「瞳をとじて」:時の過ぎゆくままに #瞳をとじて #ビクトルエリセ #アナトレント
映画『瞳をとじて』は、『マルメロの陽光』以来31年ぶりというビクトル・エリセの新作。さすがに、映画に格調がありますね。
ここのところ高齢に達した世界の巨匠たちが、映画に関する映画を撮っているのですが(チャン・イーモウの『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』とかスピルバーグの『フェイブルマンズ』とかウディ・アレンの『サン・セバスチャンへ、ようこそ』とか…)、これもその一本。やはり、フィルムからデジタルへの交代、映画館から個人視聴への流れを前にして、改めて自分にとっての映画というものを見つめ直し、総括しつつ、下の世代へ伝承しているのでしょうね。
やはり序盤と終盤に出て来るアナ・トレント(『ミツバチのささやき』のアナ!)がすべてをさらっていきます。半世紀の時の流れを経て、それでもやっぱり変わらない面影。それを目にした誰もが、時間や人生というものに関して思いを馳せることでしょう。
本作での役名も「アナ」となっているアナ・トレントが「ソイ アナ」(私はアナよ)と二度言う場面には、大きな感銘を受けました。受けますよね! だって、『ミツバチのささやき』の有名なセリフですもんね。
現在83歳のビクトル・エリセ。超寡作なだけに、次回作はもうないのかも知れません。でも、この作品を観る限り、まだまだ全然やれちゃいそうなんですけどねえ。 「顔」の映画でもありました。
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