「正欲」:新垣結衣の瞳 #正欲 #新垣結衣 #稲垣吾郎 #磯村隼人 #岸善幸
映画『正欲』は、東京国際映画祭のコンペ部門で最優秀監督賞と観客賞をダブル受賞した作品ですが、それにふさわしいと思いました。今年の日本映画は良質な社会派の問題作が続々と出ているのですが、これもその流れに連なる一本。
これまでの岸善幸監督作品(『二重生活』『あゝ、荒野』『前科者』)同様、役者を見る映画になっています。ビリング・トップの稲垣吾郎よりも、新垣結衣の映画だと思います(二人とも「ガッキー」ですけど)。地方都市で親と同居しながら、ああいう感じでグレイッシュな日々を送っている死んだ目の女性を、「明るさスイッチ」「癒しスイッチ」をオフにして演じています。暗いです。小生も一ファンとしては、見ていて辛くなる感じでした。しかし芝居としては見事。(以降少々ネタバレあり) 特に終盤の稲垣との対決(?)では、その瞳に宿る光が、真実の目力が、圧倒的でした。台詞の言い方も含めて、女優賞モノです(主演か助演か微妙なところですが)。
群像劇なので、稲垣も、磯村勇斗も、その他の人々も、しっかりと見せ場があり、それぞれの爪痕を作品に残しています。それにしても、今年の磯村は社会派の話題作・問題作にことごとく出まくっている印象ですね。
朝井リョウ原作の力もあるのでしょうが、現代日本の問題や悩みを「あるある」って感じに、しっかりと作品に組み込んでいます。そして134分の長さを感じさせない面白さもあって、作品が訴えかける「思い」も感じられて、大江戸としては評価したい作品です。
磯村と新垣の二人でダム放水の滝みたいな絶景を見に行く場面があるのですが、調べたら日光市の「銅(あかがね)親水公園」という所でした。画面いっぱいに広がった見事な滝(流水)の映像に、滝好きとしては萌えました。あのカットが10分ぐらい続いたら、もっと名作になったんじゃなかろうかとマジで思いました。その10分の間に、人はいろんなことを思うと思うのですよ。小生は水の動きが好きなので、ただただ見続けていたかったです(これも水フェチ?)。
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