「唄う六人の女」:薄っぺらい環境映画(困ったもんだ) #唄う六人の女 #石橋義正 #エコロジー映画
映画『唄う六人の女』…、まるで市川崑監督の『黒い十人の女』みたいなタイトルですね。でも雰囲気も内容も、まるで違います。しかも女たちはまったく唄いません(サギ?)。いや、声すらほとんど発しません。
『オー!マイキー』の石橋義正監督によるミステリアスなファンタジーというかサスペンスというかなのですが(小生の頭の中では、いつになっても石橋義正といえば『オー!マイキー』なのです)、はっきり言って失敗作としか思えませんでした。
(以降ネタバレあり) 終盤に明かされるのですが、妙にエコロジカルな環境保護映画だったのですね。それにしてはメッセージなのかアートなのかエンタテインメントなのか、どっちつかず。いや、どの側面も弱いです。変に気取ってる割には映画的成果が上がってないし、映像に凝っていそうな割には美の強度が大したことないですし、娯楽要素を入れてる割には面白くありません。困ったもんです。
それよりも何よりも、肝腎のこの女たちがまったくのところ魅力も魔力もなくって、それでは映画として成り立ちません。どうも魔の世界の者どものようですから、普通の人間のような人物造形とか掘り下げとかはいらないのかも知れませんが、それにしてもキャラ分けのための特徴のみで、薄っぺらいったらありません。
エンドロールを見て初めて、女たちが「ハチ」とか「ナマズ」とか「フクロウ」とか森の生き物の化身であることがわかるのですが、それ(裏設定だけじゃなくて)映画の中でちゃんと示してくれなきゃダメでしょ。って感じで、どうにもこうにも不満の多い作品でした。
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