dsc_0127_copy_1003x768 関東大震災100年にあたる9月1日にスタートした展覧会。タイトルに示されているように、大正12(1923)年の大震災からの数年で復興を遂げた帝都東京の町や建築の復興にフォーカスした企画です。

Dsc_0128_copy_1024x714 いやー、正直地味です。文献、地図、写真、設計図など+所々の記録映像で、わずか数年間でしっかりと復興を遂げた東京、その当時の様子を我々に教えてくれるのですが、内容も展示物もかなり地味です。

Dsc_0129_copy_1024x768 いちばんの花形は、建築模型ですねー。復興小学校とか、橋梁の模型がいくつか出ていました。

Dsc_0131_copy_1024x680 お茶の水の聖橋とか、永代橋、蔵前橋の模型。聖橋に関しては、古い図面もありました。

Dsc_0130_copy_1024x677 永代橋、蔵前橋の模型は川崎造船所の制作で東京大学工学部の所蔵品。さすがに精巧です。

Dsc_0132_copy_1024x768 まあ、それにしても昭和5(1930)年までの6年半ほどで復興が成し遂げられたってことですから、昔は本当に仕事が早かったですよねえ。重機とかトラックとかほとんどなかったのに。

Dsc_0126_copy_571x768 今はいろんな法的規制とか各方面への配慮とかで荒っぽい仕事ができなくなっちゃってますからねえ。どうしても時間がかかってしまうのでしょう。でも世の中には、結構荒っぽくても剛腕が必要なこともあると思うんですけどね(それができなかった東京オリンピック2020のような場合)。剛腕が振るえない(だれも責任を取らない)コンプラ時代だから、三陸や福島の復興だって、10年たっても12年たってもまだまだですもんね。

一番面白かったのは、区画整理のために家をそのまま引っ張って移動させる映像。いやー、そんなことやってたんですね。昔の家屋ならではですね。

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2023年9月26日 (火)

「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」:呆れと怒り    #キリングオブケネスチェンバレン #人種差別告発映画 #ケネスチェンバレン

1-1_20230926223401 映画『キリング・オブ・ケネス・チェンバレン』は、2011年にニューヨークで起きた事件の映画化。強い憤りに満ちた人種差別映画の力作がまた一つできました。

近年でも同様の作品(無実のアフリカ系アメリカ人が、白人警官たちにひどい目に遭う)は 、『フルートベール駅で』(2013年)、『デトロイト』(2018年)など作られ続けています。また人種差別告発映画ということにおいては、今年公開された『ソフト/クワイエット』や『福田村事件』などもあります。それだけ「世に人種差別の種は尽きまじ」ってことなんでしょうね。

観ていて、腹立たしいのとと同時にヤキモキすることも必至です。「さっさと中に入れちゃえばいいのに」と言う考えが何度も頭をもたげますが、いやいや、そういうことではないですよね。それにしても、どうして誰もこの蛮行を止められなかったのか。警察みたいな組織って、どうしてもマッチョな「男らしさ」に囚われがちになりますし、アメリカだとなおさらそういう感じだと思います。弱腰な対応をしたら負け、みたいな。でも、そういう同質的集団の危険性を排除するために、人種や性別は意図的に混在させないといけないってことですね。

それにしても、ラストの字幕を読んでいて、また「呆れ」と「怒り」が襲って来ます。なぜそんなことに…。いつの日か、こういう映画を作らなくてもいい日が来てほしいものですが、まだ当分はダメなのでしょうね。そして、まずは知ることから、伝えることから始めるためにも、このような映画を作り続けていかねばならないのだと思います。

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2023年9月25日 (月)

「グランツーリスモ」:通俗的娯楽映画の見本    #グランツーリスモ #映画グランツーリスモ #GT #ニールブロムカンプ #デヴィッドハーバー

1_20230925220801 映画『グランツーリスモ』、GTです。♪GT、GT・・・で反応したあなたはクレイジーケンバンドのファンですね。実話ベースです。日産とプレイステーションが組んで(withポリフォニー・デジタル)作った画期的なレースドライバー育成プログラム(2008ー2016年)をもとに劇映画に仕立ててあります。

いやー、わかりやすいというか通俗的というか、ほとんど少年マンガのようですね。定番の物語展開、類型そのもののキャラクター。(以降少々ネタバレあり) ちょっとした挫折はあっても、最後は主人公が(理由もなく)勝って、ヒールキャラは負けるのです。

近年のカーレース映画『ラッシュ』や『フォードvsフェラーリ』と比べても、単純というか深みがないというか、まあそんな典型的娯楽映画です。なのに監督がニール・ブロムカンプ(『第9地区』『エリジウム』『チャッピー』など)なんですね。ちょっとクセ強SFの人だと思っていたので、え?と思いました。でもメカ好き、VFX好きってことからは遠くない作品です。

オーランド・ブルーム、キザが似合うイケオジになりましたね。でも本作は、元レーサー役のデヴィッド・ハーバーがもっていきました。いいおっちゃんですね。

主人公がレース前に聴く音楽が、懐かしのケニーGとかエンヤなんです。ご両親の影響なんでしょうね。  そして、(トンデモ日本ではない)日本プロモーション映画なのでありましたー。

 

 

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2023年9月24日 (日)

ベルマーレ、国立で54,243人!(でも負けた)    #湘南ベルマーレ #ベルマーレ #国立競技場 #湘南川崎F #湘南対川崎 #54243人

Dsc_0098_copy_1024x681 ベルマーレのJリーグ加盟30周年を記念して、24年ぶりの国立競技場でのホームゲーム。もちろん「湘南ベルマーレ」になってからは初めて。新・国立競技場になってからも初めての試合となります。

Dsc_0101_copy_1024x649 天気は快晴。しかし、気温と湿度は急に秋らしくなり、絶好の観戦日和です(キックオフは16時)。あ、お相手は川崎フロンターレです。

Dsc_0103_copy_1024x332 諸般の事情により、15時半頃スタジアムに到着(着席)するのがやっと。でも、ピッチ練習の最後の方には間に合いました。生ビールもちょっと並んだら買えました(1杯900円!)。

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バックスタンドの1階中央。前から14列目。試合開始までは強い西日があたって、めっちゃ暑かったのです。でも素晴らしいライトグリーンの海が広がっていましたよ。フラッグの波がゆらゆら揺れて。美しく、感動的な光景でした。

Dsc00892 ほどなく選手紹介。映像や音響もレモンガススタジアムとは違って、大迫力です。

Dsc00896 そして、「湘南乃風」のミニライブ。やたらと火柱が上がります。

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湘南乃風は3曲歌いました。みなんがタオルをブンブン回すと、けっこう涼しいですね。

 

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入場時のコレオグラフィーは、「SHONAN」の文字。埼スタでのルヴァンカップ決勝の際の「エンブレム」が見えにくかった反省からか、シンプルなのですが、うーん、ちょっと面白みに欠けますかね。まあ、しょうがない。

 

Dsc_0113_copy_1024x582 さて、試合はですね、悔しい結果に終わりました。0-2の敗戦。だからアンカーに奥野じゃなくて、田中聡を先発起用すべきだったんだよって試合でした。

Dsc00893 田中が入ってからの後半の戦い方を前半からできていれば…。はい、タラレバです。

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そして、1点でも取れていたらなあ。満員の観客が得点シーンで爆発的に盛り上がる体験をさせてくれなきゃダメですよ。

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一番盛り上がったのは、GK馬渡がレアンドロ・ダミアンのPKを止めたところ! でも結局、VARから「蹴る瞬間、ゴールラインに足がかかっていなかった」ということで蹴り直しに。そして2点目を決められてしまいました。なんだかなー。あそこが勝負の分かれ目でした。

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でもでも!キム・ミンテの鬼ディフェンス、すごかったですよー。4~5点食い止めたんじゃないでしょうか。みんなが聡やミンテのレベルだったらなあ。

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いつもながらに、聡以外の交代選手のレベルがフロンターレとは段違いでした。試合終了後の場内一周の際、ゴール裏のサポ席からは大きなブーイングが起きていました。そうだよねえ、1点は入れないと…ってゆーか、こんな良い雰囲気の中でのメモリアルマッチなんだから勝たなきゃダメでしょ。勝てば、いや引き分けでも最下位脱出できたっていうのに。

 

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今日の入場者数=54,243人はベルマーレのクラブ史上最多。せっかくこれだけの人が集まってくれて、サポーターの応援も最初から最後まで全力モードで感動的だったのに。新スタジアム建設へのブースト・スイッチになったかも知れないのに…。

無念ではありますが、もう過ぎたことはしょうがありません。残り6試合、もがいてもがいて、できる限り多くの勝ち点と得点を!!Dsc_0122_copy_1024x696

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2023年9月23日 (土)

なでしこジャパン8-0アルゼンチン    #サッカー女子日本代表 #なでしこジャパン #日本対アルゼンチン #植木理子 

サッカー日本女子代表の強化試合、北九州スタジアムで行われたアルゼンチン戦を録画して見ました。ちょっとこれじゃあ強化にならないなあってほど実力差のはっきりした試合で、日本が8-0の勝利。でも惜しいシーンをかなり失敗していたし、本来は12-0とかになってもいい試合でした。

4バックにして、熊谷をアンカーの位置に置き、その前のインサイド・ハーフと言える前目の位置に長谷川・長野を置く布陣。これによって、長谷川唯の攻撃センスが非常に生きた試合となりました。しかしながら、長野風花は今一つフィットしていませんでしたねえ。そして、右ウイングで入った猶本光と左ウイングバックの遠藤純は絶好調でした。この二人が今日の試合の流れを作りました。

それにしてもアルゼンチンは、やりたい放題できる相手でしたね。でもワールドカップ得点王の宮澤ひなたは不発。とはいえ、もともと宮澤ってこういう感じの選手です。まあまた大事な時にやってくれることでしょう。

植木理子(先日ベレーザからウェストハムに移籍)がPKを決めた場面には、ちょっとじーんと来てしまいました。あのW杯スウェーデン戦で外してしまった呪いを、これで解消することができましたね。めでたい。

次は来月から、来年のパリ・オリンピックに向けたアジア予選が始まります。ワールドカップのスウェーデン戦でこの二人をつぶされて敗れたことへの反省から生まれたシステムかも知れません(前にも熊谷のボランチは試していますけど)。

それはそうと、まぎらわしいんですけど、今日行われたアジア競技大会の女子サッカーで日本代表(まあ、いわばB代表みたいなチームですけど)がバングラデシュに8-0で勝利したそうです。なんと同じスコアとは!

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2023年9月22日 (金)

マウントレーニア・カフェラッテのお仲間    #カフェラッテ #マウントレーニア #悪魔のいたずらやみつきメープル #チルドコーヒー

Dsc_13126_copy_768x1036 今年の夏はずいぶんチルドカップのカフェラテ系を飲みました。

まずは何と言っても「原型」と言うべき『マウントレーニア カフェラッテ』。これまでにも何度か紹介してきましたが、やっぱりこれが一番です。コンビニ各店はじめ他社の追随を許さないおいしさ。コーヒーのコクとミルクの豊饒さとちょうどよい甘さのバランスが絶妙なのです。好きですねえ、これ。

 

Dsc_0035_copy_768x1126 でも「甘さはいらないの」って気分のときにはこちら、『カフェラッテ ノンシュガー』。苦みばしってますよ。だけど、こってり系お食事のあととか、こっちの方がいいいときもあるわけです。ミルクは入っているので、ある程度のまろやかさは担保されています。

 

Dsc_0007_copy_768x1145 そして、逆にもっともっとマイルドにクリーミーにしたいときは、こちらの『クリーミーラテ』。このように、気分で選べる選択肢がいろいろなのです。良いことではありませんか。

 

Dsc_0076_copy_768x1129 最後に、季節限定のハロウィン商品です。その名も『悪魔のいたずら やみつきメープル』。以前発売したときよりもメープルシロップの量を2倍にしたのだそうです。ただ大江戸はメープルにあまり惹かれるものでななく、はっきり申して感心しませんでした。そんなにメープル強くしたら、コーヒーが死んじゃうじゃん。

 

てなわけで、やっぱり原点の『カフェラッテ』に勝るものはないなあと再確認した大江戸なのでした。

 

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2023年9月20日 (水)

下北沢の「麺と未来」    #麺と未来 #極太麺 

Dsc_0053_copy_768x11532018年に下北沢の一番街にお店ができて、しばらくの間はいつも行列で入れず(並ぶの嫌いなんです)、近頃はようやく並んでいない時も増えてきたので、昨年一度、今年二度行ったがの「麵と未来」というラーメン屋さん。ミシュランのビブグルマン(2020)にも選ばれたようですよ。なるほど。

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でもこれ、ラーメンと言っていいのかどうか迷うような独自の麺です。なにしろうどんの何倍も太い。ほうとうとかすいとんとかに近い麺。でもお店のメニューには「塩らーめん」「醤油らーめん」と書いてあったので、ラーメンでいいのでしょう。

お店では「塩」推しのようで、ネットを見ると過去には「醤油」がなかった時期も長かった模様。塩と言っても複雑で、「あっさり」とは違うスープ。そして麺は・・・

Dsc_0055_copy_768x698 はい、太い~。

ところどころ写真よりもっと太い~。そしてやっぱりほうとうやすいとんみたいな食べ心地です。刀削麺やビャンビャン麵に似てるとも言えますね。大江戸はそういうもっちりした粉もんがすきなので、嬉しいですー。

Dsc_11454_copy_778x576 こちらの醬油も、やはり複雑なスープ。大江戸は醤油の方が好きですね。写真は塩の方が普通のラーメンで、醤油の方は全部乗せの「特製」。

Dsc_11462_copy_798x576特製にはエビワンタンも入ってるのですが、それがもうプリップリ! さすがに「特製」は満足感高いっす。

麺と未来ーーこういう気取った店名やミシュラン云々に拒否反応を示す方もいるかもしれませんが、先入観は取り払って、一度試してみることをお勧めします。

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2023年9月19日 (火)

「バカ塗りの娘」:職人父娘物語    #バカ塗りの娘 #津軽塗 #高野豆腐店の春 #鶴岡慧子 

1_20230919224001 映画『バカ塗りの娘は、青森県の伝統工芸「津軽塗」の職人父娘の物語。実はシネスイッチ銀座で『高野豆腐店の春』とのハシゴで観たのですが、どちらも地方を舞台にして、その道一筋の頑固な職人の父と、同じ道を歩んでいく娘の物語という相似形。しかも本作の小林薫さんと『高野豆腐店の春』の中村久美さんは、元夫婦だったという不思議なご縁の2本です。

(『高野豆腐店の春』のレビューはこちら ↓ )

「高野豆腐店の春」:父娘もの×シニア恋愛もの    #高野豆腐店の春 #藤竜也 #麻生久美子 #尾道: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

ま、基本的に『高野豆腐店』は喜劇で、こちらはちょっと気取ったドラマ。でも、どちらも丁寧に描写しているのです。特に中核となる豆腐作り&津軽塗の作業の描写に関しては、時間をかけてじっくり描いています。それは必要なことですし、そういう作業は映画的に魅力的なものです。

ただ、良作ともそれ以外の人間ドラマを、特に後半はじっくり描きすぎて、そのテンポがあまりにもスロー過ぎて、閉口します。言っちゃあ悪いけど(でも言うけど)、無駄に長いのです。配信だったら、飛ばし見や倍速再生されちゃうんじゃないでしょうか? 大江戸はそんな失礼なことしませんけどね。

鶴岡慧子監督が脚本も担当していますが(小嶋健作との共同)、今の作品にふさわしく、性の多様性やジェンダー問題なども入れ込んでいます。木野花が言う「だから日本の男はダメなんだ」には、激しく同意した大江戸です。ああいう乾杯の場で、女性が「そこにいても見えない存在」になっていることって、日本のコミュニティーで、長らくありましたもんねえ(今もですか?)。

それはいいんですが、映画としては行儀良過ぎて、ちょっと物足りない感じでした。いろんな要素を入れた分、とっ散らかっちゃったし。ただ、「良い物は高い」(それでも職人は儲かっていない)という当然の事実を伝える姿勢は評価したいですし、もっとアピールしてもいいぐらいでした。

 

 

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2023年9月18日 (月)

「高野豆腐店の春」:父娘もの×シニア恋愛もの    #高野豆腐店の春 #藤竜也 #麻生久美子 #尾道

1_20230918224701 映画『高野豆腐店の春』は、「たかのとうふてん」であって、「こうやどうふてん」ではありません。そのことについて、台詞でも言及されていて笑っちゃいました。

傘寿を超えた藤竜也が主演なんて、今の日本映画でなかなか通る企画ではありません。まあ、病を抱えた頑固親父と一緒に住むバツイチの娘の物語。よくある話です。それをごく普通に、あか抜けないヒューマンタッチの人情喜劇として描きます。まあ、三原光尋監督って、そういう作品を作る職人さんなのです。そこがちょっと物足りなくもあります。

そういえば、小津安二郎監督に「私は豆腐屋のような映画監督なのだから、トンカツを作れと言われても無理で、せいぜいガンモドキぐらいだよ」という名言がありますが、三原監督もずっと豆腐を作り続けてるってことでしょうか。

意識したのかも知れませんが、本作のロケ地は尾道。小津さんの『東京物語』ゆかりの地でもあります。「父娘もの」ってところも、多くの小津作品と共通してますね。でも尾道って、どこの景色を切り取っても、ほんとに絵になりますねえ。古い町並みと、高低差のある地形。

娘を演じる麻生久美子も、40代半ばになりました。でも相変わらずかわいらしいですね。今回は三木聡組でのすっとんきょうな個性は封印してました(あたりまえです)。

(以降少々ネタバレあり) 本作は藤竜也と中村久美の「シニア恋愛もの」でもあります。映画館で映画を観る層って年齢上がってるし、これからどんどんこういうものの需要が増えていくのでしょうかねえ?

 

 

 

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2023年9月17日 (日)

ベレーザ、レオネッサに0-3完敗    #日テレベレーザ #ベレーザ #beleza #ベレーザ対レオネッサ #北村菜々美 #いきなりステーキの弁当

Dsc_0078_copy_1024x626 WEリーグカップ・グループリーグの4試合目、日テレ東京ヴェルディベレーザ対INAC神戸レオネッサを味の素フィールド西が丘で観戦。ベレーザの予定表を見る限り、今年最後のナイト・マッチ(18時キックオフ)です。

ベレーザとしては、去る9月12日に英国ウェストハムへの移籍が発表された植木理子(だから前節メンバー入りしなかったんだー)の不在が重くのしかかります。オフ期間のうちに小林里歌子もアメリカに渡ってしまったし、強力フォワードの緊急補強が必要ですね(藤野だっていつまでいるかわからないし)。 なので、北村菜々美選手に関しても、今シーズンはますますウイング=3トップの左としての活躍と得点力が求められるわけです。

Dsc00827 今回のWEリーグカップ、ベレーザはここまで3連勝。対する神戸は、なんと連敗してからようやく1勝。スペイン人の新監督のもといろいろ試しているようで、リーグ戦で勝つための調整マッチと(勝手に)位置づけているのかも知れませんね。

Dsc00861 なので今日の勝者はベレーザかと思っていたら、なかなかうまくいかないものですね。はい、0-3で神戸に敗れてしまいましたー。ミスだらけでいいとこなしの完敗です。「今季はカップ戦もリーグも全部勝つ」と言っていた松田監督も、頭が痛いところでしょう。

Dsc00829_convert_20230917235010 とにかく攻めても守ってもミスが多くて、シュートを打っても外すことが多くて…。

Dsc00814 2失点目なんて、ほんとにピンチでも何でもない場面で、とは言え自陣ゴール前なのに、こねくり回してるうちにかっさらわれて、何とも間抜けな失点。DF一人一人が普通に処理していれば問題ないシーンなのに、わざと余裕を見せて変わったことするもんだから、ああなっちゃうんですよ。

Dsc00846 まあ、相手が神戸ですから、守備が強いんですよね。何とか人数欠けてシュートしても、最後は山下が止めちゃうし。山下と比べると田中桃子って、残念ながら見劣りしますよねえ。この人って「うっかり」は多いし、いつもひやひやしちゃうんですけど。野田の方が安心して見ていられるような気がするんですけど。

Dsc00872_convert_20230917235145 こうなるとせめて、北村さんの写真でも載せておかないとやりきれないのですが、今日は北村さん自身が今一つで、消極的なプレイが多くて残念でした。シュートも大きく外しちゃうし(先発→71分で交代)。 その上、この負け方なんで、表情が悲しいのです。

でも次戦(対エルフェン)に勝てば、決勝進出だそうです。普通なら確実に勝てるエルフェン。しかし、アジア競技大会の日本代表でFWの二人(山本、土方)がいなくなってしまうそうです。ただでさえFW不足なので、藤野と氏原しかFW登録の選手がいない状況になってしまいます。さて、どう戦うのか…見ものです。

Dsc_0079_copy_1024x713 あ。こんな悲しい試合ではありましたが、スタジアムグルメのキッチンカーで買った「いきなりステーキ」のステーキ弁当がめっちゃうまかったです。小生はサーロインステーキとハンバーグが半々のもの(900円)を買ったのですが、うまいのなんの! 肉が柔らかく、ハンバーグもおいしく、塩コショウ・ガーリック+ステーキソースで、そのソースがたっぷりしみたごはんがまたおいしくて! ここのスタグルは、平均点が高いのですが、いやー、こいつは最高にウマウマ王でした(写真は食べかけになっちゃいましたが、これにレタス一枚がついておりました)。「不幸中の幸い」って、こういうことですかね?

 

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2023年9月16日 (土)

中華炒飯?    #中華炒飯 #チャーハン #おもしろ自販機

Dsc_0070_copy_931x768 以前にも紹介した新富町・杉水産の自動販売機 ↓

魚やケーキも自販機で    #変わり種自販機 #オモシロ自販機 #変な自販機 #魚屋の自販機 #珈琲店の自販機 #チーズケーキ自販機: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

最近、その中にちょっと気にかかるものがありました。

「中華炒飯」(税込500円)です。

Dsc_00702_copy_715x768 ん? 中華・炒飯・・・? チャーハンって、典型的な中華ですよね。中華料理屋で出しますよね。

それって、「和風寿司」とか「和風そば」って言ってるようなもんでしょ。「韓国風キムチ」とか「ロシア風ピロシキ」とか…。

あ、でも「インド風カレー」はあるか。インドカレー。でもそれは日本のカレーが特殊で、欧風(英国風)のものが海軍経由で広まったので(諸説あります)、日本風とは違う本格インドカレーが昔は珍しかったために、あえてインドカレーと呼んだのでしょうけれど…。

話を戻しますと、中華炒飯があるのなら、中華麻婆豆腐や中華ラーメンがあったっていいじゃないかってことになります。 中華ラーメン?・・・あ、「中華そば」がありましたね! じゃあ、いいのか。なーんだ。中華炒飯ブラボー!

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2023年9月15日 (金)

新橋に引っ越したやきとりの葡萄屋    #葡萄屋 #葡萄屋のとりめし 

Dsc_0069_copy_1024x768 以前、銀座インズ2の地下にあった「葡萄屋」というやきとり屋のランチについて書きました ↓

有楽町・葡萄屋のとりめし   #葡萄屋 #有楽町葡萄屋 #とりめし #葡萄屋のとりめし #銀座インズ: 大江戸時夫の東京温度 (cocolog-nifty.com)

で、書いてから半年もたたない2021年の5月ごろだと思うのですが、このお店なくなっちゃったんですよねー。昭和文化を感じさせる貴重なお店だったので、誠に残念でした。ただ、その後、この店が新橋に移って営業しているという話を聞きまして、いつか行ってみなきゃならんと思っていたのですが、ようやくチャンスが巡ってきました。

Dsc_0068_copy_971x768 場所は新橋センタービル(駅前のSL広場の横の大きなビルです)のB1。あの雑然とした大衆感たっぷりのエリアにあって、唯一小ぎれいです。「掃き溜めに鶴」(と言ってはいけませんが)感を醸しておりました。

二つ目の写真は、店内から出入口を見たもの。つくばいがあって、水がちょろちょろと良い音で流れているのです。店内はさすがに撮影を遠慮しましたが、有楽町のあの店にあった木製の大きなテーブルや重そうな椅子を持ってきて、新しいものも混ぜながら使っておりました。照明もほの暗く、あの店の感じをかなり再現しております。

Dsc_00682_copy_673x768 で、注文したのはもちろん「とりめし」。以前と変わらず1,200円だったのが、うれしいですね。撮った写真を以前のもの(上記記事参照)と比べても、副菜やフルーツの具合まで一緒です(左上の白菜漬けが隠れちゃいましたね)。まあ、切り干し大根がひじきに替わってるとか、そういうのはありますよ。でもそんなの関係ねえ! ああ、でもよく見ると、緑の山菜みたいなやつの具合や量がちょっと違ったり、鶏肉のサイズも微妙に小さいような気も…。気のせいかな?

Dsc_00672_copy_1024x720 でも、ほぼほぼ一緒です。お味の方もやっぱり「ウマウマ王」でした。ああ、満足満足。となると、一番変わったのは箸袋の色ですかね(笑)。 

銀座インズの葡萄屋のファンで、なくなってガッカリしている方がいらっしゃったら、何とか都合をつけて新橋まで食べに行かれてはいかがでしょうか。

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2023年9月14日 (木)

渋谷の「道玄坂通 dogenzaka-dori」    #道玄坂通 #dogenzaka-dori #ドミセ 

Dsc_0050_copy_938x768_20230914222901 8月24日に渋谷にオープンした商業施設「道玄坂通 dogenzaka-dori」。そのネーミングにはちょっとイチャモンつけたくなりますよねえ。だって、メイン・エントランスが文化村通り(ドン・キホーテのほぼ向かい)にあるのに、道玄坂に面した出入口はないのに、「道玄坂通」ってねえ…。

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まあ、比較的近いのが、道玄坂から文化村通りに抜ける猥雑な小路の途中にある入口。麗郷のちょっと先で左に折れるのです。ヤマダ電機LAVIの裏口前ね。ベンチなんかも配されて、ここだけモダンな異世界になっちゃってます。

Dsc_0043_copy_596x768 で、その先には階段がありまして、さらにその先が崖みたいになっていて、上を見るとホテルがあります。まあ、この先は円山町のホテル街ですからね。でも調べてみたら、このホテル・インディゴってやつが、このビルの上=11階~28階に入ってるんですってね。軽くびっくり。

Dsc_0045_copy_954x768 Dsc_0044_copy_576x768 崖の脇には階段がありまして、この階段の側面が石組みになっていて、目を引くのですよ。ご覧ください、これ。鉄格子の中に、大きめの石がぎっしりです。

Dsc_0046_copy_1024x768 ここの入口を入ると、弁当屋とかカフェがあるのです。ただここは、あくまでも裏口って扱いなのだと思います。

Dsc_0047_copy_1024x766 でもそんなに広い空間ではありませんし、一般の利用が多いのはほぼほぼ1階だけのようです。エスカレーターで2階に上がれるのですが、2階にあるのはダンススクールと歯科と買取屋だけ。ですので、メインは猿田彦珈琲など飲食店のある1階だけ。

Dsc_0048_copy_565x768 で、その1階の中央で最大面積を誇っているのが、「ドミセ」。一目でわかるドン・キホーテのお仲間店というか、店名は違えどほぼほぼドンキです。飲食店のオシャレっぽさと合いませんねえ。どうなんでしょ?

Dsc_0049_copy_877x768 あのペンギンもいますね。そして、雑然とした手書きPOP。ん?「ドすべり」コーナー? どうやら、売れ行きの悪かったおすべり商品を集積した破格値コーナーのようです。消しゴムやスティックのりも30円です。安いねえ。

Dsc_0051_copy_1024x768 この建物って、文化村通り沿いのメイン入口の先にこれまで通りのお店があって、その先にまた「道玄坂通」の別の入口が出て来るって趣向。つまり、建物が変な形に入り組んでいるのです。まあ、「路地の魅力」みたいなキーワードのようですけど…。だから、こっちの出入口の先はもうすぐ、元・東急本店ってな場所なのです。

Dsc_0052_copy_1010x768 元・東急本店は工事囲いに覆われて、絶賛解体中(たぶん)なのでしたー。

それにしても「道玄坂通 dogenzaka-dori」、なんだかよくわからない施設ですねー。今後どう変化していくのでしょうか(それともしないのか)?

 

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2023年9月13日 (水)

「エドワード・ヤンの恋愛時代」(1994年):感情移入ができません    #エドワードヤンの恋愛時代 #エドワードヤン #恋愛時代 

Spmain 映画『エドワード・ヤンの恋愛時代』(1994年)を、4Kレストア版での再公開で初めて観ました。エドワード・ヤン監督の作品は『ヤンヤン 夏の想い出』は大好き、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』は(二度観たけど)良さがわからないというのが、大江戸の感想。しかして本作は・・・

うーん、「良さがわからない」の方でしたねー。1990年代前半の都市(台北)を舞台に、複数の男女が織りなす恋愛絡みの群像劇。ま、ほぼほぼトレンディー・ドラマです。ただ、そういうものは時間をかけて連続ものとして描いた方が、それぞれのキャラクターを掘り下げられて、良い味わいが出るものですから、2時間9分の映画では限界があります。

かなり台詞の量が多い会話劇なのですが、登場人物が多く、字幕ということもあり、なかなか物語や人物の関係性が頭に入って来ません。なので、キャラクターに感情移入ができず、そもそも欠点が多くて感情移入し難い人ばかり出てくるし…、この手の作品でそうなると辛いですよね。

1990年代前半の空気=服装や髪型やメイク、街の意匠などを取り混ぜたすべての空気が、映像の中に刻印されています。そういう、「時代の記録性」というものは映画の持つ特質の(重要な)一つなのです。そういう所を褒めるしかない大江戸です。

そして、「でもこれって、世評ほどいい映画なんですか?」ってのが、正直な感想なのです。

 

 

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2023年9月12日 (火)

日本、トルコに4-2で勝利!    #サッカー日本代表 #日本対トルコ #伊東純也 

サッカー日本代表のヨーロッパ遠征2戦目、日本対トルコ。あの2002年W杯のベスト8を賭けた戦い以来だそうです。なにしろドイツ戦から10人の先発メンバー変更(伊藤洋輝以外全員)ですから、まあはっきり言ってBチームって感じ。とはいえ、久保や堂安も入っています。そして選手層がすっかり厚くなった日本です。

ドイツ戦が(日本時間)日曜の朝、トルコ戦が火曜の夜ですから、森保監督としても最初から総とっかえのつもりだったでしょう。で、得点を決めた伊藤敦樹や中村敬斗も、先発してなかなかの出来を見せた毎熊も、きちんと爪痕を残しました。GK中村航輔の負傷交代のおかげで(と言っては何ですが)2試合で3人のキーパーを見ることもできましたし。やっぱりGKのファースト・チョイスはシュミット・ダニエルだと思うんですよねー(たまにヒヤッとするプレイがあるけど)。

4点目のPKをゲットした伊東純也の単独突破は、まさに「イナズマ純也」! 今日は三苫の出番がありませんでしたが、右に伊東、左に三苫がいる両ワイドって、今や世界で屈指の実力なのでは? それにしても、今日の試合は「いとう(伊藤、伊東)」が3人も出ていました。日本代表ってけっこう「久保」が多い歴史があったりしますけど、かなりなもんだぞ「いとう」。でも、旧ユーゴスラビア各国の「・・・ヴィッチ」には負けますけど。

このヨーロッパ遠征、2試合とも4点取りました(今日は4-2の勝利)。今は、男女とも代表がしっかり得点できるのが頼もしいです限りです。

 

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2023年9月11日 (月)

「あしたの少女」:怒りと絶望    #あしたの少女 #コールセンター #ブラック職場 #ペドゥナ   

1_20230911204501 映画『あしたの少女』は、韓国で実際に起きた事件をもとにした社会派の力作。もう、観ている間中怒りが体を突き上げるような作品です。その点で、おととい書いた『福田村事件』と同じものを感じました。

大江戸はもともとコールセンターってものの業務は、日々心を削られていく大変なお仕事だなあと感じていて、もし自分がやったら何日かで精神に変調をきたしてしまうのではと思っていましたが、本作で描かれるコールセンターも実にブラックです。働いている人たちが不憫でなりません。

(以降ネタバレあり) ブラックな会社も、そこの社員や親会社も悪いんですけど、それだけじゃなくて、生徒を実習生として送り込んでいる学校も悪いし、それを監督する各省庁の組織も悪い。でもそれは絶対的な悪ではなくて、いわば「凡庸な悪」。それが各方面で少しずつ積み重なることで、社会全体での強固で崩しようのない悪が構築されてしまうことへの、持って行きようのない怒りと絶望。システムってものの恐ろしさ。韓国の告発ものということで、『トガニ 幼き瞳の告発』を思ったりもしました。観ることが辛い、しかし直視しなければいけない魂の力作です。

後半になるまでワンシーンしいか登場しないペ・ドゥナ(『ベイビー・ブローカー』に続いて刑事役)が、クールでかっこいいのです。彼女のたたずまいが見事に「映画」になっていて、目が離せません。少女役の頃からずっとその年齢での素晴らしさを出している稀有な女優だと思います。本作でも女優賞ものの好演です。でもこれって、主演女優なんでしょうか?助演なんでしょうか?(やっぱり助演かなあ)

地味な公開で終わってしまいそうですが、日本でももっと多くの人に観てもらいたいと願う大江戸なのでした。

 

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2023年9月10日 (日)

サッカーとラグビーで日本大勝!!   #サッカー日本代表 #日本対ドイツ #日本ドイツに連勝 #ラグビー日本代表 #ラグビーワールドカップ #日本対チリ

未明のサッカー日本vs.ドイツの親善試合、朝起きてから結果を知らない状態で録画を見ました。いやー、まさか4-1で日本が勝つとはだれも予想できませんでしたよね。昨年のワールドカップで勝ったのは、耐えて耐えて弱者の勝ち方だったわけですけど、今日のは堂々たる普通の勝利。フットボールの質で、完全にドイツを上回ってました。

いや、まあドイツもフォワードもディフェンスも全然怖さがなくて、どうしちゃったの?って感じでしたけど、日本のプレイがそうさせたってことも言えるわけで、これは褒めていい勝利でしょう。あのセルジオ越後さんが手放しで褒めていたっていうんですから。

それにしてもドイツは、W杯で日本に負けたのは「たまたま運が悪かった」ってことを示すために、雪辱を期してこの試合を組んだんでしょうけど、えらいことになってしまいましたね。(監督さん、解任されました。)

冨安、最強でした。お見事! 伊東純也も久保建英も素晴らしかったし、菅原は完全に右サイドバック(またはウイングバック)に定着することでしょう。今日は交代選手も含めてみんなほめてあげたい出来。これだけやってくれたら森保さんも楽ですよね。 本当にみんな質が上がりましたし、選手層も厚くなりました。早くも次のW杯が楽しみなのです。

あ、ついでながら、試合前の国歌でちゃんと「前奏なし」の『君が代』が流れたので、心安らかでした。国内だと、とにかく前奏をつけてというか、変な感じで頭の「君がー代~はー」の部分を繰り返すもんだから、聞いていてとても気持ち悪いのです。「一緒に歌うとき、出だしを合わせやすいように」とか「短い曲なので」とか聞いたことがありますが、JFAの方々、お願いです。おかしいから、やめてください!

 

で、夜はラグビー・ワールドカップ・フランス大会の日本vs.チリ戦。こちらも42ー12で日本の大勝。なんせ6トライでボーナスポイントもゲットして、コンバージョン・キックも松田が6本全部決めてましたから。気分の良い勝利です。ああ、2019年の日本大会から4年たったんですねえ。そのうち3年以上はコロナ禍下だったわけで…。日本大会って、思えばコロナ直前だったんですもんねえ。ちょっとずれたら、オール満員のスタジアムでの、あの盛り上がりはなかったわけで…。いやあ、運が良かったですよね。東京オリンピックに較べると、天と地です。

キャプテン姫野のケガの具合が気になりますが、なんとか強敵揃いのグループリーグを突破してほしいものです。

 

 

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2023年9月 9日 (土)

「福田村事件」:差別や争い・攻撃の本質    #福田村事件 #森達也 #コムアイ 

1_20230909234401 関東大震災からちょうど100年の9月1日公開となったのが、この映画『福田村事件』。あまり知られていない日本近代史の汚点であり、できるだけ多くの人に観ていただきたい力作です。

監督はこれまでドキュメンタリーの問題作を次々と手掛けてきた森達也。初めての劇映画ながら、未熟さを感じさせるようなことは少しもありません。脚本は佐伯俊道・荒井晴彦・井上淳一という手練れが揃いました。

このメンツなんで、ところどころかなり左翼的だよなあとは感じさせますが、それ以上に根源的な人間の本質に迫り、強い怒りを持って私たちに問いかけて来る作品になっています。差別や争い・攻撃というものの本質を突いてきます。ここで描かれるマス・ヒステリアは、まさにいじめや戦争と同梱なのです。観ていて怒りと絶望が大きく湧き上がってきますし、この埋もれさせてはいけない事件を映画として製作・公開した勇気と精神には頭が下がります。

男優たちはそれぞれにタイプキャストがハマっていますが、本作で良いのは女優たち。田中麗奈、大人になりましたねえ。木竜麻生、毅然としていて、成長が見られますね。そして、コムアイの繊細なうまさと「昔の日本人顔」の素晴らしさに瞠目しました。彼女はこれから演技派女優として大成していくのではないでしょうか。

森達也監督は「ドラマの強さ」を求めて、本作を劇映画として撮ったそうですが、これからもドキュメンタリーとの二刀流で、この国のさまざまな問題を照らし出してほしいものです。

 

 

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2023年9月 8日 (金)

今日の点取占い326    #点取占い #点取り占い

Dsc_0042_copy_800x474 ブーブー言ふのは豚と君だけだ   5点

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2023年9月 7日 (木)

ローリングストーンズのニュー・アルバムが出るそうで!    #ローリングストーンズ #ハックニーダイアモンズ #ミックジャガー #キースリチャーズ 

いやー、ザ・ローリング・ストーンズが18年ぶりのニュー・アルバム出すんですってね。2005年の『ア・ビガー・バン』以来。10月20日の発売で、タイトルは『ハックニー・ダイアモンズ』。で、新曲『Angry』の公式MVもYouTubeにアップされております ↓

https://youtu.be/_mEC54eTuGw?si=5FfTE9Y5wkOI-maC

うーん、時代をものともせずに突き進むストーンズらしいMVですね。こういうのにまで「女性を性の対象としてしか見ていない」とか「性的搾取」とか言わないでくださいね。何ていうか、伝統芸能みたいな、時代劇みたいなものなんで。 そしてこの音! 隅から隅までストーンズですねえ。王者の風格過ぎて、ひれ伏したくなる感じです。しかもこの曲、10月開始のフジテレビ連続ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(ムロツヨシ・平手友梨奈主演)の主題歌になってるって・・・いったいどうなんってんの??

おととしチャーリー・ワッツが亡くなって、いよいよ3人になってしまったストーンズ(今の日本でただ「ストーンズ」と言うと、別のグループのことだと思われてしまうので、困ったもんですね)。でも、ミックとキースがいる限り、ストーンズは成立しちゃうんですよねえ。

それにしても、ミック・ジャガー80歳、キース・リチャーズ79歳、ロニー・ウッド76歳ですかあ! グレートなジジイたちだぜ。 

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2023年9月 6日 (水)

セブンの和風おにぎり×3    #セブンイレブンのおにぎり #ツンと辛いわさびめし #天タレまぶし #和風ツナマヨネーズ

Dsc_11554_copy_768x685_copy_1024x913_1 そんなにセブンイレブンのおにぎりばっかり食べてるわけじゃないんですけど、気がつくとまた経験値が増えております。今回は「和風」がキーワードです。

まずは『一番だしで炊いた ツンと辛いわさびめし』。税別110円と、今日びではかなりお買い得。海苔は巻いておりません。そのおかげで、だしの風味とワサビの香りが立つんですよね。いや、これはうまい。だしがいい感じに利いていて、それだけでもうまいのですが、そのマイルドネスとわさびのシャープネスのマリアージュが最高にイカしてます。いやー、ブラボー!ジャパン。

 

Dsc_00512_copy_1024x872 続いても海苔巻かない系で、『だし香る 天タレまぶし』。こちらも税別110円。もう、こんなの絶対うまいに決まってるじゃんと思って食べたら、…あれれ。なんか生臭いような。原材料表示を見ると、「イカ入り天かす」とか書いてあったので、イカ臭かあ。いらんのになあ。どうせ認識できない程度のみじん切りで入ってるようなイカなんかいらないのに。それで、評価が下がってしまいました。まことにイカんであります。

 

Dsc_0001_copy_1024x983 3つ目は海苔巻きタイプで、『だし醤油仕立て 和風ツナマヨネーズ』。うわ、これはうまい。だし醤油がしみたごはんが濃厚に良いお味で、その中にツナマヨですから、失敗しようがありません。テッパンです。勝利の方程式です。まことに結構でございました。

 

てなわけで、大江戸はパリパリ海苔よりも、しっとり海苔や海苔なしの方が好きなのであります。

 

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2023年9月 5日 (火)

「アステロイド・シティ」:愛嬌のある宇宙人    #アステロイドシティ #ウェスアンダーソン #映画の宇宙人

1_20230905140901 映画『アステロイド・シティ』は、ウェス・アンダーソンらしい箱庭的映像美の世界。今回は色調が独特。ブルーグリーンとオレンジのフィルターが画面に被っている感じ。そう、印刷技術がまだ粗悪で紙質も悪い時代の雑誌印刷を思わせるカラーリングです。

いつもながらに、あるいはいつも以上に豪勢なキャスティングーートム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、マット・ディロン、マーゴット・ロビー、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラムなどなど。同じように有名どころが低ギャラで集まってくれるウディ・アレンが作品を作れない状況なので、その分ウェスの所に集まってくるんでしょうか?

ただ、その圧倒的に眼福な映像美に慣れちゃうと、今度は飽きてしまうのです。いつも中盤以降はつまらなくて、早く終わんないかなと思ってしまうのです。最後まで面白くって、唯一大江戸が好きなウェス・アンダーソン作品は、『ムーンライズ・キングダム』(2012年)です。

でも、本作の宇宙人は良かったです。ユニークで、愛嬌があって、いい。映画史上で最も愛嬌のある宇宙人ではないでしょうか?このカラフルな作品の中なので、あいつの漆黒感がまた効いてるんですよね。ま、あの宇宙人と3人のかわいいおチビちゃんたちを見る映画ですね。

 

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2023年9月 4日 (月)

「Gメン」:吉岡里帆を楽しもう    #Gメン #ヤンキー映画 #岸優太 #竜星涼 #吉岡里帆 

1_20230904134301画『Gメン』を何の予備知識もなく観たので、まさかこんな学園ヤンキーものだとは思いませんでした。だって、Gメンなんだから、潜入捜査官が学園にまぎれ込むような話なんだろうとしか思っていませんでした。広告ビジュアルも、ちらっと見ただけだったので。そしたら、・・・ああ、勘違い。

しかもおふざけ具合、アチャラカ具合がキツイ。開始5分で観に来たことを後悔しましたが、まあ最終的にはそこそこ楽しめました。そもそも観ようと思ったのは、吉岡里帆が出てるから。で、持ち直したのも吉岡里帆のおかげ(小生的には)。いやー、芸達者の吉岡さん、本作での振り切った演技、サイコーです。ちょっとNHK『LIFE!』っぽかったけど、教室での二重人格的振幅、酔って危険人物になった時のぶっとび方。もう怪演の域で、最高です。

ケンカのアクションはそれなりに健闘。岸優太って、こんなアクションできるんですね。末は岡田准一のポジションか? 竜星涼が爽やかなプリンス系イケメンくん。「なんだ、ニーニーのくせに(『ちむどんどん』の亡霊)」と思っちゃいましたよ。 それにしてもアラサー(へたすりゃアラフォーの方も)の連中が高校生演じるって…。いつもながらの日本の不思議なのでしたー。

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2023年9月 3日 (日)

スフィーダ世田谷勝利からの ベレーザ北村決勝ゴール!    #女子サッカーの日 #スフィーダ世田谷 #日テレベレーザ #ベレーザ #beleza #北村菜々美

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今日は「女子サッカーの日」だそうで、史上初の「なでしこリーグ」と「WEリーグカップ」の同日同会場開催(ダブルヘッダーと言っていいのかしらん?)が行われたので、味の素フィールド西が丘にて観戦。15時と19時のキックオフだったのですが、天気予報では雨模様(少なくとも19時からのベレーザ戦は)だったのですが、カッパを持って観に行ったら、普段の心掛けが良かったせいか試合終了まで雨は降らず。家に帰り着く直前から降り始めました。大江戸、天気予報に勝ちました。

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現在、女子アマチュアリーグのトップである「なでしこリーグ」(旧なでしこリーグではなくて)で、昨シーズン優勝したのはスフィーダ世田谷ってことで、一度生観戦してみたかったのですが、ようやくかないました。スフィーダ世田谷ってスーパーマーケットのサミットがメイン・スポンサーか何かなので、店頭でポスターやのぼりを目にすることがあります。

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今日もスタジアムののぼりやサポーターが歌い続けるチャントなど、WEリーグのチームに負けないものがありました。観客数も800人近かったし(ちなみに本日の2試合目のWEリーグカップは1,340人)。

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てなわけで、アツアツの炎天下に西日のあたるバックスタンドで観戦したスフィーダ世田谷vs.愛媛FCレディース。サングラスとつば付きキャップに助けられました。いやー、暑かった。結局1試合目も2試合目もビール一杯ずつ飲んでしまいましたよ。

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なでしこリーグの審判って男性なんですね。まあ、ちゃんとしたレベルの女性審判はWEリーグで使っちゃうから、まだ人数が足りないってことなんでしょうね。

 

あと、WEリーグに較べて技術が低い分、ボディ・コンタクトが激しくて、けっこう肉弾戦になっているので驚きました。なるほど、そうなんだ。試合は3-0でスフィーダの勝利。ホームゲームを飾りました(駒沢競技場などを使うことも多いようですが)。

 

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で、終了の約2時間後にWEリーグカップ・日テレ東京ヴェルディベレーザvs.アルビレックス新潟レディースなのですが、今日はピッチそばでウォーミングアップを見学できるイベントがあったので、参加しました。

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でも西が丘って、もともとピッチと客席がすぐそばなので、正直バックスタンドにいる時よりも選手たちが遠かったような(笑)。

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でも、選手たちと同じピッチレベルで、いつもと違う場所から見学できたのは、良い経験になりました。距離感とかも実感できましたし。

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ちょうどその時間は日没前後のマジックアワーで、夕空がそれはそれは美しかったのでございます。

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前週の試合ではベンチ外だった北村菜々美選手も、今日は(先発ではありませんでしたが)ベンチ入り。期待しちゃいますね。

Dsc00780 試合はシーソーゲーム。先制されたベレーザですが、前半のうちに菅野と藤野がゴールを決めて逆転。しかし、後半、新潟に追いつかれた72分、北村さんが山本柚月に替わって左のウイングに入りました。

背番号が14から7になっての初登場です。そして今日は残り20分ほどで同点という局面で投入されたこともあり、いつもより随分と攻撃的でした。

Dsc00782 プレイの質も高く、良いボールさばき、良い走りを見せていました。そして、ゴールに迫る姿勢が明らかに脅威となっていました。何かやってくれそうな気配が感じられました。

Dsc_0030_copy_1024x605 そして88分、木下からのパスを受けた北村はドリブルでゴールに迫り、左足を一閃! 彼女にしては珍しい感じのゴラッソで、3-2と勝ち越したのです。やればできる子なんですよ。これを待ってました!

その後もアディショDsc_0033_copy_1024x768 ナルタイムに、パスに抜け出してキーパーと一対一のところをクロスバーに当ててしまって惜しくもゴールならずのシュートを放った北村さん。いやー、惜しかったけど良かった。もしかしたら、同様のポジションで、同い年で、体格も似たような宮澤ひなたのワールドカップでの活躍が刺激になったのかも知れません。宮澤にできたことは、たぶん北村にもできるはずなのです。あとは遠慮しないで、積極的にゴールに迫ること。少なくとも今日はそれができていました。この調子です!

結局そのままベレーザが勝利。WE3年目、ベレーザで3年目の北村菜々美(古巣のセレッソに戻らなくて良かった)、このカップ戦も、そしてその後のリーグ戦でも、シン・キタムラへの覚醒が見られそうです。

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2023年9月 2日 (土)

「こんにちは、母さん」:小百合おばあちゃんの魅力    #こんにちは母さん #山田洋次 #吉永小百合 #向島

1_20230902225001 映画『こんにちは、母さん』は、近年の山田洋次作品の中では一番の出来。御年91歳にして、まだまだ現役です。

とはいえ、時々古くさーい台詞(脚本=山田洋次、朝原雄三)や気恥ずかしい説明台詞があったりするのはいただけませんでした。一方では心に迫るような台詞もあるだけに、脚本チームに若い血を入れることが、やはり必要なのでは?

あとは会社がらみ(宮藤官九郎がらみ)の展開や台詞がいかにもなクリシェでしかなくって、現実味もなくて、そこも残念なところです。 一方、ホームレスの田中泯さんがらみの部分は、苦みがありますが(東京大空襲にまで言及していて)、意義深い部分です。

でも、何と言っても吉永小百合さんが近年になく魅力的なので(きれいな「かわいいおばあちゃん」なので)、そこで成功しました、この作品。(以降少々ネタバレあり)特に後半の恋愛がらみの部分だとか、終盤の酔っぱらっての大泉洋とのからみだとかは、彼女にしか出せない魅力で、むしろ「フレッシュ」と言いたい感じ。日本のおばあちゃん映画の新世界ではないでしょうか。

永野芽郁が意外と(と言っては何ですが、そしていかにも山田映画に出て来そうな若い娘の役ですが)健闘しておりました。 そして、久々に加藤ローサを見ましたが、すっり「大人」になっていましたねー。

大泉洋は、エリート版「寅さん」になってました。そして、母さんの家=向島の足袋屋さん は、あたかも柴又の「とらや」のようでしたね。さらに、本作は向島あたりの風景が楽しめる作品としても、記憶しておきたいと思います(美しき花火映画でもあります)。

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