「四月になれば彼女は」:絵は美しいけれど… #四月になれば彼女は #四月に慣れバカの女は #川村元気 #山田智和 #森七菜
今、『四月になれば彼女は』と変換しようとしたら、「四月に慣れバカの女は」と出ました。なかなかすごいと思います。
というわけで、川村元気の恋愛小説を映画化した本作。監督は米津玄師の『Lemon』などMV界の名作を作って来た山田智和で、初の映画演出。まあ、確かに圧倒的な風景で美しい絵作りをしています。冒頭のウユニ塩湖の白と空の青と森七菜の赤い服のコントラストの美しさなんか、もうそれだけでこの映画を観た価値があるってところ。
東京の街のちょっとした風景も、素敵な感覚で撮られています。撮影は今村圭佑。この人もMVやCMを多く手掛けて来た人なのですね。でも映画も、『新聞記者』『百花』『リボルバー・リリー』などいろいろ撮ってます。
そんなわけで「絵」は万全なのですが、脚本と演出が今一つ。なんか表層的というか、作り物めいて感じられました(まあ、作り物には違いないんですけど)。「そんなことで悩むなよ」とは思いますが、心の病気なのでしょうがないことです。それはわかっちゃいるんですが、どうも登場人物たちの行動にリアルな人間の息吹きが感じられないというか、映画としての腰が弱いというか…。
(以降ネタバレあり) 別に「死病」を持ち出さなくてもいいじゃないと思うのですが、日本映画ってホントに昔っから死病映画が好きですねえ。安直だぞ。 でも、終盤の森七菜が後ろを向いて「わかってましたよ、なんとなく」とか言う場面だけはやけに良かったのです。本作の森七菜は全身の芝居はいいのに、顔の芝居にはテレビドラマの癖がついていて、紋切り型。笑顔はCMの癖がついているように見えました。だから、このシーンも後ろ向きで顔が見えない芝居だからこそ、感動的だったのだと思います。一度、ありきたりの芝居に厳しい監督に使ってもらえるといいのですけどねえ(往年の相米慎二監督のような)。
サイモン&ガーファンクルのあの曲は流れませんでしたー。
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