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2023年12月26日 (火)

「PERFECT DAYS」:アナログ人の静かな生活    #PERFECTDAYS #パーフェクトデイズ #ヴィムヴェンダース #役所広司 #THETOKYOTOILET

Dsc_0569_copy_1024x720 映画『PERFECT DAYS』の大広告が渋谷スクランブル交差点の4方面すべてに出ておりました。長期改装中のTSUTAYAビルの前面とか、ハチ公前のボード(右上のタイトルに加えて、左下の壁面にも役所広司のトイレ掃除ビジュアルが)とか、三千里薬局上の懸垂幕とかその対角線向かいのビルにも懸垂幕。地味なヴィム・ヴェンダース作品をこんなブロックバスターみたいな扱いにするなんて、びっくりです。

Dsc_0572_copy_600x974 でもこの作品、役所広司が渋谷区のデザイナーズ・トイレ(THE TOKYO TOILETというプロジェクト)の清掃員という設定なので、ご当地映画ならではの扱いなのかしらん? ひょっとして、渋谷区からも多少のお金が出ていたりするのかしらん?

Dsc_0570_copy_1024x612 それはともかく、ご当地のTOHOシネマズ渋谷で観た本作は、かなり素晴らしい出来栄えでした。12月2日公開のこの作品。『キネマ旬報』ベストテンの今回のレギュレーションは12月21日公開作までが対象とのことで、本作が翌年度の対象になってしまうのが何とも残念です。

中年から初老という感じの独り身の主人公。墨田区押上あたりの古アパートに住む彼の「静かな生活」を、淡々と丹念に描いていきます(それにしてもなんで押上から毎日車で渋谷区まで通うのかしらん。渋谷区にだって、ああいう古いアパートは探せばあるんですけどねえ)。

主人公がカッコ良過ぎて違和感あるよなあとか、やけにインテリ過ぎるよなあ(音楽の趣味もとっても良いし)とか思っていたのですが、後半になってそこらへんが腑に落ちるような話になっております。大きな事は起きないストーリーですが、こういうの嫌いじゃありません。

無口な彼の生活は、アナログで成り立っています。カセットテープに、フィルムカメラに、VHSに、紙の本…。ベッドじゃなくて布団、内風呂じゃなくて銭湯、なんてあたりもそうですよね。テレビもなければスマホもないし(ガラケーです)、ネットも見ない。でも田舎じゃなくて、東京。規則正しい端正な暮らしで、娯楽は本を読むこと。ちょっと憧れないでもないですけど、でもまあすぐ飽きちゃうでしょうね、小生の場合。

また、墨田区(スカイツリーのそば)、渋谷区(恵比寿や松濤や代々木八幡など)、浅草(あのかび臭い地下街の焼きそば屋)、下北沢など、知ってる場所がたくさん出て来るのも嬉しかったですね。

役所さん、カンヌでベストアクターに輝いたり、誰もが高く評価しております。でも大江戸は、今回ちょっと芝居し過ぎてるなあと思います。国際仕様なのかなあ。他の作品の役所さんの方がよっぽど見事な演技だと思いますし、本作ではちょっと表情が大きいのです。日本人は、特にこの主人公のような人は、もっと無表情に近いかたちで感情を表すと思うけどなあ。あと、あの場面できっとハグしたりはしないと思うんですよね。ラストの泣き笑いの表情も、ちょっと「??」。そこらへんが惜しいなあ。 でも彼が毎朝飲む缶コーヒーが「BOSS」だったのは、…まあ当然ですよね。

(追記) 『キネ旬』の「読者投票のご案内」をよーく見返すと、「『PERFECT DAYS』の一般公開は12月22日ですが、10月に東京で7日間以上、先行上映されたので、今年度の対象となります」って書いてありましたー! でも、あの書き方じゃ見落としちゃうよー(責任転嫁)。作品リストも12月に入ってないのは確認していたのですが、まさかの10月に入ってました(そもそも東京在住なのに、10月にやったこと知らなかったし)。

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