「熱のあとに」:暗くて、カッコつけてて #熱のあとに #橋本愛 #仲野太賀
映画『熱のあとに』は、山本英(あきら)監督の劇場映画デビュー作。2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアされた作品とのことですが、うーん、インスパイアの果てに妙な所に入り込んでしまった感じです。作ってる方は、これでいいと思っていらっしゃるのかも知れませんが…。
とにかく映画がカッコつけてます。そして暗い! 内容的にも、映像的にも暗いのです。最も極端なのが、プラネタリウムの場面。暗闇の中にモノクロ映像のように、サイドにだけ光が当たった二人の顔がぼんやりと浮かび上がった絵を延々と見せながら、橋本愛の独白が延々と続くという、ある意味「勝負の場面」。でもねえ、狙いすぎ、カッコつけすぎですよねえ。むしろちょっと恥ずかしいです。この場面に限らず、観念的な愛の台詞が多すぎて、崩壊してます。アントニオーニやアラン・レネやベルイマンが好きな学生の自主映画みたいな趣きなのです。
橋本愛って、どうしてもこういう方向の役をオファーされるんでしょうね。暗くて、メンヘラなのが似合ってはおりましけど…。 一方、仲野太賀はときどきこういう暗くてシリアス系の役を振られますよね。『タロウのバカ』とか『生きちゃった』とか『泣く子はいねぇが』とか。
終始観てることがしんどい作品です。その上、終盤に何が現実なのか?これはどう解釈すべきなのか?って感じに、混乱を与えてくれます。ラストも「何なんだよ?」です。荒涼たる気分で映画館を出ました。熱が出そう。
| 固定リンク
« 「キネマ旬報」2023ベストテンの発表 #キネマ旬報 #キネ旬ベストテン #2023年キネマ旬報ベストテン | トップページ | 梅ジャムせんべいの逆襲 #梅ジャム #梅ジャムせんべい #ソースせんべい »
コメント