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2023年11月29日 (水)

「花腐し」:おじさんのノスタルジー&ファンタジー    #花腐し #荒井晴彦 #さとうほなみ #さよならの向う側

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映画『花腐し』(はなくたし)は、前作『火口のふたり』(2019年)が同年のキネマ旬報ベストワンに輝いた荒井晴彦監督(脚本は中野太と共同)の新作。前作同様、ヌーディティーも性描写もがっつりある往年のロマンポルノのような作品です。

まったくもってオールドファッションドな男たち(と女ひとり)の映画です。綾野剛と柄本佑の二人の昭和な無頼ぶりが、実に「おじさんのノスタルジーとファンタジー」になっています。いや、76歳の荒井晴彦がそう書いて、そう演出してるので、むしろ「おじいさんのノスタルジーとファンタジー」なのかも知れません。ノスタル爺、ファンタ爺…。なにしろ常に酒飲んでるし、タバコ喫ってるし、やたらとセックスしてるし、下駄履いてるし、ぼろアパートだし、ゴールデン街だし…。

そういったあれこれがカラーとモノクロの映像を行きつ戻りつしつつ描かれます。このモノクロ映像が、いい諧調なんですよねー(カラーもいいけど)。幽玄で。撮影は、川上晧市と新家子美穂。

そして、昨年の『愛なのに』でも良かった「さとうほなみ」が、本作ではさらに忘れがたい印象を残します。決して「うまい」芝居ではないけれど、それ以上に何ともリアルな存在感と肉体の力で、観る者の情感を震わせます。

(以降少々ネタバレあり) ラストの『さよならの向う側』(山口百恵のラストシングル)がまたほとんど反則。あのデュエットに漂う退廃と喪失感とやるせなさ。それでも人生は続く。子供にはわからない、大人のための日本映画ってこういうものです。 ついでながら、荒井さんが自らの脚本作『Wの悲劇』で書いた有名なフレーズ「顔ぶたないで。私、女優なんだから。」が文字で出てきて、おお!と思いました。『キネ旬』を読んだら、荒井晴彦の脚本家デビュー作『新宿乱れ街 いくまで待って』(1977年)でも使われていたんだそうですけどね。

 

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